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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2010年9月28日
富士通株式会社

「次世代スーパーコンピュータ」を出荷開始

当社は、文部科学省が推進する「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築(注1)」計画のもと、独立行政法人理化学研究所(以下、理研)様と共同で「次世代スーパーコンピュータ(愛称「京(けい)」(注2))」の開発・製造を行い、本日より出荷開始します。出荷されたコンピュータは、兵庫県神戸市にある理研様の計算科学研究機構に納入され、2012年秋の供用開始を目指して設置・調整が行われます。

「次世代スーパーコンピュータ」システムは、超高性能CPU(中央演算装置)を搭載した800台以上のコンピュータラックや超大規模接続が可能なネットワークなどから構成されるもので、高性能・高信頼を追求し先端技術を結集して当社が開発したコンピュータ(注3)です。


「次世代スーパーコンピュータ」(イメージ)

コンピュータ本体の製造は、当社コンピュータシステムの基幹工場である株式会社富士通ITプロダクツ(所在地:石川県かほく市、以下 富士通ITプロダクツ)にて行われます。富士通ITプロダクツから出荷されたコンピュータは、兵庫県神戸市にある理研様の計算科学研究機構に納入されます。

当社は、「次世代スーパーコンピュータ」プロジェクト(注4)に2006年の設計段階から参画するなど、スーパーコンピュータによるシミュレーションを通じて、国の科学技術基盤や国際競争力の強化に貢献し、幅広い分野での活用による豊かな未来づくりを目指しています。

以上

注釈

  注1 革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築:
「次世代スーパーコンピュータ」プロジェクトを進化・発展させた、文部科学省の施策。従来の開発側視点から利用者側視点に転換し、多様なユーザニーズに応える革新的な計算環境を実現するために、(1)引き続き世界最高水準を目指した「次世代スーパーコンピュータ」を開発・整備するとともに、(2)「次世代スーパーコンピュータ」と自律分散する国内のスーパーコンピュータをネットワークで結び、多くのユーザが利用でき、データの共有や共同分析などを可能とする環境の構築を目指す。
  注2 愛称「京(けい)」:
理研が2010年7月に決定、発表した「次世代スーパーコンピュータ」の愛称。「京」は、開発目標性能の10ペタFLOPSを表す万進法の単位。また、「京」はもともと大きな門を表し、“計算科学の新たな門”という期待も込められている。
  注3 高性能・高信頼を追求し先端技術を結集して当社が開発したコンピュータ:
「次世代スーパーコンピュータ」のCPUには、当社が自社開発した「SPARC(スパーク)64™ VIIIfx」を採用。「SPARC64™ VIIIfx」は1CPUあたり128ギガFLOPSの高い計算能力を持つと同時に、メインフレームの高信頼技術を継承。さらに1CPUあたり従来比3分の1となる低消費電力を兼ね備え、処理性能が1ワットあたり2.2ギガFLOPSという世界最高クラスの消費電力あたり性能を持つ。
また、「次世代スーパーコンピュータ」では、8万個以上のCPU間を相互に接続するネットワーク(インターコネクト)として、6次元メッシュ/トーラスという世界初の斬新なトポロジーを持つインターコネクトを開発。これにより複数の処理をプロセッサ群に柔軟に割り当てシステムを有効利用できると同時に、一部が故障しても故障箇所を回避してシステム処理を継続できる仕組みを備え、高い運用効率と可用性を確保する。
そのほかにも、発熱源となるプロセッサなどの主要部品を冷却する技術として水冷方式を採用し、高密度実装技術と合わせ、膨大な数の部品で構成される大規模システムにとって不可欠な部品寿命の向上と、故障率低減を実現する。
  注4 「次世代スーパーコンピュータ」プロジェクト:
世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ」の開発・整備、および利用技術の開発・普及を目的とするプロジェクト(正式名称 「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクト)。理論、実験と並び、現代の科学技術の方法として確固たる地位を築きつつある計算科学技術を、国家基幹技術として、今後も日本が科学技術・学術研究、産業、医・薬など広汎な分野で世界をリードし続けることを目指し、
(1)世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ」の開発・整備
(2)「次世代スーパーコンピュータ」を最大限利活用するためのソフトウェアの開発・普及
(3)上記(1)を中核とする世界最高水準のスーパーコンピューティング研究教育拠点(COE)の形成を一体的に推進するために、文部科学省が2006年度から開始。2009年度にプロジェクトが見直され、「HPCIの構築」計画の一環となった。

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