PRESS RELEASE (サービス)
2010年8月9日
富士通株式会社
協和発酵キリン様、電子実験ノートシステムの本運用を開始
業界初、法規制化合物チェック支援システムと連携した創薬研究基盤を構築
当社は、協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松田 譲 以下、協和発酵キリン)様と共同で、創薬研究業務に変革をもたらす新システムとして、実験の手順や結果、化合物の構造式などの全ての実験情報を電子的に共有し、ナレッジの活用による高度な開発および開発スピードの向上を実現する電子実験ノートシステムを構築しました。このほど、薬の候補物質となる化合物の合成実験を行う協和発酵キリン様の合成研究部門において、新システムの本運用が開始されました。
新システムでは、協和発酵キリン様で運用している法規制化合物チェック支援システムとの連携を図ったことにより、最小限の負荷で、合成実験を行う化合物が麻薬や覚醒剤などの法規制化合物に該当するか否かをシームレスにチェックすることができるため、早期の段階で、法規制化合物を確実に排除することが可能となります。
背景
協和発酵キリン様は、抗体技術を核とする最先端のバイオテクノロジーを駆使した新薬の開発に取り組まれており、より高レベルな新薬をコストと期間をおさえて開発するために、薬の候補物質となる化合物の合成実験を行う合成研究部門において、現在紙で管理している実験の手順や結果、化合物の構造式などの実験情報を共有し、ナレッジの活用および開発スピードの向上が急務となっていました。
創薬研究基盤
当社は、協和発酵キリン様と共同で、欧米で圧倒的なシェアをもつケンブリッジソフト・コーポレーション(所在地:米国、CEO:Michael G. Tomasic、以下、ケンブリッジソフト社)の電子実験ノートパッケージソフトウェア「E-Notebook Enterprise」をベースに、合成研究部門の研究情報を電子的に記録、管理し、研究の内容や進捗状況を見える化し、ナレッジとして活用するためのシステムをわずか4ヶ月で構築しました。
新システムにより、協和発酵キリン様の合成研究者は、これまで、手書きで一から作成していた、合成実験の手順や実験結果、化合物の構造式などの実験情報を記載する合成実験ノートを、パソコンで過去の類似する実験情報や構造式を参照、活用しながら効率よく作成することができます。また、定期報告書の作成や特許出願に必要となる煩雑な情報収集を容易に行えます。さらに、協和発酵キリン様で運用している、法規制化合物チェック支援システムとの連携機能により、業界で初めて、電子実験ノートシステムの化合物が、麻薬や覚醒剤などの法規制化合物に該当するか否かをシームレスにチェックできる仕組みを構築しました。これにより、研究者は、研究者間でのナレッジ共有と作業負荷の軽減により、効果的な研究開発に取り組むことができます。
当社の電子実験ノートシステムへの取り組み
当社は、1995年に、ケンブリッジソフト社と化学構造式描画ソフト「ChemDraw」をはじめとする化学研究支援ソフトウェアの販売契約を締結以来、約15年に渡り、約1,000社への同ソフトウェアの販売・サポートを行っており、「E-Notebook Enterprise」については、国内トップベンダーです。当社は、今後も、グローバルな競争が激化する製薬業界の業務変革を可能にするツールとして期待が高まる電子実験ノートシステムの構築から運用サポートまで一貫したサポートを行うことで、お客様ビジネスの競争力強化に貢献していきます。
電子実験ノートシステムのイメージ
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商標について
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