PRESS RELEASE
2010年6月10日
富士通株式会社
株式会社富士通システムソリューションズ
いなげや様と菱食様における店舗在庫最適化支援システムを構築
小売と卸が一体となり、消費者目線のより良い店舗づくりを実現
富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通システムソリューションズ(以下、Fsol)は、小売業大手の株式会社いなげや(本社:東京都立川市、社長:遠藤 正敏、以下、いなげや)様と食品卸業界大手の株式会社菱食(本社:東京都大田区、社長:中野 勘治、以下、菱食)様における店舗在庫最適化 (Vendor Managed Inventory、以下VMI)支援システムを富士通のデータセンターで運用している菱食様の基幹システムの一部として新たに開発し、このほど稼働を開始しました。
VMI支援システムは、卸による小売の在庫管理を行うシステムで、小売が在庫情報を卸と共有し、一定の在庫量になるよう卸が自動的に在庫を補給する仕組みです。
本システムによりいなげや様は、必要な商品を必要な量のみ自動的に菱食様から補給してもらうことができるため、在庫の圧縮と業務の効率化が可能になります。また、菱食様にとっても、いなげや様と一丸となって消費者目線の売り場づくりを推進できるなど、いなげや様との戦略的な取り組みを強化できるといったメリットがあります。
菱食様は、飲料・嗜好品をはじめとする加工食品や酒類・冷凍食品・アイスクリーム、生鮮食品の一部について、長年流通を手がける中で、生活者のライフスタイルの創造を得意先に提案し、生活者の嗜好に合わせた豊かな食生活の実現に取り組んでいます。
【「ina21」練馬東大泉店】 |
菱食様の得意先であり、首都圏を中心に100店舗以上を展開する小売業大手いなげや様は、取扱いラインナップを定番商品に絞り、小規模な店舗とスリムな体制でEDLP(EveryDay Low Price)を実現する新しい業態の店舗「ina21」の本格展開を進めています。「ina21」では、限られた店舗スペースと人数で、タイムリーかつ高精度な在庫管理を行う必要があるため、これまでのPOSの売上データを元に経験則で在庫発注を行う食品流通業界の属人的な発注業務を見直すことが必要となっていました。
【「ina21」杉並桜上水店の冷凍食品売り場】 |
これを実現するため、いなげや様と菱食様は、アパレルや自動車業界、また米国小売最大手ウォールマート様などで在庫圧縮などの効果を生んでいるVMI支援システムを富士通およびFsolと共同で構築し、「ina21」の市販用冷凍食品およびアイスクリーム部門を対象に、練馬東大泉店と杉並桜上水店および練馬中村南店の三店舗で運用を開始しました。
新システムは、菱食様がいなげや様「ina21」に納入している商品について、いなげや様のPOSの売上情報と在庫情報から補充すべき数量を算出し、菱食様に発注すべき商品および数量を菱食様の基幹システムに自動送信する機能を富士通のデータセンターで運用している菱食様の基幹システムの一部として新たに開発したものです。季節変動などの需要の変化にあわせて、店舗側で補充数の変更なども可能です。これにより、いなげや様は、店舗在庫の適正化を実現し、ビジネスチャンスを逃さないタイムリーな商品提供(チャンスロスの減少)、在庫管理・発注業務効率の向上、在庫管理スペースの削減が可能になります。また、菱食様においても、いなげや様のPOSの売上や在庫情報、また補充すべき商品と数量をリアルタイムに参照できるため、想定外の短期需要への対応に伴う物流コストなどを削減することができます。また、菱食様は、これらの高精度な情報をもとに販売分析を行い、いなげや様に強力な販売提案を行うことが可能になります。
システムのイメージ図
今後、いなげや様は、菱食様とともに、現在16店舗の「ina21」に順次、VMI支援システムの導入を予定しています。富士通グループは、小売と卸が一体となり、より良い店舗づくりを行うために重要となるVMIシステムを通じて、今後も、いなげや様と菱食様のビジネスに貢献していきます。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
流通ビジネス本部 食品・卸統括営業部 食品・卸第四営業部
電話: 03-6252-2412(直通)
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