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PRESS RELEASE (サービス)

2009年11月4日
富士通株式会社

成田国際空港株式会社様の空港運用を支える

最先端の運航情報管理システム「NARCⅢ」を再構築

当社は、このたび成田国際空港株式会社(所在地:千葉県成田市、代表取締役社長:森中 小三郎、以下、NAA)様において航空機の離着陸予定などの運航情報を一括管理している、運航情報管理システム「NARCⅢ(ナーク スリー)(注1)」をNAA様とともに再構築しました。NAA様は成田国際空港全般の運用管理を行なっている会社です。

NAA様は、B滑走路(注2)を2180mから2500mへ延伸するための工事を実施し、2009年10月から2500mのB滑走路を供用開始されています。これにより、2010年3月には空港全体の年間発着回数が20万回から22万回に増えると予想し、今回、「NARCⅢ」の再構築で運用管理を強化されました。

また、運航情報管理システム「NARC」を、大型汎用機からオープン系のシステムへと刷新することで、NAA様の大型汎用機の技術者減少による次世代への技術ノウハウ継承問題を解決することができました。さらには、悪天候による運航トラブル発生時に事態を早急に収束できるようにシステムの操作性を改善するなど、機能向上や業務効率化を図られました。

背景

本業界では、成田国際空港の滑走路延伸と羽田空港の滑走路増設など、国内外での競争力の強化を図っています。NAA様は今後も首都圏の国際空港としての役割を担い続けるために、運用面において効率的でクオリティの高い空港を目指しています。NAA様はB滑走路を2180mから2500mへ延伸し、2010年3月より、年間発着回数を20万回から22万回へ増加させる予定です。

「NARC」とは


【 エプロンイメージ図 】
拡大イメージ

「NARC」は、成田国際空港を離着陸する全ての航空機運航の予定情報、現在情報、実績情報を一貫して正確に適時に把握し、安全かつ円滑な空港運用を支援するNAA様の基幹システムです。国土交通省航空局から送られてくるフライトスケジュールや航空機のATS情報(注3)、航空会社からの運航情報などの情報を一括して管理しています。「NARC」で管理しているそれらの情報は、航空機の施設使用記録として、NAA様の大きな収入源である着陸料・停留料などの基礎データとして使用されています。

また「NARC」は、空港内の航空機管理には欠かせない2つのシステムである、ターミナル近辺にあるエプロン(注4)エリアでの航空機の移動を支援する「ランプワークステーション」と、航空機の駐機場所である「スポット」の管理をする「スポット割当管理システム」とそれぞれ情報連携し、エプロン運用管理業務を支えています。

「NARCⅢ」再構築について


【 NARCⅢイメージ図 】
拡大イメージ

当社はこのたび、空港運用を支えている運用管理システム「NARC」を、年間発着回数の増加に対応すると同時に、大型汎用機システム「NARCⅡ」から、オープン系システムとして当社のUNIXサーバ「SPARC Enterprise」を活用し、「NARCⅢ」としてNAA様とともに再構築しました。これにより、NAA様の大型汎用機などの基幹系システム技術者の退職による次世代への技術ノウハウ継承問題への対応、運用保守費の大幅削減、ビジュアル化された操作画面により悪天候による運航トラブル発生時の事態の早急な収束などが可能となります。

ランプワークステーションについて

通常、国内空港における航空機の地上移動(スポットと滑走路間の移動)の管理は、国の航空管制官が航空無線を用いて実施しています。しかしながら成田国際空港では国内唯一エプロンエリアでの航空機の移動管理について航空管制官に代わって「ランプコントローラー」と呼ばれるNAA様社員が航空無線を用いて行い、空港運用の安全と効率化を図っています。

「ランプワークステーション」は、「ランプコントローラー」が航空機の地上移動を管理するときに使用する「運航票(ストリップカード)」という紙のカードをシステム化したものです。また、他システムとの情報連携が一時的に途絶えても独立して稼動できるなど、他システムにトラブルが発生した場合でも業務の継続を図れるようシステム化されている、他の空港会社にはないNAA様独自のシステムです。本システムも当社が構築の支援をしています。

NAA様は、安全を徹底して追求し、信頼される空港を目指しています。「安全」は基本であり、すべてに優先するものです。さらに、空港を利用されるお客様の満足を追求し、期待を超えるサービスの提供を目指しています。当社は、このお客様のニーズに応え、空港運用を支える「NARCⅢ」もまた信頼性を最優先に、より使いやすいシステムを命題に構築し、これからもNAA様の空港運用を支援し続けます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 NARCⅢ:
運航情報管理システム Narita Airport Ramp Control System Ⅲ。
  注2 B滑走路:
開港当初から供用しているA滑走路(第1滑走路 4,000m)に続き整備された2本目の滑走路。2,180mの暫定平行滑走路として、2002年4月に供用を開始。
  注3 ATS情報:
Air Traffic Service。ICAO(International Civil Aviation Organization 国際民間航空機関)加盟国間で共有されている飛行計画報、位置通報、管制通報、緊急通報など運航に必要な情報。NARCⅢは国土交通省航空局の運航情報提供システムに接続し、受信をしている。
  注4 エプロン(apron):
飛行場の中で乗員・乗客の乗降、貨物の積み下ろし、燃料の補給、点検整備などのために航空機を駐機する場所のこと。滑走路のそばに併設され、滑走路とは誘導路で結ばれている。同義語でランプ(ramp 駐機地域)も使われる。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通株式会社
官公庁ソリューション事業本部
E-mail: kankocho-naa@ml.css.fujitsu.com


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