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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2009年9月30日
富士通株式会社

統計数理研究所様の新スーパーコンピュータシステムを受注

「PRIMERGY」360台によるPCクラスタシステムを構築

当社はこのほど、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所(所在:東京都港区、所長:北川源四郎、以下 統数研)様より新スーパーコンピュータシステムを受注しました。

新システムは、当社のPCサーバ「PRIMERGY RX200S5」360台による分散メモリ型スーパーコンピュータ(理論ピーク性能 33.7テラフロップス(注1)(以下、TFLOPS))と、当社のUNIXサーバ「SPARC Enterprise M9000」2台による共有メモリ型スーパーコンピュータ(理論ピーク性能 4TFLOPS)の2つの計算機を中心とする複合システムです。

新システムは、2010年1月の本格稼働を予定しています。

[関連リンク]富士通のHPC 紹介サイト

新スーパーコンピュータシステム導入の背景

統数研様は、国内の統計数理研究の中心的な研究機関として1944年に設立以来、幅広い分野の研究者に開かれた研究所として、国際的にも多種多様な共同研究活動で成果をあげています。

昨今、データ量が急激に増え続けている状況の中で、情報抽出やデータ処理の新たな統計的手法を開発することを目的に、新システムの導入を決定されました。新システムは、統計的モデリング、大規模データ解析、データ同化(次世代シミュレーション)などの新しい統計数理の方法の研究・開発などに活用され、大規模データに基づく予測と知識発見の方法および定量的リスク科学の確立を目指した研究を通して社会に貢献することが期待されています。

新スーパーコンピュータシステムの概要

新システムは、分散メモリ型のスーパーコンピュータと共有メモリ型のスーパーコンピュータの2計算機を中心とし、大規模共有ストレージシステム、物理乱数発生システム、可視化システムなどからなる複合システムです。

2つのスーパーコンピュータの操作環境は、当社のHPCミドルウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」によって統合され、利用者はそれぞれのシステムの違いを意識することなく、1つのスーパーコンピュータシステムとして利用できます。

  1. 分散メモリ型スーパーコンピュータシステム(理論ピーク性能:33.7TFLOPS)

    本システムは、「インテル® Xeon® プロセッサー X5570(2.93GHz)」を搭載する当社のPCサーバ「PRIMERGY RX200S5」360ノード(720CPU、2,880コア)により構成されます。ノード間は最新の高速インターコネクトであるInfiniBand® QDRで接続され、高性能な並列演算を実現しています。

  2. 共有メモリ型スーパーコンピュータシステム(理論ピーク性能:4TFLOPS)

    本システムは当社のプロセッサ「SPARC64 Ⅶ」を搭載したUNIXサーバ「SPARC Enterprise M9000」2ノードにより構成されています。大容量メモリ搭載により、大規模データ解析処理を可能とするシステムとなっています。

  3. 大規模共有ストレージシステム

    ディスクアレイ装置として、当社のストレージシステム「ETERNUS DX80」35台が採用され、ユーザ容量1.37ペタバイトの大容量データ保存領域を提供します。

  4. 当社HPCミドルウェア「Parallelnavi」シリーズによる高い運用性の実現

    「Parallelnavi」シリーズは、科学技術計算に適したプログラム開発からジョブ(プログラムの処理単位)の実行、運用管理まで、スーパーコンピュータに必要な基盤ソフトウェアを全て網羅し、高い運用性を実現します。主な特長は以下の通りです。

    • マルチコア対応の自動並列化機能を持つコンパイラ、高速チューニング・並列化された数学ライブラリなどのプログラム開発環境および高速実行環境。
    • 分散メモリ型・共有メモリ型など複合システムを一元的に統合運用可能。また、各プラットフォームの性能を最大限に引き出すためのリソースマネジメント・ジョブスケジューリング機構。

    さらに、複合システムである2計算機のデータ運用性を高めるため、大規模共有ストレージシステムは各計算機からデータ共有を可能とし、かつ高速なファイル・アクセスを実現します。

統計数理研究所 副所長 田村義保 様からのコメント

統数研が南麻布の地に移転して来たのは1955年2月です。その時点で、「FACOM415A」という相関計算専用の計算機を用いていたようです。また、1956年にリレー計算機である「FACOM128」を導入しています。この計算機は日本の商用計算機の第一号機であり、統計科学が50年以上前から最先端の計算性能を要求していたことがわかります。くしくも、2009年10月の立川移転後にも富士通製の計算機が統数研の計算機室に初めて入るわけです。高い性能を評価しての選定結果ではありますが、日本全体が新しい出発点にたつ今、まわりまわっての「縁」というものを感じています。「SPARC Enterprise M9000」は2システム導入していますが、片方は主記憶が2テラバイトもあり、大規模データを扱う必要がある統計科学の研究に最適なものとなっています。分散型計算機「PRIMERGY RX200S5」も日本で初めてQDRファットツリー構成になっており、高速並列演算を実行しやすいようにしています。この計算機で次世代スパコンのアプリケーションの一つとなるデータ同化手法の研究などを進めて行きたいと思います。今回導入の機器を用いることにより、統計科学を活用したデータ中心科学の発展に貢献できると考えています。

商標について

インテル、Intel、Intel ロゴ、Xeon、Core は、米国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。

その他、記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 テラフロップス(TFLOPS):
1テラフロップスは毎秒1兆回の浮動小数点演算速度。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

テクニカルコンピューティング統括営業部
電話: 03-6252-2556(直通)

[HPCビジネス全般について]
テクニカルコンピューティング・ビジネス推進部
電話: 03-6252-2483(直通)
E-mail: contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com


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