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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2009年7月16日
富士通株式会社

日本原子力研究開発機構様の日本最速スパコンシステムを受注

2,157ノードのLinuxクラスタシステムが国内最高性能となる200TFLOPSを実現

当社はこのほど、独立行政法人 日本原子力研究開発機構(本部:茨城県那珂郡東海村、理事長:岡崎 俊雄、以下、原子力機構)様の新スーパーコンピュータシステムを受注しました。

新システムの中核となるLinuxクラスタシステムには、当社がグローバル展開を推進するブレードサーバ「PRIMERGY BX900」が採用され、2,157ノードからなる大規模システムの理論ピーク性能は200テラフロップス(注1)(以下、TFLOPS)で、国内のスーパーコンピュータシステムとしては最高性能(注2)となるものです。

新システムは2010年3月に稼働を開始し、原子力機構様は核融合シミュレーションをはじめとする原子力分野のさまざまな研究開発において新システムを活用し、安全な原子力エネルギーの実現に役立てていく予定です。

[関連リンク]ブレードサーバ PRIMERGY BX

新スーパーコンピュータシステム導入の経緯

原子力機構様は、2005年10月に国内唯一の原子力に関する総合研究機関として発足し、高速増殖炉サイクルや高レベル放射性廃棄物の処理・処分、原子力安全性、核融合、中性子科学、量子ビーム利用など、原子力に係わる研究開発を進めています。

原子力機構様では、これまで共用スーパーコンピュータシステム(理論ピーク性能:13TFLOPS)と高速増殖炉プロジェクト用スーパーコンピュータシステム(同:2.4TFLOPS)の2システムを活用してきましたが、膨大な計算需要を処理しきれていない状況が続いており、システムの刷新が急務となっていました。そこで、両システムを整理・統合し、核融合シミュレーションをはじめとする原子力研究に係わる膨大な計算機需要に対応するべく新システムの導入を決定しました。

新システムは、核融合炉や高速増殖炉などのプラント開発、原子力施設耐震性評価などを行なうためのさまざまなシミュレーションに活用され、安全な原子力エネルギーの実現と地球温暖化問題の解決に貢献することが期待されています。

新スーパーコンピュータシステムの概要


PRIMERGY BX900
拡大イメージ

新システムは、大規模並列演算部を中核とし、3つの異なる用途の計算サーバシステムからなる複合システムです。これら3システムの理論ピーク性能合計は現行システムの約14倍となる214TFLOPSで、国内最高性能のシステムです。各システムの特長は以下のとおりです。

  1. 大規模並列演算部(理論ピーク性能:200TFLOPS)

    本システムは、「インテル® Xeon® プロセッサー X5570(2.93GHz)」を搭載する大規模ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」2,157ノード(4,314CPU、17,256コア)により構成される日本最大のLinuxクラスタシステムです。ノード間は最新の高速インターコネクトである「InfiniBand™ QDR」で接続され、高性能な並列環境を実現しています。主には核融合シミュレーションなど1ジョブ100TFLOPS規模の大規模計算に使用されます。

  2. 次世代コード開発部(理論ピーク性能:12TFLOPS)

    本システムは、当社開発のクアッドコアプロセッサ「SPARC64 VII」を搭載したハイエンド・テクニカルコンピューティングサーバ「FX1」320ノード(320CPU、1,280コア)からなるクラスタシステムです。

    「FX1」は、主にはペタスケールコンピュータ向けのアプリケーション開発用計算機として活用されます。

  3. 共有メモリ型演算サーバ(理論ピーク性能:1.92TFLOPS)

    本システムは、「SPARC64 VII」を搭載したUNIXサーバ「SPARC Enterprise M9000」により構成されます。主には高速増殖炉開発のためのシミュレーションなどの計算に使用されます。

    なお、これらの3つのシステムは、当社のHPCミドルウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」シリーズにより一元的な運用管理が可能となり、利便性の高い利用環境を提供します。

    また、その他、ディスクアレイ装置には、ストレージシステム「ETERNUS DX80」が採用され、36台の大規模構成により物理容量1.2ペタバイトの大容量データ保存領域を提供します。

日本原子力研究開発機構 執行役 システム計算科学センター長 平山 俊雄様からのコメント

原子力エネルギーの研究開発においては、スーパーコンピュータを用いた計算科学的手法を活用することが不可欠となっており、今回導入するスーパーコンピュータの活躍が大いに期待されています。また、本スーパーコンピュータシステムの技術が次世代スーパーコンピュータのベースとなっている特徴を生かして、2012年に稼働する次世代スーパーコンピュータの利用に向けたコード開発を進める計画です。

PRIMERGY BX900について

「PRIMERGY BX900」は、当社がグローバルにビジネスを展開する最新のブレードサーバで、業界最高クラスとなる1シャーシ18枚の実装密度や毎秒6.4テラビットの総スループットなど他社を凌駕する性能を有し、グローバルをリードするPCサーバです。

本商品はスーパーコンピュータ向けにはもちろん、企業の基幹システム構築やサーバ統合の実現など、幅広い用途にご利用いただくことができます。

なお、当社は、2010年度にグローバル市場においてPRIMERGY全体で50万台の販売を目指しており、このたびの受注はこの目標に向けた大きな一歩となるものです。

商標について

インテル、Intel、Intel ロゴ、Xeon、Core は、米国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。

その他、記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 テラフロップス(TFLOPS):
1テラフロップスは毎秒1兆回の浮動小数点演算速度。
  注2 国内のスーパーコンピュータシステムとしては最高性能:
2009年7月16日現在。当社調べ。

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電話: 03-6252-2554(直通)

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E-mail: contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com


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