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PRESS RELEASE (サービス)

2009年4月8日
富士通株式会社
株式会社富士通長野システムエンジニアリング

製品情報を管理するPDMソリューション「PLEMIA」の次世代コンセプト「M3」を確立

日本の製造業をさらに強くするノウハウ活用型のコンセプト

富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通長野システムエンジニアリング(本社:長野県長野市、社長:門前 弘邦、以下、富士通長野システムエンジニアリング)は、富士通グループが今後提供する、製品情報を管理するためのPDM (Product Data Management)ソリューションを「M3」コンセプトとして体系化しました。あわせて、本コンセプトに基づき、既存のPDMソリューション「PLEMIA(プレミア)」を再構築し、業態と企業規模に応じた3商品を開発、本日より販売を開始します。

「M3」コンセプトは、手戻りの少ない開発をするために、設計上流から技術者同士のアイデアを共有しながら開発を行う“擦り合わせ型開発”と、“プロジェクトに潜むリスクを察知して先手を打つマネジメント”をシステムで実現するものです。日本の製造業の強みである "擦り合わせ型開発" から生み出されてきた設計ノウハウを、『製品情報』、『設計プロセス』、『設計リソース』の3つのマネジメント軸で体系的に管理し、プロジェクト成否の8割を決める構想設計段階から効果的に活用する仕組みを提供します。

これにより、設計者は、設計上流からのコストや品質の作り込みや、精度の高い設計プランの策定、的確なマネジメントが可能になります。そのため、設計者がより創造的な仕事にシフトできるようになり、企業は競争力を高めることができます。

[関連リンク]PLEMIA(プレミア)

課題・背景

M3コンセプトが統合管理する3つのマネジメント軸

日本の製造業は、より良い製品を作るために、技術者同士が互いの考えを共有しながら開発を進める"擦り合わせ型開発"に強みがあると言われています。しかしながら、昨今の不況による採用抑制や構造改革などにより、各社とも技術者の確保が十分できず、関連部門の要求を共有・実現するための"擦り合わせの場"を持ちづらくなっています。また、お客様ニーズの多様化や、製品の高度化、法規制への対応など設計者を取り巻く環境は厳しさを増しており、メカ設計(機械設計)者、エレキ設計(電子回路設計)者、ファームウェア設計者間の緊密な情報交換やさまざまな情報の活用が必要となっています。そのため、精度の高い設計プランの立案やプロジェクト管理、また、コストや品質を計画どおりに作り込むことが非常に難しくなっています。

上記の課題を解決するため、富士通と富士通長野システムエンジニアリングは、製造業のノウハウが最も蓄積されているPDMの情報を計画立案時や構想設計段階から活用して手戻りの少ないフロントローディング型の設計を実現することで、ものづくり企業の経営に貢献する「M3」コンセプトを確立しました。


「M3」コンセプトの特徴

  1. 『製品情報』、『設計プロセス』、『設計リソース』の3つの軸で設計ノウハウを体系化

    現在、『製品情報』はPDMで、設計工程表などの『設計プロセス』は紙や独自システムで、バラバラに管理されています。設計者のスキルや作業負荷状況などの『設計リソース』にいたっては、まだほとんど情報共有されていないため、参考となる情報を探し当てることが困難であり、多大な時間や労力を要しています。そこで、「M3」コンセプトでは、設計開発における3つの重要なマネジメント軸を『製品情報』、『設計プロセス』、『設計リソース』と定義するとともに、PDMで管理されたそれらの情報を紐づけて、連続的かつ体系的に管理します。

  2. 構想設計での徹底した情報活用支援

    製品品質やコストの8割が、要求機能をどのような構造で実現するかを決定する構想段階で決まると言われています。「M3」 コンセプトでは、これまでの設計で蓄積された設計ノウハウを構想設計段階で徹底活用することで、製品開発力・製品競争力向上を支援します。構想設計段階に、参照頻度の高いノウハウや、検索したデータにまつわる情報や類似データを設計者に提示することで気付きを与えます。これにより設計者は、ノウハウを徹底的に活用して、品質・コストを構想設計で作り込むことが可能になります。

  3. 実行可能な精度の高い設計プランの策定と実行を支援

    ものづくりでは、プロジェクトの計画立案・実行・振り返り・改善のPDCAをうまく回すことが重要です。本コンセプトに基づき、情報を統合的に管理することにより、担当者のスキルや負荷状況と作業プロセスを考慮して、実行性の高い計画を立案できます。たとえば、プロジェクト実行段階では、コスト情報の変化や作業計画と実績のズレを監視できるため、プロジェクト状況の予測や潜在リスクの可視化が可能となり、遅延や課題を早期に発見し対策を講じることができます。

  4. ビジネス環境の変化に追随可能なITインフラを提供

    海外生産拠点の活用や海外との設計分業などのグローバル化はもとより、売れている製品への開発リソースのシフト、コア技術を活かした新分野への取り組みなど、さまざまなビジネス環境の変化に対応する必要があります。これらに迅速かつ柔軟に対応するため、構築したシステムを柔軟に変更したり、誰もが一定レベルの品質で設計できる開発プロセスを定義すると同時に、設計者の持つスキルを考慮したプロセスマネジメントができる機能を提供していきます。

富士通と富士通長野システムエンジニアリングは、これらの特徴を備えた「M3」 コンセプトを「PLEMIA」シリーズで実現し、お客様が情報活用することで、ものづくりの強みをさらに発揮できるように支援していきます。

「M3」コンセプトに基づき再構築した「PLEMIA」新商品の特長

  1. 中堅企業向け「PLEMIA BOM Standard One(プレミア ボム スタンダードワン)」

    優れた編集・検索機能と高速レスポンスを実現した製品情報管理の基本システムです。品目管理、構成管理はもちろん品目に紐づけた図面や文書の管理機能や電子承認によるワークフローも用意しました。マスターデータメンテナンスや属性項目のカスタマイズもGUIベースで簡単に行えるほか、データアクセス権の細かな設定やアクセスログ管理など、設計者が安心して利用するためのセキュリティ機能も充実しています。

  2. 複数の生産形態に対応した「PLEMIA BOM Standard(プレミア ボム スタンダード)」

    製品情報管理の基本機能に加え、受注生産向けや量産向けなど、さまざまな生産形態の製品を効率よく設計するための機能を備えた商品です。受注生産向け機能としては、受注情報管理機能や、モジュール単位での組み合わせ設計を検証するコンフィグレーター機能などを備えています。また、量産向け機能としては、地域ごとに仕様の異なる製品や類似した製品の設計時に共通部品化の検討や、製品間の差異を容易に把握しやすくするマトリックス部品表、企画から生産準備まで継続的な原価低減活動を支援する原価企画機能などを用意しました。

  3. グローバル設計に対応した「PLEMIA BOM Enterprise(プレミア ボム エンタープライズ)」

    製品情報管理の基本機能に加え、SOA(注1)に基づく分散アプリケーションの新しい開発基盤WCF(Windows Communication Foundation)を採用したことにより、製品設計の柔軟性、設計拡張におけるカスタマイズ性、メンテナンス性を向上しました。また、ADSLなどの低速回線でも、設計データを高速に送信する仕組みを採用したことにより、グローバル設計や分散設計などでも、製品情報のデータ転送や結合を容易に行えます。

新商品の販売価格、および出荷時期

商品名 販売価格(税別) 出荷時期
PLEMIA BOM Standard One 240万円より 2009年4月下旬より
PLEMIA BOM Standard 560万円より
PLEMIA BOM Enterprise 4,200万円より

販売目標

今後3年間で300億円(「PLEMIA」シリーズ全体で)


動作環境

〔サーバ〕 OS  :  Microsoft Windows Server 2008、Microsoft Windows Server 2003 R2
DB  :  (DBサーバ)Oracle Database 11g Release 1、Oracle Database 10g Release 2(10.2.0.4以降)
(WEBサーバ)Oracle Net 11.1(11.1.0以降) 、Oracle Net 10.2(10.2.0.4以降)
CPU  :  Dual-Core Intel Xeonプロセッサー5050 [3.0ギガヘルツ]以上(推奨)
メモリ  :  2ギガバイト(以下、GB)以上(推奨)
〔クライアント〕   OS  :  Microsoft Windows Vista、Microsoft Windows XP Professional SP2 以降
CPU  :  Intel Core 2 Duo プロセッサーE6700以上(推奨)
メモリ  :  1GB以上(Windows XP時、推奨)、2GB以上(Windows Vista時、推奨)

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 SOA:
Service Oriented Architecture(サービス指向アーキテクチャー)。情報システム全体をサービスの集まりとしてとらえ、ハードウェアやOS・言語に依存せず、共通インターフェースを通じ、自由に連携・利用できるシステム構造を規定するソフトウェアアーキテクチャー。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話: 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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