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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2009年3月23日
富士通株式会社

名古屋大学様の新スーパーコンピュータシステムを受注

~ アーキテクチャーの異なる3システムの合計で60TFLOPSを実現 ~

当社は、このほど国立大学法人名古屋大学(本部:愛知県名古屋市、総長:平野 眞一、以下、名古屋大学)様が運営する情報連携基盤センターの新スーパーコンピュータシステムを受注しました。

新システムは、UNIXサーバ「SPARC Enterprise M9000」、テクニカルコンピューティングサーバ「HX600」、ハイエンドテクニカルコンピューティングサーバ「FX1」がそれぞれ構成するアーキテクチャーの異なる3種類の演算サーバからなる複合型システムで、3システム全体の理論ピーク性能は60テラフロップス(注1)(以下、TFLOPS)となります。

新システムは、学内からの利用はもとより、各種の研究機関や企業からも活用される共同利用型のシステムで、2009年5月と10月の2段階で稼動を開始する予定です。

[関連リンク]富士通のHPC

新システム導入の経緯

名古屋大学様の情報連携基盤センターは、大学の教員や各種研究機関や企業の研究者が学術研究などのために利用する全国共同利用施設です。

情報連携基盤センターでは、これまで2005年3月に導入した当時国内最大の主記憶容量を備えた当社製スーパーコンピュータ「PRIMEPOWER HPC2500」を活用してきましたが、近年増加する大容量メモリを必要とする大規模演算と多くのCPUを必要とする並列演算という異なる2つの利用ニーズに対応するため、演算処理性能を向上させるとともに、より多くの利用者に並列計算の技術を広げるため、アーキテクチャーの異なる3種類の演算サーバで構成する複合型システムへの刷新を決定しました。

新システムの特長

新スーパーコンピュータシステムは、異なる3種類の演算サーバからなる複合型システムでありながらも、当社のHPCミドルウェア「Parallelnavi (パラレルナビ)」「HPCポータル」「運用管理ポータル」によって、利用者がアーキテクチャーの違いを意識することなく1システムイメージで利用することができるように統合されています。なお、それぞれの演算サーバの特長は以下のとおりです。

  1. 大規模SMP(注2)型演算サーバ[システムS1]
    • ハードウェア:UNIXサーバ「SPARC Enterprise M9000」
    • 総ノード数:3ノード(96CPU、384コア)
    • 総メモリ容量:3テラバイト
    • 理論ピーク性能:3.84TFLOPS

    本システムは、現行の「PRIMEPOWER HPC2500」の後継にあたるシステムで、当社の開発した最新のクアッドコアプロセッサ「SPARC64™ VII」を採用する大規模SMP型演算サーバシステムです。現行機の利用者は本システムに容易にアプリケーションを移行でき、1ノードあたり1テラバイト搭載する大容量共有メモリを利用した超大規模計算が可能です。

  2. 大規模分散並列型Linux演算サーバ[システムS2]
    • ハードウェア:テクニカルコンピューティングサーバ「HX600」
    • 総ノード数:160ノード(640CPU、2,560コア)
    • 総メモリ容量:10テラバイト
    • 理論ピーク性能:25.6TFLOPS

    本システムは、ハードウェアにx86アーキテクチャーを始めとするコモディティ技術を利用したオープンスーパーコンピュータの仕様を採用し、OSとしてLinuxを搭載した汎用性の高い大規模PCクラスタシステムです。その汎用性から、多くのアプリケーションソフトウェアの利用が可能であり、多数の研究者からの利用により、計算技術の裾野の広がりが期待できます。

  3. 大規模分散並列型UNIX演算サーバ[システムS3]
    • ハードウェア:ハイエンド・テクニカルコンピューティングサーバ「FX1」
    • 総ノード数:768ノード(768CPU、3,072コア)
    • 総メモリ容量:24テラバイト
    • 理論ピーク性能:30.72TFLOPS

    本システムは、当社のハイエンド・テクニカルコンピューティングサーバ「FX1」を採用した大規模クラスタシステムです。「FX1」は、「SPARC64 VII」とバランスの取れた高いメモリバンド幅を実現するチップセット、システムの性能を最大限に引き出すための高性能コンパイラにより、既存のマルチコアCPUのシステムでは実現困難な非常に高い実行効率の計算を可能にします。これにより、マルチコア対応、高並列といった将来のハイパフォーマンスコンピューティングで必要となるアプリケーションの開発にも貢献します。

また、新システムは、ディスクアレイシステムに総物理容量1.15ペタバイトとなる「ETERNUS2000 モデル200」も導入しています。

名古屋大学 情報連携基盤センター 大規模計算支援環境研究部門 教授 石井 克哉様のコメント

今回、名古屋大学では異なる研究分野のユーザの多様な要求にそれぞれ応えるため、3種類のアーキテクチャーの計算機を導入することにしました。前システムHPC2500の使用状況を考慮し、いずれのシステムも高い処理能力と同時に大きなメモリ容量をもち、大規模数値計算や大規模データ処理を助けることができると期待しています。

富士通の様々なハードウェア・ソフトウェアを開発している信頼性と関係者の方々の継続的なご協力にも期待し、これら3つのシステムを有機的・統合的に運営することにより大学の情報基盤センターとして科学技術の発展と若手育成等に貢献し続けたいと考えています。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 テラフロップス:
1テラフロップスは毎秒1兆回の浮動小数点演算速度。
  注2 SMP:
Symmetric Multi-Processingの略。複数のCPUを同時に利用して処理を行なう方法。

関連リンク

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東海営業本部 第一統括営業部 文教営業部
電話: 052-239-1110(直通)

[HPCビジネス全般に関するお問い合わせ]
テクニカルコンピューティング・ビジネス推進部
電話: 03-6252-2483(直通)
E-mail: contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com


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