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PRESS RELEASE

2009年3月16日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

札幌市ユビキタス特区でのLTEフィールド実証実験を実施

富士通株式会社(以下、富士通)および株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)(注1)は、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山田 りゅうじ、以下、ドコモ)と共同で、総務省が2008年に創設したユビキタス特区札幌市地域において、高速大容量無線通信を実現する基幹技術である4×4 MIMO(マイモ)(注2)を用いたLTE(Long Term Evolution)(注3)フィールド実証実験を実施しました。

本実験は、ドコモ、富士通および富士通研究所と共同で開発した「LTE無線基地局装置」の試作機を用い、MIMOの適用により、札幌市の市街地環境において120Mbps(帯域幅:10MHz)の高速伝送を実現しました。

LTEは、いわゆる3.9Gに位置づけられる携帯電話の規格であり、携帯電話でブロードバンドを活用するためのワイヤレスシステムです。データ通信の高速化・大容量化、接続遅延の短縮、周波数利用効率など、飛躍的な性能向上を目的とし、国際標準化団体3GPP(注4)にて、国際標準仕様が作成されています。

富士通と富士通研究所は、2006年に富士通がドコモのLTE無線基地局装置の開発・製造メーカーとして選定されて以来、ドコモとともに技術開発を進め、基地局送信および移動局受信にそれぞれ高速大容量無線通信を実現する技術(4×4MIMO)を適用し、下りリンクにおいてセクタあたり300Mbps(20MHz帯域)伝送能力を有する3セクタ構成のLTE基地局装置の試作に成功しています。

4×4 MIMO 伝送イメージ図

今回のフィールド実験では、札幌市の市街地環境においてドコモの実験局を用いたLTEの伝送実験を行い、下りリンクにおける4×4 Pre-coding MIMO(注5)のスループット特性を評価し、測定したコースで、最大120Mbps(帯域幅:10MHz)のスループットが得られることを確認しました。これはLTEの最大帯域幅20MHz換算で、最大240Mbpsのスループットに相当します。また、屋外伝搬環境で安定したスループットを実現する上で、MIMO多重数の適応的な切替えが有効であることを確認しております。

これは、3.5G(7.2Mbps)の約35倍、固定光回線(100Mbps)の約2.5倍の伝送速度であり、LTEによる高速通信で高画質の動画などの大容量データやビジネスや生活で利用するさまざまなデータの送受信が可能となります。

今回の実験成果は、富士通が開発中の無線基地局装置からコアネットワークシステム、端末装置までのトータルなLTE商用システムとして活用して行きます。

なお、本実験成果の一部は、3月17日から愛媛大学で開催される電子情報通信学会総合大会にて富士通研究所、富士通、ドコモの連名にて発表いたします。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
  注2 4×4 MIMO(Multiple-Input Multiple-Output):
MIMOとは、LTEのコア技術の1つであり、同一時刻に同一周波数を用いて、複数のアンテナから異なる信号を送受信する空間多重伝送技術。基地局送信および移動局受信にそれぞれ4アンテナを適用する4×4 MIMOは、周波数幅を増やさずに、無線通信の飛躍的な高速化を可能にします。
  注3 LTE(Long Term Evolution):
3GPPにてドコモ、富士通を始め多数の3GPPメンバーにより策定された移動通信方式。
  注4 3GPP(3rd Generation Partnership Project):
IMT-2000 W-CDMAの詳細な仕様を作成するパートナーシッププロジェクト。各国地域の標準化組織が、3GPPで作成された仕様を各国・地域共通の標準規格とする。世界の主要な移動通信関係会社を含む多くの会社や団体が加盟。
  注5 Pre-coding MIMO:
3GPPで標準化されているMIMO伝送法。端末の受信状況を無線基地局にフィードバックし最適なMIMO伝送を行う技術。

本件に関するお問い合わせ

富士通コンタクトライン
電話 : 0120-933-200
受付時間 : 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)


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