PRESS RELEASE (技術)
2008-0146
2008年7月3日
株式会社富士通研究所
~長時間のデジタル映像データの安全な分割保存・管理技術を実現~
株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)はこのほど、長時間撮影されたデジタル映像データにおいて、分割して保存・管理したり、一部を切り出した場合でも、その映像がもとの映像の一部であり、改ざんがないことや、撮影された時刻の確認を可能にする技術を、世界で初めて開発しました。これにより、24時間撮影を行う監視カメラなどのシステムで、映像データの一部を公開する際に、その映像データに対して改ざんが行われていないことを保証することが可能になります。
本技術の詳細は、7月24日~25日に福岡市で開催される「情報処理学会コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会」で発表を行う予定です。
近年、店舗や工場、道路など、防犯や事件・事故の早期解決などを目的とした監視カメラ設置が一般化し、その映像を証拠物件として取り扱う事例が急増しています。映像データは、デジタルデータでの保存が便利ですが、一方でデータの加工も容易です。このため、デジタル映像を証拠とする場合、改ざんが行われていないことの保証(デジタル証拠性)が求められ始めています。さらに、プライバシー保護のために、映像データの一部を削除した場合でもデジタル証拠性を確保する必要があります。
富士通研究所では、1つのデジタル映像ファイルから、プライバシー保護のために一部の映像データを切り出した場合でも、それがもとの映像の一部であり改ざんがないことの保証に加え、誰が、どの部分を切り出したかを確認できる技術を、世界に先駆けて開発しました。この技術を用いることにより、映像データのデジタル証拠性とプライバシー保護の両立が可能になりました。
しかし、監視カメラなどへの適用においては、24時間常時撮影など長時間の撮影となるため、撮影時刻を含めたデジタル証拠性を保ったまま、映像データを数時間ごと(複数)に分割して保存・管理することがさらに求められます。
上記課題を解決するため、長時間撮影された映像データを安全に分割保存・管理し、撮影時刻の確認を可能にする技術を、世界で初めて開発しました。(図1)
今回の新技術は、分割された映像データの連続性を保証する情報(検証データ)を各映像データに関連付けし、時刻情報(注2)と共に管理するものです。これにより、映像データを分割して保存しても、途中でデータの削除や改ざんが行われていないという映像の連続性を保証でき、デジタル証拠性を備えた長時間映像データの分割保存・管理が可能になりました。
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今回開発した技術により、長時間の撮影データを分割して安全に保存・管理することができます。さらに撮影データの必要な部分のみを切り出して、例えば、監視カメラの映像をプライバシーを守りながら証拠物件として活用したり、一般公開することが可能になります。
監視市場における映像の蓄積・保存、利活用に加え、改ざん部分の検出や追跡を可能にする「映像証跡ビジネス」などへの適用を目指します。
以上
株式会社富士通研究所
ソフトウェア&ソリューション研究所 セキュアコンピューティング研究部
電話: 044-754-2681(直通)
E-mail: piat-pr@ml.labs.fujitsu.com
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