PRESS RELEASE (デバイス)
2008-0042
2008年2月26日
富士通株式会社
~欧州のHD放送に対応した1チップソリューション~
当社は、欧州のHD(高精細)放送向けに、MPEG-2(注1)方式とH.264(注2)方式の双方の映像圧縮方式に対応したデコード(映像の復元)処理を行なうフルHD(1920ドット×1080ライン)マルチデコーダーLSI「MB86H60」を開発し、2008年5月末よりサンプル出荷を開始します。
本製品は、欧州向けテレビ、セットトップボックス、ポータブル受信機を対象としたシステムLSIです。欧州で採用されているデジタル放送規格であるDVB(注3)規格に準拠し、MPEG-2、H.264双方のフルHDデコード処理が可能であるだけでなく、HD放送受信に必要な機能を1チップ化しています。セットベンダーのお客様は、本製品に16ビット幅の2つのメモリを接続するだけでそれらの機能を利用できるため、システム構成時のトータルコストを抑えることが可能です。
「MB86H60」製品写真 |
欧州、中国の一部メディア、ロシア、中東地域などのデジタル放送はDVB規格に準拠しており、現在はSD(標準画質)解像度にて放送され、映像圧縮方式にはMPEG-2が使用されています。次世代の放送はHD解像度にて行われ、欧州では映像圧縮方式にH.264が採用されることが決まっています。欧州での次世代のHD放送への移行は順次行なわれるため、欧州向けテレビやセットトップボックスに搭載されるデコーダーLSIはMPEG-2とH.264双方の映像圧縮方式のデコードに対応することが必要となります。
当社はこれまで、DVB規格に準拠するMPEG-2 SDデジタル放送対応デコーダーLSIを「SmartMPEG(スマートエムペグ)」シリーズとして主に欧州向けのテレビやセットトップボックス、ポータブル受信機などを対象に幅広く提供してまいりました。
当社は、今後、日本・米国に続き、欧州でHD放送が本格化するのに合わせ、これまでの「SmartMPEG」シリーズの実績および、株式会社富士通研究所(注4)と共同開発したH.264デコーダー技術をもとに、MPEG-2方式とH.264方式の双方の映像圧縮方式に対応するフルHDマルチデコーダーLSI「MB86H60」を新たに提供します。
本製品はテレビ、セットトップボックス、ポータブル受信機でのHD放送受信に必要なデジタル映像、音声、グラフィックス処理などを1チップに集積しています。セットベンダーのお客様は、本製品と16ビット幅の外付けメモリ2個を接続するだけで全ての機能を利用できるため、システム構成時のトータルコストを抑えることができます。
製品名 | サンプル価格(税込) | サンプル出荷時期 |
---|---|---|
MB86H60 | 5,000円 | 2008年5月末より |
フルHDのMPEG-2方式およびH.264方式の双方に対応するデコーダーの搭載で、欧州での現行のMPEG-2方式によるSD放送および次世代のH.264方式によるHD放送に対応します。
メインCPUにハイパフォーマンスなARM1176JZF-S™を採用し、テレビやセットトップボックスで必要とされるシステム制御や、テレテキスト(注5)、字幕、JPEGデコード(注6)などさまざまなアプリケーションに対応します。音声、グラフィックス処理、といったHD放送受信に必要な機能が1チップに集積しているため、システム構成が容易になります。
外付けワークメモリとして16ビット幅のDDR2-SDRAM667を2個接続するだけで、CPUによるシステム制御やデジタル映像のデコード処理など本製品の機能すべてを利用することができ、システム構成時のトータルコストを抑えることが可能です。
映像伝送ポートが4本あることで、テレビ放送などの映像をHDDに記録するパーソナルビデオレコーダへの接続や、欧州での一部のデジタル放送の視聴に必要な限定放送受信カードへの対応、その他外部機能との幅広い連携が可能です。
PDF 「MB86H60」の主な仕様(72.2KB)
以上
電子デバイス事業本部 TV/STB事業部 マーケティング部
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