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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2008-0033
2008年2月15日
富士通株式会社

京都大学様の次期スパコンシステムを受注

~現行システムと比較して、性能あたりの消費電力を85%削減~

当社はこのほど、国立大学法人京都大学(本部:京都府京都市、総長:尾池和夫、以下、京都大学)様より、当社のHPCサーバ「HX600」で構成する大規模クラスタシステムを中核とした次期スーパーコンピュータシステムを、一般競争入札の結果、受注しました。

本システムは、T2Kオープンスパコン仕様(注1)に準拠するシステムであり、HPCサーバ「HX600」を416台接続する大規模分散並列演算部では、理論ピーク性能61.2テラフロップス(注2)(以下、TFLOPSと表記)の数値演算処理性能を実現する大規模システムです。

また、現行システムから大幅に処理性能を向上させながらも、システム全体の消費電力は現行システムと同等レベルに抑えられ、現行システムと比較した1TFLOPSあたりの消費電力としては85%の削減を実現します。本スパコンシステムは、2007年12月に発表したグリーンITによりお客様の環境負荷低減を支援する「Green Policy Innovation」を推進するものです。

京都大学様では、本システムを従来からの大規模科学技術計算のみならず、大規模ゲノム情報処理、超大規模アーカイブ検索、コンピュータグラフィックスなどの新しい応用分野での利用者の需要を満たす中核的な計算基盤システムとして活用するとともに、筑波大学様ならびに東京大学様と連携したグリッド技術などの研究を強力に推進していく予定です。

次期スパコンシステム導入の経緯

京都大学学術情報メディアセンター様は、全国に7つある全国共同利用情報基盤センターの1つとして、京都大学の学内利用者だけでなく、全国の大学・研究機関にも計算サービスを提供されています。このほど、学内外や他大学・研究機関における科学技術分野の計算需要に対応するため、現在稼動中である当社スーパーコンピュータ「PRIMEPOWER HPC2500」で構成されるスパコンシステムの後継機として、システム全体の理論ピーク性能は現行システムの7倍以上、総メモリ容量3倍以上、総ストレージ容量100倍以上の大規模システムへの刷新を決定されました。

次期スパコンシステムの概要

京都大学様の次期スパコンシステムは、以下のシステムにより構成されます。

  1. 大規模分散並列演算サーバ

    HPCサーバ「HX600」416台から構成される大規模クラスタシステムは、サーバ1台あたり「クアッドコアAMD Opteron™プロセッサ」を4基搭載し、超大規模並列計算や新たな応用分野での計算需要に対応します。また当社が自社開発した並列処理ソフトウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」により、システム全体を統一的なインターフェースで操作・管理することが可能となりお客様の運用負担を軽減するとともに、使用していないサーバをサーバ単位だけでなく、CPUやCPUコア単位でスタンバイモードにすることで、消費電力の低減を実現する環境配慮型のシステムとなっています。

  2. 大規模SMP(注3)クラスタ演算サーバ

    UNIXサーバ「SPARC Enterprise」7台から構成される大規模SMPクラスタ演算サーバは、1台あたり「SPARC64」プロセッサ(128CPUコア)および1テラバイト(以下、TB)のメモリを搭載し、大規模メモリ空間を必要とする科学技術計算需要に対応します。

  3. 大容量ストレージシステム

    ディスクアレイ装置は、「ETERNUS2000モデル200」32台から構成され、800TBの大容量データ保存領域を提供します。また、ファイル入出力制御装置として基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 580」を採用し、高性能かつ高信頼なファイルシステムを実現します。

  4. 高速データネットワーク

    演算サーバおよびファイル入出力制御装置の接続には、高速インターコネクト「InfiniBand™(インフィニバンド)」を採用し、複数の接続を束ねることで、高速かつ冗長化されたネットワークを実現します。

京都大学学術情報メディアセンター メディアコンピューティング研究分野 教授 中島 浩 様からのコメント

今回のスーパーコンピュータシステムの更新では、筑波大学・東京大学と共同策定した「T2Kオープンスパコン仕様」に基づき、大学側から新たなスパコンのコンセプトや基本仕様を提示し、ベンダー企業の方々には製品開発を伴う提案をしていただくという、これまでとは大きく異なる挑戦を試みました。したがって、我々の要求に適うシステム提案はこれまで以上に難しかったと思いますが、「HX600」クラスタの提案は最低要求要件を性能・機能の両面でかなり上回っており、満足できる結果となりました。また現有システムのソフトウェア資産が直接活用できる「SPARC Enterprise M9000」のサブシステムや、大容量ストレージシステムについても、最低要求要件を上回る構成が得られたことに満足しています。

今後はシステムの納入や安定的な運用はもちろん、我々のスパコンを使った優れた研究・教育の成果が多数生み出せるように、さまざまな面でご協力いただけることを期待しています。

商標について

記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

添付資料

PDF HPCサーバ「HX600」の概要・仕様 (254KB)

以上

関連リンク

注釈

  注1 T2Kオープンスパコン仕様:
アーキテクチャー、ソフトウェア、ユーザーニーズに対してオープンであることを目指し、筑波大学様、東京大学様、京都大学様(T2K)でハードウェア、基本ソフトウェア、ベンチマークテストの仕様の一部を共通化したもの。
  注2 テラフロップス:
1テラフロップスは毎秒1兆回の浮動小数点演算速度。
  注3 SMP:
Symmetric Multi Processingの略。

本件に関するお問い合わせ

関西営業本部 京都支社 第一営業部
電話:075-252-9711(直通)


[HPCビジネス全般に関するお問い合わせ]
科学ソリューション事業本部 計算科学ソリューションセンター
電話:03-6252-2483(直通)
E-mail: contact-hpc@cs.jp.fujitsu.com


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