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PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2007-0230
2007年11月8日
富士通株式会社

組込みソフトウェア「Inspirium」の新製品発売

~ 携帯電話からパソコン向けWebページの90%以上を閲覧できる携帯用ブラウザを開発 ~

当社は、組込みソフトウェア「Inspirium(インスピリアム)」において、Webページの閲覧機能を大幅に向上させた携帯用ブラウザなどの新製品を、11月14日より販売開始します。

今回提供する「Inspirium HTMLブラウザ V3.7」では、パソコン向けに作成されたWebページを携帯電話などで閲覧、操作する機能を強化し、コンテンツを正確に利用できるWebサイトの割合を、当社従来製品の60%から90%以上(当社調べ)へと大幅に向上させました。

また合わせて、カーナビやATM、家電製品などの電子機器で活用される音声ガイダンスの品質を向上させ、より自然な発声を可能にする「Inspirium 音声合成ライブラリ V3.0」と、デジタル家電において著作権保護されたコンテンツをより便利に楽しむことができる「Inspirium HomeNetworkライブラリ V2.0」を提供します。

当社は、組込みソフトウェア製品の強化を通じて、さまざまな組込み機器の使いやすさを実現していきます。

なお本製品は、2007年11月14日(水曜日)から16日(金曜日)までパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「Embedded Technology 2007 組込み総合技術展」にてご覧いただけます。

近年、携帯電話の高速通信規格であるHSDPA(注1)や広域無線LANが整備されるとともに、携帯電話などのハードウェアの高機能化が進んだことで、モバイル機器、デジタル家電、車載機などの組込み機器でパソコンと同等のコンテンツ、サービスを利用できるようになっています。

このような中で、当社では従来から「Inspirium」のブランド名で提供している組込みソフトウェア製品のいっそうの機能強化を行い、新たに以下の3製品を販売開始します。


新製品とその特長


「Inspirium HTMLブラウザ V3.7」の使用イメージ
拡大イメージ
  1. 「Inspirium HTMLブラウザ V3.7」

    本製品は、パソコン向けコンテンツにおける独自規約への対応や規約外コンテンツの表現機能強化により、従来の組込みブラウザでは正しく表示できなかった携帯電話からのWebページの正確な閲覧、操作を可能にします。これにより、パソコン向けに作成されたコンテンツをそのまま利用できるコンテンツカバー率を、当社従来製品「Inspirium HTMLブラウザ V3.5」使用時の60%から90%以上へと向上させました。本製品を活用することで、組込み機器利用者はパソコンと同じようにさまざまなコンテンツにアクセスできるようになり、また、コンテンツ提供者は組込み機器向けに別コンテンツを作成する必要がなくなり、Webコンテンツ作成の工数を削減することが可能になります。


  2. 「Inspirium 音声合成ライブラリ V3.0」

    本製品では、株式会社富士通研究所(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:村野和雄)が開発した最新の音声合成技術を活用して、電子機器における音声ガイダンスの品質向上を実現します。本技術は「最適化素片複合方式」と呼ばれ、滑らかな音のつながりを実現するために、合成時に音の接続位置が不連続とならないように考慮した音声素片(注2)を使用します。また、大量の音声データの中から合成時に劣化しにくい音声素片を集めた波形辞書を用いることで、人工的な印象を無くした柔らかな合成音声を実現します。加えて、通常よく使われる言い回しやフレーズについて人間のしゃべり方を分析し、その声の高さ、イントネーション、リズム、ポーズなどの特徴である韻律データを活用することで人が語りかけるような自然な合成音声を可能にします。

  3. 「Inspirium HomeNetworkライブラリ V2.0」

    パソコンやデジタル家電機器をネットワークでつなぐ際のガイドラインであるDLNA(注3)の対応製品としてこれまで提供してきた「Inspirium PnPライブラリ」の家庭内ネットワーク機能を強化し、新たに「Inspirium HomeNetworkライブラリ V2.0」として提供します。本製品では、IPネットワーク内で著作権保護技術(DRM)により保護されたコンテンツを伝送するための技術規格であるDTCP-IP(注4)を新たにサポートし、著作権保護コンテンツの配信に対応しました。これにより、パソコンに録画したデジタル放送の番組を、家庭内ネットワークを介してテレビで再生できるようになります。さらに、DLNAが2006年10月に作成した「Link Protection Guideline」(注5)に対応することで、家庭内のデジタルコンテンツを簡単な操作で楽しむことが可能となります。

本製品は、当社ならびに株式会社富士通ソフトウェアテクノロジーズ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:芋川敏)より販売、サービスの提供を行います。


販売価格、動作環境、および出荷時期

製品名 動作環境 出荷時期
  Inspirium HTMLブラウザ V3.7 Linux、Windows®、μITRON他 2007年11月14日
  Inspirium 音声合成ライブラリ V3.0 Linux、Windows®、μITRON他
  Inspirium HomeNetworkライブラリ V2.0 Linux、Windows®、μITRON他

なお、販売価格については、全て個別見積りとなります。


販売目標

3年間で100億円 (「Inspirium」全体)


商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


以上

注釈

  注1 HSDPA:
High Speed Downlink Packet Accessの略。第3世代携帯電話の技術をベースにした、さらに高速なパケット通信を実現する技術。
  注2 音声素片:
音声合成に用いる事前に準備した短い単位の音声データ。
  注3 DLNA:
Digital Living Network Allianceの略。パソコンやデジタル家電機器をネットワークでつなぐ際のガイドラインを取り決める団体、またはそのガイドライン。
  注4 DTCP-IP:
Digital Transmission Content Protection over Internet Protocolの略。IEEE1394などの通信規格において実装されていた著作権保護技術であるDTCPをIPネットワークに適用したもの。
  注5 Link Protection Guideline:
DLNAが2006年10月に策定した機器間の伝送路でコンテンツを保護するための機器設計ガイドライン。

関連リンク

本件に関するお問い合わせ

ソフトウェア事業本部 組込みソフトウェアテクノロジ部
電話: 045-476-4581(直通)
E-mail: contact-embeddedcore@cs.jp.fujitsu.com


株式会社富士通ソフトウェアテクノロジーズ インフォメーションセンター
電話: 0120-052-070(平日9時~12時、13時~17時 受付)


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。