Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

  1. ホーム >
  2. プレスリリース >
  3. ウルトラモバイルPC向け、高効率な電源LSI新発売
  • English

PRESS RELEASE (デバイス)

2007-0197
2007年9月18日
富士通株式会社

ウルトラモバイルPC向け、高効率な電源LSI新発売

~次期LPIAプラットフォームに対応し、電源システムを3分の1以下に小型化~

当社は、超小型のモバイルPCであるUMPC(Ultra Mobile PC)向けに、ワンチップでシステム、メモリ、チップセットに電力供給が可能な電源LSI「MB39C308」を開発し、2007年11月より、サンプル出荷を開始します。

本製品は、インテル社がUMPC向け低消費電力プラットフォームとして提案するLPIA(Low Power Intel Architecture)プラットフォームの次期バージョンに対応した電源LSIです。

本製品は、次期LPIAプラットフォームの要求を満たす6チャネルのDC/DCコンバーター(注1)制御回路を業界で初めてワンチップ化し、また周辺部品も内蔵しています。これによって、電源システムを他社従来製品の3分の1以下に小型化し、電力供給の高効率化によりUMPCの長時間バッテリー駆動に貢献します。


「MB39C308」製品写真

UMPCは、超小型でありながら通常のPCと同じOSが使用できるモバイルPCとして、2006年に発売が開始されました。UMPCの市場規模は2008年には年間500万台となる見込み(当社調べ)です。

UMPCでは、プロセッサやチップセット、メモリなどに異なった電圧の供給が必要ですが、トータルでバッテリー駆動時間を延ばすためには、プロセッサの低消費電力化とともに、電源LSIの高効率化が求められます。このため、リチウムイオン電池から高効率に大電流の電力供給が可能な制御回路を含み電源システム全体を小型にする電源LSIが必要となります。

本製品はこれらのニーズに基づき開発したもので、インテル社がUMPCに必要な電源システム規格としてまとめた2008年版LPIAプラットフォームに対応した業界初のワンチップ電源LSIです。


なお、本製品の開発は富士通VLSI株式会社(注2)と共同で行いました。


サンプル価格、およびサンプル出荷時期

製品名 サンプル価格(税込) サンプル出荷時期
MB39C308 1,000円 2007年11月より

販売目標

月間15万個

本製品の特長

  1. UMPC向け次期LPIAプラットフォームに準拠したDC/DCコンバーター制御回路をワンチップ化

    2008年版LPIAプラットフォームで規定される、プロセッサ以外のメモリ、チップセット、外部システム(無線LANなどの各種アプリケーション)に対応した、6チャネルの異なった電圧を生成するDC/DCコンバーター制御回路をワンチップ化しました。

  2. UMPCに必要な高効率な電力供給を実現

    新たにLDMOS技術を採用(注3)しトランジスタの構造を改良することにより、リチウムイオン電池からの電源を分散することなく、高効率な大電流の電力供給が可能です。

  3. 周辺部品点数の削減で電源システムの小型化と容易な設計を実現

    メモリ、チップセットに向けては、1.5アンペアから3.5アンペアの大電流駆動が可能なスイッチングFET(注4)を電源LSIに内蔵し、周辺部品点数を削減しています。これにより電源システムを他社従来製品の3分の1以下に小型化することができます。また、各種設定部品をLPIAプラットフォームに合わせて最適化し、電源LSIに内蔵したことで電源システム設計の際に必要な電圧や電流の設定の手間を削減しています。


今後の展開

当社は今後、UMPC市場の拡大にあわせ、UMPC向け電源LSIのラインナップを拡大する予定です。


商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

添付資料

PDF 「MB39C308」の主な仕様 (55KB)

以上

注釈

  注1 DC/DCコンバーター:
直流電流の電圧値を、異なる電圧値に変換する回路。
  注2 富士通VLSI株式会社:
本社 愛知県春日井市、代表取締役社長 高橋仁。
  注3 新たにLDMOS技術を採用:
LDMOSはLaterally diffused MOS(横方向拡散MOS)の略。通常のCMOSに対して、耐圧を高くできるのが特徴。
  注4 スイッチングFET:
入力から出力へ電流を供給するためのスイッチ。FETとは、Field Effect Transistorの略で、電界効果トランジスタと訳される。

関連リンク

拡大画像

本件に関するお問い合わせ

電子デバイス事業本部 アナログ商品事業部 マーケティング部
電話: 03-5322-3390(直通)
入力フォームお問い合わせフォーム


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。