PRESS RELEASE (サービス)
2007-0143
2007年6月28日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
~次世代の光学デバイスやハードディスクの微細な部品設計を効率化~
富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通研究所(注1)は、次世代の光デバイスやハードディスクにおけるナノサイズの部品設計において、光と熱の伝搬を解析する技術を開発しました。
富士通は、本技術を採用した光学解析用シミュレーションソフトウェア「Poynting for Optics®(ポインティング フォー オプティクス)」のオプション製品「Poynting HTS連携オプション」を、本日より販売開始します。光伝搬と熱伝導のシームレスなシミュレーションソフトウェアは、本製品が業界初です。本製品は、光ディスクや光学フィルターなどのさまざまな光学デバイスの開発における品質や効率を向上させるとともに、熱アシスト方式の次世代ハードディスクのように光伝搬と熱伝導の両方を解析する必要がある製品の開発では必須ツールとなります。
昨今、光ディスク、光学フィルターなどのさまざまな光学デバイスの開発において、光の波長よりも微小な領域の光学現象を高精度に解析するツールが必要とされています。さらに、次世代ハードディスクにおいては、1平方インチ当たり1テラビットクラスの記録密度を実現する方式の一つとして、記録時に光で媒体を加熱する熱アシスト方式が提案されており、本方式の実現にあたっては、微細な部品における光と熱の伝搬のシームレスな解析が必要となります。
【光伝搬と熱伝導の計算例】 |
拡大イメージ |
富士通は、このようなニーズに対して、まず、2003年よりFDTD法(注2)を用いて光の伝搬を解析するシミュレーター「Poynting for Optics®」の提供を開始し、研究機関や製造業のお客様に数多く採用いただいています。今回、さらに熱の伝導を解析する機能を開発し、業界ではじめて、光伝搬と熱伝導のシームレスなシミュレーションを実現しました。熱伝導の解析では、独自の機能を開発したことで、将来の光ディスクやハードディスクのように回転方向で断面形状が変化するようなデバイスでも、シミュレーションが可能になりました。
なお、本技術は、平成14年度から18年度まで実施した、 (財)光産業技術振興協会の受託プロジェクト「大容量光ストレージ技術の開発事業」(平成14年度は経済産業省、平成15年度からNEDO技術開発機構のプロジェクト)の成果を用いて開発したものです。
新製品は、7月11日(水曜日)から7月13日(金曜日)まで、幕張メッセで開催される「International Optoelectronics Exhibition 2007」に出展する予定です。
本製品は「Poynting for Optics®」のオプション製品です。
製品名 | 販売価格(税別) | 出荷時期 |
---|---|---|
Poynting HTS連携オプション | 200万円 | 7月2日より |
2010年度末までに本体およびオプション合わせて売上2億円。
光の伝搬と熱の伝導は、異なる方程式を異なる手法で解く必要がありますが、ユーザーはその違いを意識することなく、同一のGUI上でシームレスな解析を簡単に実行できます。
陰解法(注4)の中でも、3次元の解析で特に計算効率のよいADI法を採用することで、高速な計算が可能です。陽解法(注5)に比べて60倍以上の高速化を実現しました。
パターンドメディア(注6)のように、移動方向で断面形状が変わる場合でも計算できます。
Microsoft® Windows® XP professionalが動作するPC/AT互換機。
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
富士通株式会社
科学ソリューション事業本部 計算科学ソリューションセンター Poyntingサポートセンター
電話: 043-299-3240(直通)
E-mail: pyntsup@strad.ssg.fujitsu.com
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