Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)

2007-0054
2007年3月14日
富士通株式会社

富士通が九州大学情報基盤センター様の
スーパーコンピュータシステムとしてPRIMEQUEST計33台を受注

~ 全国共同利用情報基盤センターで最高の演算性能を実現 ~

当社は、九州大学情報基盤センター(所在:福岡県福岡市、センター長:村上 和彰)様のスーパーコンピュータシステムを受注しました。

九州大学情報基盤センター様は、全国に7つある全国共同利用情報基盤センター(注1)の1つとして、学内外の利用者に対し、主に、流体解析や分子科学などの計算科学分野において高度な計算サービスを提供されています。受注したシステムの総演算性能は、31.5テラフロップス(テラは1兆、以下、TFLOPS(注2))と、7つある全国共同利用情報基盤センターで最高の性能となり、従来以上に学外の他の大学・研究機関の科学技術計算の需要に対応することが可能です。

新システムは、当社の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST™(プライムクエスト) 580」32台からなる大規模SMP(注3)クラスタと、PCサーバ「PRIMERGY(プライマジー)RX200 S3」384台からなるPCクラスタの2システム、およびファイル管理サーバとして「PRIMEQUEST 580」1台から構成される大規模なハイブリッドシステムであり、当社のHPCソフトウェア「Parallelnavi(パラレルナビ)」が利用者に機種混在を意識させることのない容易な利用環境を実現します。また、当社の「HPCソリューション」が提供する、ジョブの実行からシミュレーション結果の可視化までをシームレスに連携する可視化環境、Webインターフェースによる異機種混在システムの監視・管理機能などによって、高いユーザビリティを実現しています。

新システムは、2007年6月に稼働する予定です。

システム刷新の経緯

九州大学情報基盤センター様は、全国に7つある全国共同利用情報基盤センターの1つとして、九州大学の学内の利用者のみならず、全国の大学・研究機関にも計算サービスを提供されています。今般、学外の他の大学・研究機関におけるさらなる科学技術計算需要に対応するため、システム刷新にあたり、総理論演算性能が従来システムの50倍にあたる31.5TFLOPSの大規模システムの構築を決定されました。この性能は、7つある全国共同利用情報基盤センターとして現時点で最高の性能となります。

新システムの概要

新システムは、「PRIMEQUEST」による大規模SMPクラスタと「PRIMERGY」によるPCクラスタの2システムから構成されるハイブリッドなスーパーコンピュータシステムです。当社の「HPCソリューション」により、ジョブ投入からシミュレーション結果を図示させるまでの一連の流れを、統一したインターフェースで利用できるなど、利用者の利便性を高めています。

  • 計算サーバ:「PRIMEQUEST 580」32台からなるSMPサーバ、および「PRIMERGY RX200 S3」384台からなるPCクラスタ(ともにOSはRed Hat Enterprise Linux)

    計算サーバの総理論演算性能は、「PRIMEQUEST 580」による大規模SMPクラスタと「PRIMERGY RX200 S3」によるPCクラスタをあわせ、31.5TFLOPSと、7つの全国共同利用情報基盤センターとして最高性能となります。


  • ファイルシステム管理サーバ:「PRIMEQUEST 580」1台

    高速分散ファイルシステム「Parallelnavi SRFS for Linux」を搭載し、「PRIMEQUEST 580」、「PRIMERGY RX200 S3」などの並列化された計算サーバで演算処理を行った大容量データを高速に転送。ストレージ上での高信頼ファイル管理とあわせて科学技術計算分野に最適な高性能、高信頼ファイルシステムを実現します。


  • ストレージ:エンタープライズディスクアレイ「ETERNUS8000モデル2100」1台

    計算サーバによる演算結果を高速に保存します。


  • HPCソリューション:
    スーパーコンピュータ運用管理システム「運用管理ポータル」

    Webインターフェースによる異機種混在システムの監視・管理を実現し、運用管理者の負担を軽減します。

    ネットワークからの簡単操作可視化システム「シームレス可視化」

    スーパーコンピュータで出力される大規模な計算結果をネットワーク経由で簡単かつ高速に可視化できるソリューションです。従来煩雑であったジョブ実行から可視化までの手順を省力化します。初心者でも手元のPCからの簡単な操作で、ジョブ実行結果や実行中ジョブのメモリ内容を可視化できるようになります。
    「シームレス可視化」ソリューションは、株式会社ケイ・ジー・ティー(注4)と当社で共同開発を行ったものです。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

注釈

  注1 全国共同利用情報基盤センター:
全国共同利用施設として、全国を7つの地域に分け、各地区の大学や研究機関からの汎用大型システムおよびスーパーコンピュータなどの利用に関して、大型計算機資源の提供をはじめとするさまざまな機能を提供する。九州大学のほか、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学および大阪大学にそれぞれ拠点を持つ。
  注2 テラフロップス:
1秒間に1兆回の浮動小数点演算ができる演算能力。
  注3 SMP:
Symmetric Multiple Processor(対称型マルチプロセッサ)の略。
  注4 株式会社ケイ・ジー・ティー:
代表取締役社長:加藤 浩、本社:東京都新宿区。汎用可視化ソフトウェア・AVSの国内総販売店として14年にわたり当社と共にスーパーコンピュータ分野での可視化のソリューションに携わってきました。

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