PRESS RELEASE (システムプラットフォーム)
2007-0005
2007年1月12日
富士通株式会社
当社は、東京大学宇宙線研究所附属神岡宇宙素粒子研究施設(所在:岐阜県飛騨市、施設長:鈴木 洋一郎、以下、神岡宇宙素粒子研究施設)様より、観測装置「スーパーカミオカンデ」を用いて宇宙の仕組みを解明する実験解析システム(以下、実験解析システム)を、一般競争入札の結果、受注しました。
実験解析システムは、「スーパーカミオカンデ」が捉えたニュートリノに関する観測データをもとに、ニュートリノに関するデータの蓄積および解析を行うシステムです。
新システムは、当社のブレードサーバ「PRIMERGY(プライマジー)BX620 S3」によるPCクラスタ、基幹IAサーバ「PRIMEQUEST(プライムクエスト)」、ストレージシステム「ETERNUS(エターナス)」、高速分散ファイルシステム「Parallelnavi(パラレルナビ) SRFS for Linux V1.0」を中心に構成され、PCクラスタの演算性能は従来システムの35倍(注1)となる計画です。
新システムは、2007年3月に稼働する予定です。
神岡宇宙素粒子研究施設様は、岐阜県飛騨市神岡町の地下に設置されている大型水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置(以下、スーパーカミオカンデ)を用いて、宇宙から地球に絶えず降り注いでいる宇宙線のうち、ニュートリノと呼ばれる粒子を捕捉し、この観測データをもとに、宇宙と素粒子の研究を行う世界有数の研究施設です。これまでにニュートリノの有限質量の発見など、多くの優れた研究成果を上げてきました。
実験解析システムは、ニュートリノに関する観測データを捕捉するスーパーカミオカンデと密接に関連しています。ニュートリノは捕捉が難しいこともあり、スーパーカミオカンデでの観測は24時間365日連続して行われるため、観測データの収集とデータ解析も24時間365日の連続運転が必要です。
また、日々収集される観測データそのものと解析処理後のデータとをあわせ、現在一日あたり約160ギガバイトのデータの蓄積を行うほか、数ヶ月から数年分の実験データをまとめて再解析する運用も行っています。
現在のシステムには、すでに550テラバイトのデータが蓄積されていますが、今後、観測機器の性能向上によりデータ量の増加が見込まれており、解析の量も増えることから、実験解析システムにはいっそうの処理性能と解析に必要となるデータの転送性能の向上が必要となっていました。
神岡宇宙素粒子研究施設様は、新システムの検討にあたり、これら従来の運用に加え、実験を長期間中断することなしに移行すること、現行の磁気テープライブラリ内のデータを新システムでは大容量ディスクストレージに移行することなどを条件に、十分なCPU能力、高速なネットワーク、高速で大容量のストレージ、24時間体制の迅速なサポート力の有無を考慮されました。
一般競争入札の結果、当社のブレードサーバ「PRIMERGY BX620 S3」によるPCクラスタ、基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」、ストレージシステム「ETERNUS」、並列に置かれた計算サーバから大容量データの高速転送を実現する、高速分散ファイルシステム「Parallelnavi SRFS for Linux V1.0」を中心とする当社システムを採用されました。
540プロセッサ・1,080コアからなるPCクラスタにより、従来システムと比較し35倍となる演算性能を実現します。
解析処理を行ったデータで、頻繁にアクセスのあるものは「ETERNUS4000」でディスクに保存し、観測生データについてはテープライブラリ「ETERNUS LT270」によりカートリッジテープに保存します。用途に合った保存方法の採用により、業務の効率化を支援します。
高速分散ファイルシステム「Parallelnavi SRFS for Linux V1.0」を搭載し、並列化された計算サーバで演算処理を行った大容量データを高速に転送。ストレージ上での高信頼ファイル管理とあわせて科学技術計算分野に最適な高性能、高信頼ファイルシステムを実現します。
540プロセッサ・1,080コアからなる並列に置かれた計算サーバからの同時大量アクセスに対し、従来システムの約2倍に相当する、1秒あたり750メガバイトのデータ転送性能を提供します。大容量化が進む解析データに対応し、解析業務の効率化を実現します。
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
電話: 03-6252-2554(直通)
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