PRESS RELEASE (環境)
2006-0199
2006年12月7日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
~柔軟性に優れ、当社製品の小物部分への採用を推進~
近年、石油や石炭などの化石資源の消費によるCO2排出量の増加にともない、地球温暖化が急速に進んでおり、CO2排出量の低減が急務となっています。このような状況において、資源に限りがある石油の代替材料として、焼却処分時の二酸化炭素の発生量が少なく地球への環境負荷が少ない植物性プラスチックの活用に関心が高まっています。
当社は02年よりトウモロコシなどを原料とするポリ乳酸(注4)系の植物性プラスチックをノートパソコン「FMV-BIBLO」の筐体部分に採用してまいりましたが、植物系の素材をより幅広く当社製品に採用していくため、柔軟性や量産性に優れ、かつより植物度の高い新たな植物性プラスチックの開発が望まれていました。
トウゴマの種子 |
このような状況を踏まえ、富士通と富士通研究所は、このたび、フランスの化学メーカ大手アルケマ株式会社(注5)(代表取締役社長:Thierry le Henaff、本社:フランス)の協力の下、トウゴマの種子より抽出されるひまし油を原料とし、ポリアミド11(注6)(以下PA11)を主成分に持つ植物性プラスチックを開発しました。
PA11の高い柔軟性 |
本材料は、PA11分子鎖間の相互作用を弱め組織の規則性を緩和することにより、繰り返し屈曲させても白化しない柔軟性を備えています。さらに、当社が試作に成功したノートパソコンのカバー部品は60%~80%と高い植物成分比率を達成しました。また、強度を上げるために充填剤を高濃度で添加した際にも、高い耐衝撃性を保つことが可能であるため、パソコンの筐体部分などへの採用も期待されています。
当社は今後、ひまし油を使った植物性プラスチックの研究を重ね、2008年までにノートパソコンや携帯電話等の小部品へ適用を検討し、また、さらなる環境負荷の低減のため、大型部品への適用に向けた研究も引き続き行ってまいります。トウモロコシなどを原料としたポリ乳酸系のプラスチックと並行させ、当社製品への植物性素材のさらなる適用拡大を推進します。
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
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