Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

PRESS RELEASE (サービス)

2006-0204
2006年12月15日
富士通株式会社

独自アーキテクチャーにより、性能あたり世界最高レベルの省スペース・省電力を実現

大規模XMLデータベース専用機「Shunsaku Engine」販売開始

~ ライフサイエンス分野をはじめ、大規模データベースの検索・解析を容易に ~

当社はこのほど、大規模XML型データベース専用機「Shunsaku Engine(シュンサク エンジン)」を開発し、本日より販売を開始します。

本製品は、XML型データベースエンジン「Interstage Shunsaku Data Manager(インターステージ シュンサク データ マネージャー)」(以下:Shunsaku)(注1)で培ったデータベースに関するソフトウェア技術と、当社ならではの高密度実装に関するハードウェア技術を一体化し、相互に最適化のうえ、専用機として開発したもので、性能あたり(注2)世界最高レベルの省スペース・省電力を実現しました。

これにより、従来困難であった大規模かつ複雑なXMLデータベース検索システムを容易に構築でき、ライフサイエンスなどの最先端分野の研究や、内部統制強化にともない増大するアクセスログなどの大規模かつ多種多様な情報の検索・解析が容易になります。

近年、情報処理の最前線では、年1.5倍の割合でデータが増えていくライフサイエンス分野における遺伝子情報や、内部統制強化にともない増大するアクセスログなど、データ量が飛躍的に増大するとともに、その種類も多岐にわたり、さまざまな形式の大規模情報を効率的に検索・解析する技術が強く求められています。一方、従来のデータベース技術では、あらかじめ一定の形式にデータを正規化(注3)する必要があるとともに、将来のデータ増加量を想定した設計・実装やチューニング作業などが不可欠であり、予想を越えたデータ量増加、管理項目変更などに対しての柔軟な対応は困難でした。またデータベースの大規模化にともない、サーバの設置スペースや消費電力に加え、システムの信頼性や運用コストなども深刻な問題となっています。

上記の課題を解決すべく、当社は、今般「Shunsaku Engine」を開発しました。本製品のソフトウェアは、1993年より数多くのお客様の業務課題解決に貢献してきた「Shunsaku」の「データ形式の事前統一が不要で、多数かつ複雑な検索条件も高速処理が可能」「データベースの拡張が容易」という特長を継承したうえで、専用ハードウェア用に最適化したものです。

またハードウェアは、長年培ってきた設計ノウハウと製造技術を駆使し、従来の汎用PCサーバと比較して、同一データベース規模かつ同一応答時間要件に対して、約半分の省スペース・省電力を実現しています。さらにディスクレス構成と独自のマルチコアCPUの採用により部品点数を削減するとともに、エラーチェック機能を強化するなど、高い信頼性や運用性を実現しています。

「Shunsaku Engine」は、当社ならではの先進的なソフトウェア技術とハードウェア技術を融合したことにより、従来不可能だった多種多様かつ膨大なデータの活用を、省スペース・省電力環境のもと、安定したパフォーマンス、高いスケーラビリティで実現します。

販売価格、および出荷時期

製品名 販売価格(税別) 出荷時期
Shunsaku Engine 810万円 即日

販売目標

3年間で900台

本製品の特長

  1. 多種多様なデータの柔軟な活用が可能

    「Shunsaku Engine」では、一般的なデータベース技術とは異なり、管理すべきデータの様式などを統一したうえで、検索項目ごとにインデックスを事前に生成する必要がありません。そのためインデックスに制約されることなく、多種多様なデータをそのまま取り扱うことができ、登録したデータの全ての項目を検索することも可能です。さらにインデックスの事前生成が不要なため、たとえば1テラバイト(TB)のXMLデータも約1時間で取り込みが可能(注4)であるなど、大量データを容易に取り扱うことができます。


  2. データベース規模、応答時間要件に柔軟に対応する高いスケーラビリティ

    「Shunsaku Engine」のソフトウェア部分は、Director(データベース管理部)とSearcher (検索処理部)から構成されています。1つのDirectorが複数のSearcherを同時に制御し、また複数のSearcherが同時並行で検索を行うことにより、検索時間の短縮が可能です。

    「Shunsaku Engine」のハードウェア部分は、プロセッサごとにSearcherを割り当てているため、データベースの規模や要求レスポンス時間などに応じて、適宜プロセッサすなわち、Searcher台数を設定することで、安定したレスポンスを実現します。また、運用開始以降のデータ量増加に対しても、プロセッサの増設で容易に対応できます。


  3. 高性能・省電力・省スペースを実現

    独自の省電力・高性能プロセッサを、世界最高レベルの高密度で実装し、標準の19インチラックに最大で2,520CPUの搭載を実現しました。これにより、同一データベース規模かつ同一応答時間要件に対して、従来汎用PCサーバ比の約半分の省スペース・省電力を実現しています。


  4. 高信頼・高運用性を実現

    ディスクレス、独自のマルチコアCPUの採用による部品点数削減、エラーチェック機能の強化などにより、高い信頼性を実現しています。また、大規模システムの運用を支援する専用のシステム管理ソフトウェア「AC System Manager」(注5)により、大量のCPUを一括管理できるなどシステム管理者の負荷を大幅に軽減することが可能となり、システムの運用性を大幅に向上させています。


「Shunsaku Engine」の主な仕様

モデル名 AC57
筐体 ラックマウントタイプ(2U); 482×785×87mm
プロセッサボックス仕様 処理ユニット数 168
メモリ容量 42GB
ネットワーク 2ポート(1000Base-T/100Base-TX)
1ポート(100Base-TX)
冗長機構 電源ユニット、ファン他
ソフトウェア AC57専用Shunsaku
AC57専用Shunsakuオペレーションツール (注6)
AC System Manager(AC57専用システム管理ツール)

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


以上

注釈

  注1 Interstage Shunsaku Data Manager:
当社製XML型データベースエンジン。(http://interstage.fujitsu.com/jp/shunsaku/)
九州大学の有川節夫氏(現在、理事・副学長)と研究グループが1981年に発表した、一方向逐次処理方式による超高速パターンマッチングエンジン・SIGMA(シグマ)を基に開発・実装されている。
2004年には、IPA(情報処理推進機構)とSOFTIC(ソフトウェア情報センター)から「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー2004」を受賞している。また、CPU 台数1,000台以上で構成された実用システムが、公共機関で2005年より安定稼働しているなどの実績がある。
  注2 : 同一規模のデータベースに対して、同一応答時間要件を実現する場合。
  注3 データの正規化:
データの検索を行うために、項目ごとに定型の形式に並べ替えること。
  注4 : 68ボックス(168プロセッサ/ユニット)での並行処理を想定。
  注5 AC System Manager:
複数のユニットの運用管理を行うためのシステム管理ツール。
  注6 AC57専用Shunsakuオペレーションツール:
ユニット上で動作するShunsakuの起動、運用管理、ログ収集などの機能を持つアプリケーション運用ツール。

本件に関するお問い合わせ

バイオIT事業開発本部 大規模システム開発室

電話: 03-5480-8623(直通)
E-mail: shunsaku-engine@strad.ssg.fujitsu.com


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