Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

PRESS RELEASE (デバイス)

2006-0181
2006年11月7日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

FRAM搭載LSIがFeliCa方式ICカードに採用

~民生機器では最高レベルのセキュリティを実現~

富士通株式会社(以下、富士通)のFRAM(注1)を搭載したICカード向けLSIが、このほどソニー株式会社(以下、ソニー)の非接触ICカード技術方式”FeliCa”用LSIとして採用されました。

FRAMを搭載することにより、従来のカードに比べて、高速書き込み、高書き換え耐性、低消費電力、高セキュリティが実現できます。また本LSIは、最新のセキュリティ技術を搭載しており、セキュリティの国際標準であるISO/IEC 15408(注2)の、民生機器では最も高いEAL4+(注3)認証を2006年中に取得する見込みです。

近年、プリペイドカードや身分証明書、定期券などをICカード化し、より高度で便利なサービスを提供する動きが本格化しています。これらのサービスの高機能化と普及促進にあたっては、情報の送受信がより高速に、かつ安全に提供できることが必須です。

このたび、富士通のFRAMを搭載したICカード向けLSIが、非接触ICカード方式では国内トップシェアのソニーのFeliCa用LSIとして採用されました。FRAMを搭載することで、従来技術によるカードに比べて、処理スピード大幅アップ、高書き換え耐性、高セキュリティの性能を実現しました。

また、富士通は、最新のセキュリティ技術を搭載することにより、本LSIにて情報技術セキュリティの国際標準ISO/IEC 15408のEAL4+認証を取得する見込みです。

FeliCaカード用FRAM搭載LSIの特長

  1. 高速、高書き換え耐性、高セキュリティを同時に実現

    富士通は、他社に先駆け1999年からFRAMの量産を開始しており、ICカードやRFIDなどさまざまな用途向けにFRAMを組み込んでいます。

    FRAMは、従来多くのICカードで使用されているE2PROM (注4)と比べて、10万倍(100億回)以上の書換え回数を実現し、また、約3万分の1以下の時間での高速データ書き込みを、より低消費電力で行うことができます。さらに本LSIでは、最新のセキュリティ機能も充実させているため、高速、高書き換え耐性、低消費電力、高セキュリティを同時に実現することができました。


  2. 民生機器では最高レベルのセキュリティ国際標準ISO/IEC 15408 EAL4+取得見込み

    今回開発したLSIは、日々進歩する解析・評価基準に対応した富士通および株式会社富士通研究所(注5)による多種の最新セキュリティ対策を実装しました。

    これにより、2006年中に、民生機器としては最高レベルのセキュリティ強度を備えていることを保証する、セキュリティの国際標準ISO/IEC 15408のEAL4+の認証を、フランス国防省情報システムセキュリティ中央局(DCSSI、(注6))より取得する見込みです。EAL4+のレベルでは、LSIの構造に関する詳細な情報と高度な解析設備を持っていたとしても、LSIに記憶された情報の読み出し・改ざんなどは困難です。


商標について

FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
その他の、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


以上

注釈

  注1 FRAM:
Ferroelectric Random Access Memory(強誘電体メモリ)。強誘電体膜をデータ保持用のキャパシタに利用した不揮発性メモリ。低消費電力・高速アクセス・高書き換え耐性を特長とし、ROMとRAMの長所を併せ持つ。
  注2 ISO/IEC 15408:
「情報技術セキュリティ評価基準」。情報技術に関連した製品(ハードウェア・ソフトウェア)およびシステムが適切に設計され、その設計が正しく実装されていることを評価するための情報セキュリティ評価基準で、1999年6月に国際標準規格として承認された。
  注3 EAL:
Evaluation Assurance Level。ISO/IEC 15408で定められている評価保証レベルのことで、製品やシステムの保証レベルを表す。EAL1 からEAL7 の7 段階あり、数値が高いほど保証の程度が厳密になる。EAL4+の“+”は、EAL4の評価メニューに幾つかの評価項目を追加したことを示す。
  注4 E2PROM:
Electrically Erasable Programmable Read Only Memory。不揮発性メモリで、電気的に消去、読み書き可能なROM。
  注5 株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
  注6 DCSSI:
Direction centrale de la sécurité des systèmes d'information。フランス国防省配下のセキュリティ認証機関。

本件に関するお問い合わせ

電子デバイス事業本部 基盤商品マーケティング統括部 新規商品マーケティング部

電話:03-5322-3383 (直通)
E-mail: edevice@fujitsu.com


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