PRESS RELEASE (環境)
2006-0088
2006年5月16日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
~適用範囲を拡大し、環境負荷低減と石油資源の消費削減に貢献~
富士通株式会社(以下、富士通)と株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)は、従来の耐熱性・成形性を維持しながら、耐衝撃性を1.5倍に高めた植物性プラスチックを開発しました。
富士通は、この植物性プラスチックを適用した携帯電話の筐体の試作に成功しました。本試作品を、2006年5月18日(木曜日)・5月19日(金曜日)に東京国際フォーラムで開催される「富士通フォーラム2006」に出展します。
近年、石油や石炭などの化石資源の消費によるCO2排出量の増加にともない、地球温暖化が急速に進んでおり、CO2排出量の低減が急務となっています。このような状況において、地球環境への負荷が小さく、資源に限りがある石油の代替材料として植物性プラスチックの活用に関心が高まっています。
富士通と富士通研究所は、東レ株式会社(代表取締役社長:榊原定征、本社:東京都中央区、以下、東レ)の協力の下、トウモロコシなどを原料とするポリ乳酸(注1)と、ガラス転移温度(注2)の高いポリカーボネート(注3)のポリマーアロイ化(注4)において、相溶性(物質同士の混ざりやすさ)を向上させ、従来よりも微細構造にすることにより、高い耐衝撃性を実現した植物性プラスチックを開発しました。この植物性プラスチックは、従来と同様の耐熱性、成形性を維持しながら、1.5倍の耐衝撃性を実現しているため、携帯電話を始めとするさまざまなモバイル機器への適用が可能です。
さらに富士通は、この植物性プラスチックを適用した携帯電話の筐体の試作に成功しました。今後、携帯電話の新製品への適用拡大を図ることにより、石油資源の利用を削減し、環境負荷を低減することができます。
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富士通と富士通研究所は、2002年6月にトウモロコシを原料とする植物性プラスチックを世界で初めてノートパソコンの筐体の小部品に採用しました。
2005年1月には、ポリマーアロイ化技術と難燃化技術(注5)を組み合わせることで、高い難燃性・耐熱性・成形性を実現した植物性プラスチックを東レと共同で開発し、世界で初めてノートパソコンの筐体に適用しました。最新モデル「FMV-BIBLO NB80S」においては、筐体全体の約93%に植物性プラスチックを採用しています。
富士通グループは、ノートパソコン以外にも、1996年にLSI搬送用トレイに植物性プラスチックを適用したのを皮切りに、POSターミナル「TeamPoS3000」やカラースキャナ「fi-5900C」、非接触型手のひら静脈認証装置「PalmSecure Sensor」、 ATM「FACT-Vシリーズ」と、多様な製品に適用してきました。今後さらに研究を重ね、2007年までに携帯電話への適用を目指すと同時に、そのほかのさまざまな電子機器への適用拡大を推進していきます。
なお富士通は、この植物性プラスチックを適用した携帯電話の筐体の試作品を、2006年5月18日(木曜日)・5月19日(金曜日)に東京国際フォーラムで開催される「富士通フォーラム2006」に出展します。
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
電話:044-754-3417(直通)
E-mail: ecobox@fujitsu.com
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