[ PRESS RELEASE ](電子デバイス) |
2005-0177
2005年11月17日
富士通株式会社 |
最新映像圧縮方式H.264に対応したプロセッサを新発売
〜デュアルコア方式により1チップで圧縮・復元処理を可能に〜
最新の映像圧縮の国際規格であるH.264は、MPEG-2(注3)やMPEG-4(注3)など従来の映像圧縮方式と比べ、約2倍以上の圧縮性能を持ち、すでに携帯型プレーヤーやゲーム機などに採用されています。また、携帯端末向け地上デジタル放送や次世代DVDに採用が決定されており、今後の急速な普及が見込まれています。しかし、H.264は、現在のDVDレコーダなどで普及しているMPEG-2に比べ、圧縮時に約10倍のデータ処理が必要であり、低コストで実現するための技術が
必要となっていました。
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図:MB93475の利用イメージ |
今回開発した「MB93475」は、デュアルコア方式を採用するとともに、株式会社富士通研究所(注4)が開発した独自のH.264制御アルゴリズムを活用してデータ処理量を減らすことで、リアルタイムで高画質での圧縮と復元機能を実現しています。
本製品は、動作周波数480メガヘルツの「FR450」コアを2個と、ビデオやオーディオ入出力などの各種周辺機能を1チップ化し、ソフトウェアとの組み合わせで映像、音声の複数の圧縮方式へ対応することができるマルチコーデック(注5)プロセッサです。従来、専用LSIとして実現していた映像や音声処理がソフトウェアで実現できるため、組み込んだ製品の仕様変更・機能追加などに柔軟に対応することができます。
当社は今後も、録画システムの高機能化、小型化、低コスト化、低消費電力化に貢献するため、さらに高解像度のH.264対応LSIやシステム機能を内蔵したシステム・オン・チップ製品を提供する予定です。
【本製品の特長】
H.264対応の圧縮と復元処理を1チップで実現
最大Half-D1(352画素x480ライン)の画面サイズをH.264方式で圧縮、復元する処理を、音声処理も含めて1チップで実現します。SD(標準放送画質)やHD(ハイビジョン画質)の入力映像をHalf-D1に縮小し、H.264方式で圧縮・復元することができます。
ソフトウェアによるマルチコーデック機能
本製品はソフトウェア(ミドルウェア)を変更することで映像、音声とも複数の圧縮方式へ対応することができるマルチコーデックプロセッサです。映像圧縮方式としてH.264の他、MPEG-4、MPEG-1(注3)にも対応しています。
デュアルコア方式を採用
システム制御やオーディオ処理などを行うフロントエンドCPUと、H.264の映像処理を行うバックエンドCPUのデュアルコア方式を採用しています。これにより、処理の負荷分散を図っています。
携帯型プレーヤー向けの録画システムに最適
豊富なインターフェース機能を内蔵しているため、既存システムへの接続や、録画データをメモリカードに取り出すことが容易に実現できます。このため携帯型プレーヤー用のデータ生成に適しています。
【サンプル価格、および販売開始時期】
製品名 |
サンプル価格(税込) |
販売開始時期 |
「MB93475」 |
5,000円 |
2006年1月 |
【販売目標】
【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
【添付資料】
以上
注釈
- (注1)H.264:
- 映像圧縮方式の一つで、MPEG-2など従来方式に比べて圧縮率の高さが特長。ITU-T(国際電気通信連合・電気通信標準化セクタ)とISO/IEC(国際標準化機構/国際電機標準会議)が共同で策定した、最新の映像圧縮の国際標準規格。
- (注2)「FR450」:
- 整数演算とメディア処理を2命令まで同時に実行できるアーキテクチャーでMMU(メモリ管理ユニット)搭載のプロセッサコア。
- (注3)MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4:
- 映像圧縮方式の一つでMPEG規格の一部。
- (注4)株式会社富士通研究所:
- 社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
- (注5)コーデック:
- 映像や音声データを圧縮・復元処理するためのソフトウェアやハードウェアのこと。
関連リンク
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