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世界初!さび止め皮膜中の6価クロムの高精度検出に成功〜グリーン調達における分析の信頼度を向上〜
今回開発した分析技術により得られた結果を定量基準として活用することで、現在の化学分析法の定量性が検証できるため、より信頼性の高い6価クロムの分析が可能となります。 本技術の詳細は、9月14日から16日に名古屋大学で開催された日本分析化学会(第54年会)で発表しました。 【開発の背景】2006年7月1日施行予定のRoHS指令(注4)において、欧州輸出品には有害物質を含まないことが必要とされるようになります。現在、ネジなどの電子部品のさび止め用の皮膜として広く使われているクロメート(注5)の中には、RoHS指令の対象となる有害物質である6価クロムを含むものがあります。クロメート中の6価クロムを高信頼で検出、定量化する技術が求められていました。 【課題】現状では、クロメート中の6価クロムの検出は、皮膜中のクロムを溶液に抽出し、ジフェニルカルバジド吸光光度法(注6)という化学分析で行われるのが一般的でした。しかし、この方法では、抽出処理によって6価のクロムが3価のクロムに変化する可能性があることや、抽出効率が不明なこと、また6価クロム以外の5価バナジウム、3価鉄、4価モリブデンでも反応してしまうという理由から、分析の信頼度には難点がありました。そこで、皮膜そのものに含まれる6価クロムを、抽出処理なしで直接定量的な分析ができる非破壊分析技術の開発が望まれていました。 【開発した技術】今回開発したのは、世界最高性能の放射光を発生することのできる大型研究施設であるSPring-8のX線を利用したもので、6価クロムにのみ特徴的な波長のX線吸収ピークを利用する非破壊分析法です。6価クロムのみが明確に分離できることおよび、ピーク強度から濃度測定ができるという特徴があります。 【効果】今回開発した分析技術を用いることで、クロメート皮膜そのものに含まれる6価クロムを非破壊で定量分析ができるようになりました。これにより、化学分析で懸念されていた、抽出処理の効率、化学状態変化や、共存する元素の影響を受けることなく、正確な6価クロムの定量化が可能となります。さらに本技術では、化学分析ではわからなかった、クロメート皮膜中の6価クロムの深さ分布まで求めることができます。 本技術を従来行っていた化学分析の定量基準として活用することで、部品の品質検査における信頼度が向上します。 【今後】今後、本技術を富士通グループにおける環境にやさしい材料調達において活用していきます。 以上 注釈
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