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[ PRESS RELEASE ](技術)
2005-0116
2005年7月13日
株式会社富士通研究所
富士通フロンテック株式会社
富士通株式会社

世界初! フィルム基板を用いたカラー電子ペーパーを開発

〜「曲がる」「カラー」「超低消費電力」のすべてを実現〜

株式会社富士通研究所(注1)、富士通フロンテック株式会社(注2)、富士通株式会社は共同で、世界で初めて、電源を切っても表示を維持でき、明るいカラー表示が可能な電子ペーパーを開発しました。薄くて曲がり、表示の維持には電力が不要な上、書き換えも低消費電力で可能なため、公共の場所での情報表示や商品広告など、紙のように扱える新しい電子メディアとしてさまざまな応用が可能です。今後、本電子ペーパーの利用に関するマーケティング活動を推進していきます。

今回開発した電子ペーパーは、7月14日、15日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催する「富士通フォーラム2005」でご覧いただけます。


「曲がる」

「カラー」

【開発の背景】

電子ペーパーは、紙のような扱いやすさを持ち、省電力で、しかも自由に書き換えができる新しい電子メディアとして期待されています。薄い、曲がる、軽い、といった紙のような性質と書き換え時以外は電力を必要としない低消費電力性により、柱広告や中吊り広告など公共の場所で利用した場合のメリットも高く、また、携帯機器と連携する見やすく便利な表示機器としても利用が可能です。

電子ペーパーについてはさまざまな研究開発が行われています。しかし、電力がなくても表示を維持できるメモリ性、カラー表示、曲げることができるフレキシブル性、のすべてを実現するものはありませんでした。

【開発した電子ペーパーの特長】

今回開発した電子ペーパーは、世界で初めて、メモリ性の明るいカラー表示をフレキシブルなフィルム基板で実現しています。その特長は以下のとおりです。

  1. 表示し続けるための電力はゼロ、書き換え時も極めて低い消費電力

    電源を切っても表示を維持できるメモリ性を持ち、表示だけなら電力は不要です。また、表示の書き換えも超低消費電力で実現しており、非接触ICカードに使われる微弱な電波のエネルギーを用いた無線による書き換えが可能です。従来技術に比べ、数百分の1から数万分の1以下の省電力化を実現しています。

  2. 高い表示能力

    赤、緑、青の3枚の表示パネルを積層した構造を持ち、カラーフィルターや偏光板が不要なため、従来の反射型LCDに比べて、より明るいカラー表示を実現しています。表示を維持するために頻繁に書き換えを行う必要がないため、ちらつきもありません。また、曲げても、指で押しても、表示色が影響を受けない独自の技術を利用しています。

  3. 基板のフレキシブル性

    基板にはフィルム基板を用い、曲げても使えるというフレキシブル性により、利用シーンの自由度が広がります。

【本製品の特長】

今回開発した電子ペーパーの特長を活かすことで、紙のように扱える新しい電子メディアとしてさまざまな応用が可能です。

  • 電車の中吊り広告や湾曲した壁面への情報表示など、軽い・曲がる・書き換え可能・低消費電力という特長を活かした公共の場所での利用が可能です。時間帯や状況によって掲載内容を変更できるなど、効果の高い案内や商品広告が実施できます。
  • 電子棚札、POP広告、レストランのメニューなど、店舗での利用が可能です。カラーで見やすくタイムリーに書き換え可能な価格表示や商品情報表示に利用できます。
  • マニュアルや作業指示書の必要部分だけを表示・携帯できるので、職場や工場でのペーパーレスが実現します。
  • 携帯機器で取得した文字データ・画像データを、ワイヤレスで拡大表示に使えます。
  • 家庭におけるデジタルコンテンツの手軽な掲示や持ち歩きに使えます。

【今後】

今後、本電子ペーパーの利用に関するテストマーケティング活動や実証実験活動を実施し、2006年度の商品展開を目標に、電子ペーパーを利用したフィールド・イノベーションの実現を推進していきます。

以上

注釈

(注1)株式会社富士通研究所:
社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市。
(注2)富士通フロンテック株式会社:
社長 宮澤達士、本社 東京都稲城市。

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