[ PRESS RELEASE ] |
2005-0041
2005年4月5日
富士通株式会社 |
「モバイル映像中継ソリューション」を販売開始
〜リュック型映像伝送装置により、機動性が高く低コストの映像中継を実現〜
近年、放送業界では、地上デジタル放送を始めとする多チャンネル化、地域CATV局による独自コンテンツ作成が進む中で、これまで大規模かつ高額な設備・機材を要してきた現地映像の中継を、より機動的かつ低コストで行うニーズが高まっています。
また、官庁・自治体のお客様では、万一の地震・火事等の災害発生時には、刻一刻と変わる状況を迅速かつ的確に把握するため、リアルタイムでの現地映像の入手が重要な課題となります。
こうした状況を踏まえ、当社は、今般「Broadsight」(注1)の一環として「モバイル映像中継ソリューション」を販売開始します。本ソリューションは、低価格化と普及が進むブロードバンドネットワークを背景に、当社独自の「屋外ワイドエリア型無線LAN技術」「IP映像伝送技術」をベースに開発したもので、無線LAN内蔵のリュックサック型映像伝送装置「IP-3650」を中核に、映像伝送装置「IP-700IIj」等により構成されます。
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リュックサック型映像伝送装置「IP-3650」 |
これにより、放送業界のお客様では、スポーツ、ニュース中継に際し、カメラマンがハンディカメラに接続したリュックサック型装置を装着し、ケーブルレスで自由に現場を移動することで、より対象に肉薄した臨場感のある映像撮影が可能になります。さらに、インターネットで直接スタジオへ伝送することで、中継車両等の大がかりな放送設備を用いることなく、低コストで手軽に映像中継を行うことができます。
また、官庁・自治体のお客様では、災害・事故現場の状況をリアルタイムかつ的確に把握することで迅速な意思決定ができ、スピーディな対処が可能になります。
【モバイル映像中継ソリューション イメージ】
【販売価格、および出荷時期】
商品名 |
販売価格(税別) |
出荷時期 |
モバイル映像中継ソリューション |
390万円より |
即日 |
上記価格に、「IP-3650」(1台)、「WL-1100」(1台)、「コーリニアアンテナ」(1セット)、「IP-700IIj トランスコーダタイプ」(1台)、セットアップ費用を含みます。
【販売目標】
放送業界および官庁、自治体のお客様を中心に2007年度末までに計300システム、50億円の受注を目標とします。 (当社の決算期は3月末日です。)
【本ソリューションの特長】
撮影者の機動性を確保
リュックサック型の映像伝送装置「IP-3650」は簡単に背負うことができ、現場での通信手段には無線LANを使用するため、撮影者は通信エリア内を自由に移動して中継できます。そのため、これまで有線型カメラの利用が困難だった場所での中継が可能になります。なお、基地局に「コーリニアアンテナ」を使用し、大規模な障害物がなく見通しの良い場所では、半径約420mのエリアで通信が可能です。
低価格なシステム構築が可能
中継車両などの大がかりな設備を必要とせず、カメラも市販のビデオカメラを使用するため、低価格なシステム構築が可能です。さらに普及・低価格化が進むブロードバンド回線を利用するため、回線費用の大幅なコスト削減につながります。
途切れ、コマ落ちのない高品位な映像伝送を実現
「IEEE802.11g規格」(注2)準拠の無線LANによる高速通信や、低遅延映像通信向けQoS制御技術の採用により、途切れ、コマ落ちのない高品位な映像伝送を実現します。さらに、ネットワークの状況に応じて、株式会社富士通研究所の技術を活用したエラー訂正 (注3)と再送 (注4)機能を用いることにより、帯域の増加を抑えたままサービスの品質を保持します。
音声の双方向通信機能により、リアルタイムでの指示・確認が可能
音声の双方向通信が可能なため、市販のインカムやマイクを利用して、本局(本部)と現場の間で指示や確認などのやりとりができます。
高いセキュリティレベルを確保
無線LANに対する不正アクセス、盗聴、なりすまし防止対策として、当社独自のサーバレス認証方式により、アクセスポイントである「WL-1100」に認証機能と動的に変化する暗号キー生成機能を持たせています。さらに、認証サーバ連携によるデータ改ざんチェックなど、高いセキュリティレベルを確保します。
【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
注釈
- (注1)「Broadsight」:
- 当社が2004年3月に提供開始した、インターネット上での最適な映像伝送を実現するブロードバンド映像ソリューション。
- (注2)IEEE802.11g規格:
- IEEE(米国電気電子学会)でLAN技術の標準を策定している802委員会が2003年6月に策定した、無線LANの標準規格の一つ。無免許で利用可能な2.4GHz帯の電波を利用して、最大約54Mbpsで通信を行うことができる仕様。
- (注3)エラー訂正:
- FEC(Forward Error Correction) 誤り訂正。データの廃棄や誤りを検出した時に、そのデータを再送することなく、転送すべきデータ(ユーザー・データ)に付加した冗長データを用いて、復元する通信方式。
- (注4)再送:
- ARQ(Automatic Repeat request) 自動再送制御(自動再送要求)。誤ったフレームの受信やフレームの欠落を検出した受信側が送信側に対して、再送するように要求すること。
関連リンク
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
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