液晶デバイス事業の譲渡に関する基本合意について

シャープ株式会社（本社：大阪市、社長：町田勝彦、以下「シャープ」）と富士通株式会社（本社：東京都港区、社長：黒川博昭、以下「富士通」）は、富士通の液晶デバイス事業をシャープに譲渡することで基本合意に達しました。

今回の基本合意により、富士通は、子会社である富士通ディスプレイテクノロジーズ株式会社（以下「FDTC」）の液晶デバイスの開発・製造・販売に関する事業、および株式会社富士通研究所（以下「FJL」）のFDTCの事業に関連する研究開発のための設備をシャープに譲渡します。

これにより、シャープはFDTCの従業員と生産拠点である米子工場、およびFDTCの事業に関連する研究開発に関わるFJLの従業員、ならびに富士通グループの液晶デバイス事業に関連する知的財産権を継承する予定です。

両社は今後、譲渡に関する具体的な条件について協議を行い、2005年3月を目処に正式契約を締結する予定です。

シャープは、1973年の液晶電卓の商品化により世界で初めて液晶の実用化に成功して以来、32年にわたり「オンリーワン液晶技術」の開発に努めるとともに、液晶テレビ“アクオス”など多くの液晶応用商品の創出に尽力してまいりました。

大型液晶については、昨年1月、世界で初めて液晶パネルからテレビまで一貫生産する亀山第1工場を稼動、本年1月には「世界NO．1液晶テレビおよび液晶事業の拡充」を目標に、亀山第2工場の建設を決定いたしました。

中小型液晶についても、携帯電話やゲーム機などモバイル機器の旺盛な需要に加え、車載用など新規分野の需要増加に対応すべく三重工場を中心に生産体制の増強を図っており、この度の合意により譲渡されるFDTCの米子工場も加え、さらに中小型液晶の開発・生産能力の拡大を目指します。

また、液晶デバイスの供給先として富士通との関係強化を一段と推し進め、液晶事業の経営基盤のさらなる強化を図ってまいります。

富士通は、FDTCにおいて、PCモニタ向けを中心に高精細・高画質を特徴とする液晶デバイス事業を行ってまいりました。特に、高画質を要求される大型液晶パネル市場において業界標準となる技術を生み出し、この技術優位性を生かした事業展開を進めてまいりましたが、この市場においてトップの実力をもつシャープに今回の譲渡を行うことで、液晶デバイス事業の一層の発展を図ることが最適であるとの結論に至り、今回の合意に達したものです。

富士通は、強いインフォメーションテクノロジーをベースにお客様の求める高性能・高品質のプロダクト・サービスによるトータルソリューションを提供することを、事業としております。今回の合意により、経営資源の一層の集中・効率的配分による事業強化を図ってまいります。