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世界初! 光増幅機能を持つ超高速光スイッチを開発〜毎秒640ギガビットでの超高速光信号処理を実証〜
本技術は、超高分解能の光波形モニタ(光サンプリング・オシロスコープ)や全光技術を用いた光伝送・超高速光スイッチングなど、次世代以降の超高速光信号処理の実現に向けた基礎技術です。 【開発の背景】光の物理的な特性を活かした信号処理(光信号処理)には、従来の電子による信号処理に比べて100〜1000倍以上の高速・大容量処理を実現できる可能性があります。このような超高速光信号処理が実現すれば、通信回線の利用効率を究極まで高めた超高速フォトニックネットワークが実現できます。 かつて、エルビウム添加光ファイバーアンプ (Erbium doped Fiber Amplifier: EDFA)の開発により広い帯域での光信号増幅が実現し、光通信に大きなインパクトが与えられました。EDFAが開発されてから既に15年以上経った今日、より高度なフォトニックネットワークを実現するために、光増幅機能に加え、さまざまな機能を実現する新たな光信号処理の実現が期待されており、世界的に活発な研究が行われています。 【課題】光信号をオン・オフする光スイッチは、将来のフォトニックネットワークで必要になる各種の光信号処理の要素技術の一つです。しかし、従来の光スイッチでは、超高速動作は可能であるものの、光スイッチにおける大きな損失に起因する雑音のため、信号品質が劣化してしまうという課題がありました。 【開発した技術】今回、富士通研とHHIが開発した技術は、高非線形光ファイバー(注3)を用いた、光増幅機能を持つ超高速光スイッチです。本光スイッチは、光ファイバーの非線形光学効果により、毎秒1テラビット(注4)以上の超高速動作を実現すると同時に、光パラメトリック増幅効果(注5)により光信号を増幅します(図1)。光スイッチングと光増幅を同時に実現できるため、世界で初めて、極低雑音の超高速光スイッチングを可能とする技術です。なお、本光スイッチで用いる高非線形ファイバーの長さは、20〜30メートルと実用的なものです。 【効果】今回開発した光スイッチを用い、従来の電子回路を用いた波形モニタの時間分解能を遙かに凌ぐ、超高分解能波形モニタを実現し、640 Gbpsまでの超高速信号の高精細な波形観測に成功しました(図2)。また、640Gbpsの超高速信号を64チャネルの10Gbps信号として読み出すことにも成功しました。 さらに、基幹系の光通信でもっともよく用いられている1530ナノメートルから1565ナノメートルの波長帯(Cバンド)の全帯域で、入力信号光に対して出力スイッチ光が約6倍(7.6デシベル)に増幅されることを確認しました(図2)。本光スイッチの増幅率は、非線形ファイバーの最適化等により100倍(20 デシベル)以上に拡大可能であり、より広い波長帯をカバーする設計も可能です。 本光スイッチは,信号変調方式に無依存であり,位相変調された光信号についても、160 km伝送後の誤りのないデータ読み出しに成功しています。 【今後】本光スイッチは、次世代の超高速フォトニックネットワークに必要な以下のような応用が期待されます。
今後は、本スイッチのさらなる高性能化と実装技術等の検討を進め、実用化に向け、さらに研究を推進していく予定です。 以上 図1 光スイッチの機能とその原理概念図 入力信号光が制御光パルスのタイミングで増幅され出力される。 注釈
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