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世界初!ゲート電極下の不純物分布を直接評価〜性能がばらつく原因を解明し45nm世代トランジスタ開発を加速〜
今回開発した技術は、ユビキタス時代に向けた情報機器の小型化、高性能化、低消費電力化に貢献するためのものです。 なお、本技術の詳細は、12月13日から米国サンフランシスコで開催されている国際電子素子会議(IEDM:International Electron Devices Meeting)で発表します。 【開発の背景】サーバやデジタル家電、携帯電話などに使用されるLSIは微細化が進み、ゲート電極の線幅が40nm未満となるトランジスタの開発が進められています。国際半導体技術ロードマップでは、2010年頃、線幅が30nm以下の45nm世代トランジスタが実用化されるとしています。そのような微細トランジスタが多数用いられるLSIの安定動作には、各トランジスタの性能が均一である必要があり、性能のばらつきを少なくするトランジスタ製造方法が重要になります。トランジスタのゲート電極加工形状のばらつきが大きいと性能のばらつきが大きくなることから、現在、トランジスタ性能のばらつきの原因調査には、製造途中にゲート電極の加工形状を電子顕微鏡で評価する手法が広く用いられています。 【課題】しかし、ゲート電極の加工形状のばらつき具合が同じであっても、トランジスタ性能のばらつきが異なる場合があります。理由は、ゲート電極下のソース・ドレイン電極の一部(Xov)(注4)とチャネル領域からなる活性領域の不純物分布のばらつき具合が異なることが考えられます。活性領域の不純物分布の評価には、ゲート電極を除去する必要がありますが、活性領域に損傷を及ぼすことなくゲート電極を除去することが困難でした。 【開発した技術】今回開発したのは、ゲート電極加工形状と活性領域の不純物分布の関係を直接評価する技術です。活性領域に損傷を及ぼすことなくゲート電極を除去する技術と、高分解能の2次元不純物分布評価技術を組み合わせることで実現しました。開発した技術の特長は、以下のとおりです。
【効果】今回開発した技術により、ゲート電極加工形状と活性領域の不純物分布ばらつきとの関係を直接評価することが可能となり、その関係が、ソース・ドレイン電極を形成する不純物注入の条件によって変化することを世界で初めて明らかにしました。閾値電圧(注7)のばらつきについて、本技術による予測値と完成品のトランジスタの値を比較し、精度に差がなく実用的であることを確認しています。 本技術を用いることで、トランジスタ製造工程の途中段階でトランジスタの性能がばらつく原因を解明することができるため、トランジスタ製造方法の最適化を円滑に行え、製造プロセス技術開発期間の短縮とコスト削減に貢献できます。 【今後】今後、シミュレーターを用いた性能予測技術と連携して、本技術を用いた高精度な性能ばらつきの予測を実現して、45nm世代のトランジスタ開発を加速していきます。
以上 注釈
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