FUJITSU
Worldwide|サイトマップ
THE POSSIBIliTIES ARE INFINITE
Japan
元のページへ戻る本件に関するお問い合わせ先 English
[ PRESS RELEASE ] (技術)
2004-0172
2004年9月13日
株式会社富士通研究所
富士通フロンテック株式会社

オフィス、商業施設などで作業支援ができるサービスロボットを開発

株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)と富士通フロンテック株式会社(注2)(以下、富士通フロンテック)は共同で、オフィス、商業施設など人がいる環境で、案内、搬送などの作業支援を行うサービスロボットを開発しました。

本ロボットは、エレベーターを使ったお客様の案内や、物品の搬送、夜間の巡回などのサービスを実行する機能を搭載してします。

本ロボットは、富士通フロンテックが製品化し、2005年6月に販売する予定です。

本ロボットの詳細は、9月15日から岐阜大学にて開催される第22回日本ロボット学会学術講演会で発表します。また、10月5日から幕張メッセにて開催される「CEATEC JAPAN 2004」に参考出品し、デモンストレーションを行います。


開発したロボット

【開発の背景】

ロボットは、医療、福祉、家事など応用が見込める分野が広く、「豊かな社会を実現するための一助として社会的に大きく期待されて(経済産業省 次世代ロボットビジョン懇談会 報告書より)」います。富士通研究所では、日常生活のサポートと生活の利便性の追求のために、人の役に立つ実用的なロボットの研究開発を以前より進めています。

既に、研究用プラットフォームとして二足歩行ロボット「HOAP-1」を2001年9月に、「HOAP-2」を2003年3月に開発し、富士通オートメーション株式会社(注3)より販売しています。また、2002年10月に携帯電話で操作できるホームロボット「MARON-1」を開発し、2003年3月に株式会社PFU(注4)より限定販売を行っています。今回、研究開発向け、家庭向けのロボット開発の実績を踏まえ、次のステップとして、オフィスや公共施設などのさまざまな場所で、人と共存してサービスを提供するロボットを開発しました。

【開発したロボットシステム】

今回開発したサービスロボットは、上下左右に旋回可能な頭部、4自由度(注5)の腕部、左右独立に回転可能な車輪、全体を制御するCPU、DSP(注6)と専用ハードウェアで構成される3次元視覚処理システムから構成されています。

本ロボットの主な特長は以下の通りです。

  1. 指定した目標の場所まで、地図に従って自律的に移動し、障害物を避けながら安全に移動します。

    広い視野を確保できる8個のカメラを必要に応じて切り替え、新たに開発した3次元視覚処理システムにより、周囲の人や物を認識すると同時に位置を高速に計測します。視覚処理により、障害物を検出し、避けながら安全に目的の場所まで移動し、人と共存して作業を行うことが可能になります。

  1. 物を認識して、掴んだり、手渡したりできます。

    視覚処理情報に基づいて、物を持つことや、エレベーターなどのボタンを押すことができます。腕部は、生物の神経系を模擬した動作生成法(注7)により、自然で滑らかな動作が可能です。

  1. 呼びかけに応じて顔を向け、声の指示に従って作業します。

    内蔵する複数のマイクにより音源方向検出が可能です。視覚により人を検出し、音声認識により口頭での簡単な指令を理解、実行します。

  1. ユーザーの要求に応じて情報を探索し、状況に応じた適切な方法で提示します。

    インターネットに接続し、ユーザーの要求に応じた情報の探索と提示、ロボットを介したネットワーク経由でのサービス提供が可能です。また、ロボット自体がWEBサーバを搭載しているため、ロボット用アプリケーションを搭載していないパソコンなど外部情報端末からでも、ロボットへの指示、設定、遠隔操作が可能です。

  1. 自動的に充電します。

    充電が必要になると自ら充電器まで移動し、電磁誘導を用いた高容量の無接点送電法によって安全な充電が可能です。

  1. 狭い空間・坂道・小さな段差にも柔軟に対応して移動し、作業ができます。

    車輪の左右独立駆動により、前進、後退はもちろん、ロボットの前輪部と後輪部をヒンジ(蝶番)で接続することで、坂道や小さな段差などに柔軟に対応します。

  1. 聞き取りやすい声で情報を伝達します。

    富士通研究所が開発した肉声韻律合成技術(注8)を使い、自然な発話が可能です。

【主な仕様】

外形寸法 幅(肩幅)644、奥行566、高さ1300ミリメートル
重量 63キログラム
可動部自由度 頭部:2、腕部:4、手部:1、移動部:2
移動速度 毎時3キロメートル
センサー CMOSカメラ8個、超音波センサー2個、近接距離センサー2個
入出力装置 10.5インチTFTタッチパネル付モニタ1個、マイク3個、スピーカー1個
通信機能 無線LAN(802.11bを搭載)
OS CPU側:Windows®XP Embedded、DSP側:DSP/BIOS
電源(バッテリー) ニッケル水素(本体内蔵)
充電法 無接点送電(無接点送電により24時間の連続運用可能)

【今後】

本ロボットを適用するアプリケーションの開発等を行い、2005年6月に富士通フロンテックが製品化し、販売する予定です。

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

【注釈】

(注1)株式会社富士通研究所:
社長 村野和雄、本社 神奈川県川崎市中原区。
(注2)富士通フロンテック株式会社:
社長 宮澤達士、本社 東京都稲城市。
(注3)富士通オートメーション株式会社:
社長 網代泰一、本社 栃木県塩谷郡。
(注4)株式会社PFU:
社長 広瀬勇ニ、本社 石川県かほく市
(注5)自由度:
人間の関節の動きに相当。4自由度は肩部の動き(前後,上下,回転)と、肘部の屈曲の動きに相当。
(注6)DSP(Digital Signal Processor):
音声や画像などの処理に適したマイクロプロセッサ。
(注7)生物の神経系を模擬した動作生成法:
富士通研究所が開発した「CPG/NP法」を使った動作生成法。「CPG/NP法」は、脊椎動物で存在が確認された、周期的なリズムを発生すると考えられている神経系(神経振動子)を数学的にモデル化したCPG(Central Pattern Generator)を基本構成単位とし、これを組み合わせたニューラルネットワークの構造や結合状態を、数値摂動法(NP法:Numerical Perturbation Method)を使って最適化することで、ロボットの動作を生成する方法。「HOAP-1」、「HOAP-2」に適用した方法で学習速度が速い。
(注8)肉声韻律合成技術:
人間の肉声から喋り方の特徴を決める韻律情報を抽出し、それを利用しながら音声を合成する技術。2004年5月発表。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2004/05/27.html

以上

関連リンク

プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。

元のページへ戻る ページの先頭へ

All Right Reserved, Copyright (C) FUJITSU