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世界最小、携帯電話向け北米PCS方式対応SAWデュプレクサの開発に成功
本技術の詳細につきましては、8月24日からカナダのモントリオールで開催されたIEEEの国際学会「超音波シンポジウム」(注6)で報告しています。 【開発の背景】近年、携帯電話端末は小型・軽量化とともにテレビ機能搭載など多機能化が進んでおり、使用されている部品の更なる小型化、高性能化が求められています。携帯電話には、電波のノイズを除去するためのフィルターが搭載されており、富士通メディアデバイスでは、SAW(Surface Acoustic Wave:弾性表面波)の技術を用いた小型で高性能のフィルターを販売しています。 携帯電話等に使用されるデュプレクサは、送信信号と受信信号を分離するデバイスで、高い性能と強い耐電力性が求められます。特に北米のPCS(Personal Communications Service)方式は仕様が厳しく、高性能のデュプレクサが求められています。富士通研究所と富士通メディアデバイスは、2002年にSAWの技術を用いて、世界で初めてPCS方式に対応したSAWデュプレクサ(幅5.0mm、奥行5.0mm、高さ1.5mm)を開発し、携帯電話の小型化、多機能化に貢献してきました。 【課題】携帯電話の多機能化に伴い、PCS方式対応SAWデュプレクサには、さらなる小型化と高性能な電気的特性、送信電波の大きな電力に対応する耐電力性が要求されています。しかし、デバイスのサイズを小型にすると、配線密度が増加し配線間の電磁的な干渉の影響が大きくなります。また、電力がかかった際の熱密度が上がるため、デバイスの温度が上がり、寿命が短くなることや、温度による周波数特性の変化が大きくなり、挿入損失(注7)も増加するといった課題があります。 【本製品の特長】今回、高度なSAW設計技術と、SAWデバイス用に新たに開発した熱歪みの小さい基板を用いることで、小型で高性能な2GHz帯PCS方式対応SAWデュプレクサを実現しました。 開発した技術は、以下のとおりです。
【効果】今回開発した技術により、PCS方式対応SAWデュプレクサを従来製品の36パーセント(体積比)に小型化しました。また、熱解析とSAW電極設計パラメータの最適化により、従来製品と同等の寿命(0.8ワットの連続波で5万時間以上、環境温度50℃)を保証し、挿入損失も0.5デシベル改善しています。 さらに、新たに開発した基板により、温度による周波数特性の変化を従来製品の3分の2に改善しています。 これにより、小型でも高性能なフィルター特性を実現しPCS方式の規格を満足させており、小型で多機能な携帯電話の開発に貢献します。 【今後】今後、量産体制を整え、富士通メディアデバイスにて、2004年12月より量産、販売の予定です。これからもSAWデバイスの小型・高性能化により、携帯無線機器の軽量化・多機能化に貢献していきます。 以上 注釈
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