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[ PRESS RELEASE ](技術)
2004-0101
2004年6月8日
株式会社富士通研究所

簡単な操作で情報機器を自由に連携させる技術を開発

〜世界で初めて次世代Web技術を機器連携に適用〜

株式会社富士通研究所(注1)は、フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ・インコーポレイテッド(注2)と共同で、世界で初めて、次世代のWeb技術であるセマンティックWeb(注3)技術を用いて、ユーザーの簡単な操作によって情報機器を連携動作させる「Task Computing(タスクコンピューティング)技術」を開発しました。

今回開発した技術は、ユビキタス社会を実現する基盤ミドルウェアのためのもので、本技術により身の周りにある情報機器を専門家でなくても自由に連携、組み合わせて利用することが可能となります。

本技術は、富士通ソリューションフォーラム2004(2004年7月7日から9日 東京国際フォーラム)にて展示、デモンストレーションを行います。

【開発の背景】

無線LANやインターネットの普及に伴い、情報家電やオフィス機器、サーバなどの情報機器をネットワークで相互に接続するのに必要な条件が整ってきました。ユビキタス社会では、ユーザーが機器の接続を意識することなく、自由に機器を連携、組み合わせて利用する世界が求められています。

【課題】

従来の情報機器は、身の周りに複数の機器があっても、それらを自由に連携、組み合わせて利用できなかったり、ケーブル接続やあらかじめシステム構築された組み合わせでしか利用できませんでした。

【開発した技術】

今回開発したのは、ユーザーの身の回りにある情報機器をユーザーがその場で自由に組み合わせて利用できるようにするための「Task Computing技術」です。

次世代のWeb技術であるセマンティックWeb技術を、世界で初めて情報機器連携に適用し、情報機器間のやりとりの仕方を、人間を介さずに機器自身が解釈できるようにしました。画像を送る、音楽ファイルを再生するといった機器が持つ機能の意味を「セマンティックサービス」として仮想化し、機器自身に判断させることにより、ユーザーが機器接続の詳細を意識することなく利用できます。

また、機器の連携機能と、機器そのものが持つ本来の機能(テレビが映像を映す機能など)を分離させることで、連携させる機器とは別の端末からネットワークを介して連携の指示を行うことができるようになりました。この機器連携機能は、「セマンティックサービス」に基づいており、異なる規格の機器間の連携や、将来登場する未知の機器間の連携を指示することも可能で、現在のブラウザに相当する重要な役割を担うことになると考えています。

フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ・インコーポレイテッドでは本技術を、米メリーランド大学や米マサチューセッツ工科大学、米カリフォルニア大学アーバイン校、英サウザンプトン大学などに公開し共同研究を促進していきます。

【効果】

今回開発した技術により、これまでばらばらに存在していた情報機器を、ユーザーの指示で簡単に連携、組み合わせて利用できるようになりました。

例えば、ユーザーが携帯情報端末を持ってプレゼンテーションルームに入ると、そこで利用可能な機器が自動的に認識され、ケーブル接続やシステム構築がされていなくても、パソコンにあるプレゼンテーション資料を大画面PDPに表示する、自分の端末内に保存してある音楽を部屋のスピーカーから流すなど、その場で実行可能な機器連携がユーザー端末に示されます。ユーザーはやりたいことを選択するだけで実行できるようになります。

【今後】

今後、アクセス制御などのセキュリティ技術を導入し、2005年頃の実用化(製品化)を目指すとともに、「セマンティックサービス」に基づく機器連携の標準化活動も行っていく予定です。

図

以上

用語説明

(注1)株式会社富士通研究所:
社長 藤崎道雄、本社 川崎市
(注2)フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ・インコーポレイテッド:
社長 林弘、本社 米国カリフォルニア州サニーベール市
(注3)セマンティックWeb:
従来のWebが人間が見るためのものであったのに対し、機械が意味(セマンティクス)を理解できる世界を目指している技術。W3C(World Wide Web Consortium)で標準化が進められている。

関連リンク

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