FUJITSU
Worldwide|サイトマップ
THE POSSIBIliTIES ARE INFINITE
Japan
元のページへ戻る本件に関するお問い合わせ先 English
[ PRESS RELEASE ](技術)
2004-0120
2004年6月29日
株式会社富士通研究所
富士通株式会社

どこでも利用可能な音声一斉同報サービスを実現!
ユビキタストランシーバ技術を開発

株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)(注1)と富士通株式会社(以下、富士通)は、携帯電話網や無線LANを使い、どこでも利用可能で、複数の相手に対して同時に音声通話することを可能とする、ユビキタストランシーバ技術を開発しました。

今回開発した技術は、「Push-to-talk over Cellular/Wireless(以下、PoC/W)」と呼ばれ、パソコンやPDA、携帯電話などの携帯機器を用い、家族や友人で利用するサービスや、企業の営業部門や保守部門といった部門単位での業務ソリューションへの展開が可能になります。

本技術は、7月7日から9日の3日間、東京国際フォーラムで開催される「富士通ソリューションフォーラム2004」に展示します。

【開発の背景】

従来の無線によるトランシーバ型の音声通話を、携帯電話網や無線LANといったワイヤレス網を利用しIP(インターネットプロトコル)で行うPoC/Wサービスが注目されてきています。PoC/Wサービスは、広域に分散している複数のユーザー間で、低コストでかつ手軽に音声通話が可能なことから、第3世代携帯電話の特長である高速なパケット通信の特長を活かしたサービスとして期待されるとともに、さまざまな業務ソリューションへの展開も期待されているからです。

PoC/Wサービスは現在、米国で一部の携帯電話事業者がサービス提供しており、また世界350社以上が参加するモバイルサービス標準化団体「OMA(Open Mobile Alliance)」などでも標準化が進められています。

【課題】

現在のワイヤレス網のパケット通信環境でPoC/Wサービスを提供するには、音声データが相手に届くまでの時間的な遅れや、時間帯による音声データの遅れの変動が大きいため、音声通話での音切れが頻繁におきやすく、さらに、誰が今話せるかを示す話者権の通知が遅れ、スムーズな音声のやりとりが行えないなどの課題がありました。

【開発した技術】

今回、開発したユビキタストランシーバ技術の特長は以下です。

  1. 音声の遅れを少なく、かつ音切れの少ない高品質な音声通信を実現

    携帯電話事業者ごとに違うパケット通信環境での音声データ通信の遅れや、その時々での遅れの変動を検知し、音声の遅れを少なく、さらに音切れのない音声品質を自動的に最適化する音声データ処理技術を新たに開発しました。

  2. 業界トップレベルの応答性能を実現

    メンバーの状態管理や、音声の一斉同報の開始、メンバー間での話者権の管理、通知など、PoC/Wサービスの制御プロトコルとして、SIP/SIMPLE(注2)を採用し、さらにワイヤレス網のパケット通信区間では、データを圧縮して通信することにより、既存サービスの約2分の1となる1秒以下の応答性能を実現し、スムーズな音声のやりとりを可能にしました。

【効果】

今回開発したユビキタストランシーバ技術を富士通のプレゼンスサービス基盤製品「FLAIRINC(フレアリンク)」(注3)で適用し、さまざまなワイヤレス網に繋がったPCやPDAから利用できるPoC/Wシステムを、業界トップレベルの音声品質と応答性能で実現しました。またこのシステムは、現在OMAで標準化が検討されている要求仕様に準拠した機能を実現しています。

これにより、より高品質のPoC/Wサービスを、業務ソリューションなど企業で利用することや、レジャーなどのコンシューマーユースに展開することが可能になります。

図1. PoC/Wサービス利用例図1. PoC/Wサービス利用例
[クリックすると拡大表示されます]

【今後】

今後、さまざまな通信網での検証、携帯電話を含むさまざまな端末展開検討や業務システムとの連携機能強化などを進め、2004年度中に製品化を行う予定です。

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

用語説明

(注1)株式会社富士通研究所:
社長 村野和雄、本社 川崎市
(注2)SIP (Session Initiation Protocol):
インターネットに関連する技術の標準化団体IETFで標準化された、IPネットワーク上でマルチメディアセッションを確立・変更・終了するための、アプリケーション層の発着信(シグナリング)プロトコルです。
SIMPLE(SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions):
IETFで標準化されているSIPを拡張してプレゼンス(人、モノ、情報などの今の状態)を交換するプロトコルです。プレゼンス情報のフォーマットは、富士通研究所も中心メンバーとして、標準化作業を進めており、まもなく標準化される予定です。
(注3)FLAIRINC(フレアリンク):
様々な変化をする状態(プレゼンス)を、それを必要としている人やシステムにリアルタイムに通知するプレゼンスサービス基盤です。既存の業務サービスと組み合わせて新たなビジネスの創造を可能にします。

関連リンク

プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。

元のページへ戻る ページの先頭へ

All Right Reserved, Copyright (C) FUJITSU