|
||
|
|
サポートセンター向け業務知識管理システムを開発
本技術は、サポートセンター業務の効率化を通し、サポートセンター利用者の満足度向上に貢献するためのものです。 【開発の背景】パーソナルコンピュータの質問応答窓口や社内システムの障害対応窓口といったサポートセンターでは、オペレーターには単に会話や事務処理能力だけでなく、問題解決のための広範な知識が必要となります。これらの知識は、センター側が予め想定したもの以外に、センターを利用するお客様からもたらされることも多いため、質問応答の履歴よりナレッジ(センターで共有すべき業務知識)として選別し、効果的に利用することが不可欠です。 【課題】従来のサポートセンターでは、主に人手でナレッジの候補の選別が行われていたため、登録件数が少なく検索しても見つからない、登録作業に大きなコストがかかる、コストに見合ったヒット率が得られないなどの問題がありました。これは、選別対象となる質問応答事例が数万件から数10万件規模と膨大な場合、人手ではそもそも全数をチェックすることが不可能であり、また、重要な事例でも実際の出現頻度は数パーセントから1,000分の1以下と予想以上に低く人間では選別の判断が難しいことによります。 一方、複数の文書の中から類似度の高い文書を抽出する技術としては、従来、階層型クラスタリングと呼ばれる技術がありましたが、数10万件規模の文書を対象とする場合、計算時間が膨大になってしまうという課題がありました。 【開発したシステムの特長】今回開発したシステムは、蓄積された質問応答の中から類似した事例を高速に選別する機能と、定期的なナレッジ選別を支援するための機能を有しています。
【効果】今回開発したシステムを実際のサポートセンターに適用し、人手では発見が困難な頻出上位500位から1000位に相当する事例を追加したところ、必要とされる知識の約50パーセントが追加案件によってカバーされていることが明らかになりました。これは今回開発した技術により、従来の人手による選別では発見されなかった業務知識が抽出され、ナレッジのヒット率が約2倍になったことを意味しています。 今回開発した技術により、質問応答履歴があれば短期間で必要なナレッジの選別が可能となります。また、ユーザー自身によるWebでの問題解決率の向上、オペレーター教育の効率化など、サポートセンター業務の効率化が期待できます。また、サポートセンター利用者の満足度向上につながることも期待できます。 なお、本技術は、富士通のパソコンサポートセンター「Azbyテクニカルセンター」(注2)のQ&A事例検索(図2)でも利用されています。 【今後】今後、社内の他の大規模サポートセンターへの適用や機能向上を図ると同時に、蓄積されたデータの分析により新しいタイプのサポートセンター効率化サービスを開発していく予定です。 以上 [クリックすると拡大表示されます] 図2 Azbyテクニカルセンター Q&A事例検索画面 [クリックすると拡大表示されます] 用語説明関連リンク
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。 |
|