当社は、富士通エルエスアイソリューション株式会社(*1)と共同で、情報家電向けに、ネットワーク接続機能やセキュリティ機能を搭載したシステムLSI「MB91401」を開発し、7月1日より販売活動を開始します。

家庭内にあるさまざまな機器がインターネットを含めネットワークに接続されると、外部の情報やサービスを手軽に利用できるようになる一方、機器に保管された個人情報の流出や外部からの攻撃など危険も増えるため、セキュリティ機能が不可欠となります。 本製品は、今後普及が見込まれている情報家電向けに、ネットワークとの接続機能、セキュリティ機能を搭載した1チップシステムLSIです。本製品を、外部CPUとの専用バスに接続することで、簡単にネットワーク機能やセキュリティ機能を実現することができます。

今回開発したシステムLSI「MB91401」

【サンプル販売価格および出荷時期】

製品名	価格（税別）	出荷時期
「MB91401」	3,000円	2003年7月1日

【販売目標】

20万個/月

【本製品の特長】

1. ハードウエアによるセキュリティ機能搭載
   暗号処理(DES/3DES)(*2)と認証処理(HMAC-SHA-1/MD5)(*3)のハードウエアマクロを搭載し、CPUを経由せずに連続して処理できます。ソフトウエアでの処理に比べ150から200倍高速に処理できるため、パソコンと同等のセキュリティ処理が可能です。
   さらに、CPUでのソフトウエア処理負荷が重い公開鍵アルゴリズム(IKE(*4)、RSA(*5)などで使用)に関しても、搭載する専用演算機能により高速化を実現します。
2. ネットワーク機能
   IEEE802.3に準拠した10/100Mbpsの通信に対応しています。RMII/MII(*6)インタフェースにより簡単に外部周辺デバイスへの接続が可能です。またパケットフィルタリング機能によりCPUに負荷をかけずに特定のアドレスを選択して安全な通信を可能にします。

【主な仕様】

プロセス技術	0.18マイクロメートル CMOSプロセス
メモリ容量	RAM: 8キロバイト、キャッシュメモリ4キロバイト
CPUコア	32ビットRISC CPU FRコア搭載(50MHz動作) DMAC(*7)、INTC(*8) 、タイマ
暗号、認証機能	DES/3DES（ECB,CBC対応）、SHA-1,MD5（HMAC対応） 公開鍵暗号演算器
ネットワーク機能	10/100M etherMAC(*9)、パケットフィルタリング機能
インタフェース	Compact Flashカードインタフェース UART、USB2.0 function (Full Speed)、I²C 外部CPU接続用バス
パッケージ	FBGA(*10)-240ピン

【用語説明】

(*1)

本社：神奈川県川崎市、社長：野口 英二

(*2)

DES/3DES：広く利用されている、秘密鍵暗号方式の一種です。

(*3)

HMAC-SHA-1/HMAC-MD5:広く利用されているハッシュ関数の一種です。

(*4)

IKE(Internet Key Exchange)：IPsecで利用する暗号方式の決定や鍵交換などをおこないます。

(*5)

RSA(Ron L. Rivest, Adi Shamir, Leonard Adleman)：広く利用されている公開鍵暗号方式の一種です。

(*6)

RMII/MII（Reduced MII/Medium Independent Interface)：LAN用LSIの相互接続インタフェースの一種です。

(*7)

DMAC(Direct Memory Access Controller)：CPUを介さず、直接、メモリや内部マクロのデータ転送をおこないます。

(*8)

INTC(Interrupt Controller)：CPUに対する割り込みレベルの管理をおこないます。

(*9)

etherMAC(ethernet Media Access Control)：ネットワークのアクセス制御をおこないます。

(*10)

FBGA(Fine-pitch Ball Grid Array)：ボールピッチ0.8mm以下の表面実装型パッケージの一種です。

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以上

関連リンク

• 製品写真 JPEG 109KB

プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。