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[ PRESS RELEASE ]
2003-0116
2003年6月17日
富士通株式会社
ITの新しい潮流に応え、ユビキタス時代を支える

IT基盤「TRIOLE(トリオーレ)」の強化について

〜事例分析・検証による高信頼システムパターンをPiテンプレートとして体系化〜
当社は、お客様のシステム構築のスピードアップ、徹底したシステムの信頼性向上、既存システムとの容易な統合などのニーズに応えるために、昨年2月にプラットフォームコンセプト「TRIOLE(トリオーレ)」を発表し、以来、全社を挙げた取り組みをおこなってまいりました。具体的には、
  • 徹底的に信頼性を追求した製品の開発・提供
  • お客様の既存資産を活かした最適なインテグレーションの実現
  • お客様システムの構築事例の分析・検証による高信頼システムのパターン化
を進めてまいりました。
今般、「TRIOLE」をIT基盤として位置づけ、今後継続して強化に取り組んでまいります。その最初の取り組みとして、豊富なシステム構築事例を分析し、システムパターンを抽出して得た信頼性の高いシステムパターンを「プラットフォームインテグレーションテンプレート(以下、Piテンプレート)」として検証し、ナレッジとして活用する仕組みを確立いたしました。さらに、新たにXMLデータの横断・高速検索の強化製品である「Interstage Shunsaku Data Manager(仮称)」や自律制御機能の強化製品である「Resource Coordinator(仮称)」などのミドルウェア製品をはじめとして、順次、「TRIOLE」に基づく製品を提供してまいります。

これからのユビキタス時代においては、ネットワークの一層の進展が個人のレベルにまで拡がるとともに、ITを活用したシステムの全てがネットワークでつながることで、社会インフラとなっていきます。こうしたオープンな社会環境下で、たとえば企業のお客様は、IT活用における「複雑化」「TCOの削減」といった課題に取り組みながら、環境の変化に迅速に対応していくことが求められています。

当社は、高信頼な製品の強化・開発と「Piテンプレート」の拡充の両面からIT基盤「TRIOLE」の強化を図ることで、スピーディな業務構築、システムの安定運用とTCO削減などのニーズにお応えし、お客様の最強のパートナーとして、変化への迅速な対応を求められるお客様の経営課題の解決に取り組んでまいります。

【IT基盤「TRIOLE」強化への取り組み】

  1. 「Piテンプレート」の体系化
    〜 豊富なシステム事例、インテグレーション力の強化 〜

    当社は、これまで、さまざまな業種にわたるオープン環境における多様なシステムの構築パターンを分析・抽出の上、その信頼性の検証を進めてまいりました。当社は、この結果得られた高信頼の組み合わせパターンを「Piテンプレート」として体系化しました。

    「Piテンプレート」は、信頼性や拡張性などを考慮しながら事前検証を済ませた、機能・役割別のビルディングブロック(図)であり、これを組み合わせることにより、自社製品のみならず他社製品も対象として、高品質なシステムを短期間に構築することができます。

図 「Piテンプレート」の例
図 「Piテンプレート」の例

お客様は、「Piテンプレート」により、オープン化の流れの中で、自己の既存資産を活かしつつ、整合性、信頼性、拡張性を備えたシステムをスピーディに構築することができ、「ビジネスの成長、拡大」「スピーディな業務構築」「システムの安定運用とTCO削減」という経営課題を解決することが可能となります。

「Piテンプレート」には、オープンな環境下でITシステムをインテグレーションしていくための技術とノウハウを集約されており、多くのお客様システムの構築実績を持つ"当社ならでは"のものです。

  1. 「Piセンター」の設立

    今回、新たに「Piセンター」を設立しました。同センターは、「Piテンプレート」の整備と検証を継続的に実施し、順次、その範囲を拡大してまいります。同センターは、当社の沼津工場(静岡県沼津市)内に設置し、ソフト・サービスビジネスグループ、プラットフォームビジネスグループが共同で、約200人体制で運営してまいります。

  1. 製品群の強化・拡充

    当社は、これまで、「TRIOLE」のコア技術理念である「自律」「仮想」「統合」に基づき、部品・装置レベル、製品レベル、さらにはシステム全体の連携という全てのレベルで、製品の拡充と強化をおこなってまいりました。

    今後とも、インテグレーションに対するお客様のニーズにお応えするミドルウェア群の強化、ソフトウェアとハードウェアが今まで以上に連携して自律的に動作する機能の強化など、より高い性能、より高い信頼性に向けたIT基盤「TRIOLE」の強化・拡充をおこない、お客様の「ビジネスの成長、拡大」・「スピーディな業務構築」・「システムの安定運用とTCO削減」という経営課題にお応えしてまいります。

<<「TRIOLE」に関連するこれまでの主たる発表>>

サーバ
グローバルサーバ
「GS21」
3500倍の性能レンジをカバーするフルラインアップ完成 (2003年5月)
UNIXサーバ
「PRIMEPOWER」
SAP標準ベンチマークテストで最高性能 (2003年5月)
メインフレームと同等の信頼性を実現するRAS(Reliability, Availability and Serviceability)技術搭載の新ミッドレンジモデルのグローバル提供(2003年5月)
IAサーバ
「PRIMERGY」
高性能4Wayモデルの提供(2002年11月)2 CPU ブレードサーバの提供(業界最高水準の集積度の実現)(2003年2月)エントリモデル拡充 (2003年6月)
ストレージ
ストレージシステム
「ETERNUS」
ネットワークストレージサーバの提供(2002年2月)
自律バックアップ機能、高速修復機能搭載モデルの提供(2003年4月)
世界最高クラスのミッドレンジモデルの提供(2003年5月)
ネットワーク
ネットワークサーバ
「IPCOM」
業界最高性能のレイヤ7負荷分散、帯域制御機構搭載新モデルの提供(2003年2月)
IPネットワーク製品
「GeoStream」
ハイエンドIPアクセスルータの提供(2002年12月)
高性能ファイアウォール専用装置の提供(2003年1月)
ミッドレンジIPアクセスルータの提供(2003年5月)
ミドルウェア
オープンシステム構築フレームワーク
「B2.Sframework」
アプリケーションフレームワークとアプリケーション制御・運用機能の提供(2003年1月)
コラボラティブビジネスインテグレーション
「Interstage」
Webサービスを牽引する最新技術搭載版の提供(2002年6月)
「.NET」に対応(2002年10月)中小規模向けWebサービス強化(2003年1月)
コグノス社との提携によるBIソフトウェアの提供(2003年5月)
統合運用管理ソフトウェア
「Systemwalker」
マルチベンダ ストレージ管理強化(2002年7月)
Webサービスや仮想ネットワークなど新技術対応版の提供(2002年10月)
その他
Linuxソリューションの提供でレッドハット社と提携(2003年5月)

<<「TRIOLE」に関連する今後の発表予定(2003年度)>>

サーバ
ストレージ
ネットワーク
今後ますます加速する高速化や大容量化のニーズにお応えする新製品を、順次、提供していくとともに、ミドルウェアと連携した自律制御機能への強化対応など、より高い信頼性を実現してまいります。
ミドルウェアビジネスの成長・拡大に合わせてシステムを連携させ、全体として最適なITシステムへと発展させる、サービス統合とその高信頼化に向けた新製品を順次、提供してまいります。
  • XMLデータの横断・高速検索の強化製品(2003年度第2四半期)
    Interstage Shunsaku Data Manager(仮称)
  • ユビキタスサービス対応強化製品(2003年度第3四半期)
  • 自律制御機能の強化製品(2003年度第4四半期)
    Resource Coordinator(仮称)

(※当社の決算期は3月末日です。)

【カネボウ株式会社様のコメント】

化粧品事業本部における競争優位獲得のために残された課題は、販売第一線のビューティーカウンセラー(BC)7000名に対し、如何にダイレクト且つタイムリーに販売活動に役に立つ情報(ナレッジ)を提供するかでした。そのためには、どのような端末機やネットワークでシステムを構築するかがポイントです。そこで、当社は、富士通のコンサルティング事業部と綿密な検討を行い、「TRIOLE」を採用することにいたしました。そして、「BCナレッジシステム」を構築いたしました。

本システムはユビキタス時代を見据えた「モバイルナレッジ」の先駆的なシステムとして評価を頂いておりますが、「TRIOLE」を採用したおかげで、開発から7ヶ月で予定通りカットオーバーすることができ、今では、店頭売り上げ拡大に不可欠のシステムです。今後は、蓄積されたナレッジ(コンテンツ)をさらに高度に活用するシステムの構築に邁進します。そのためにも「TRIOLE」への期待はより一層増しています。

(カネボウ株式会社 経営企画室 企画担当補佐 化粧品事業本部 化粧品システム室長 吉田 英一)

【松下電工インフォメーションシステムズ株式会社様のコメント】

当社は、業務アプリケーションの開発/提供をビジネスとしており、開発期間の短縮と自社のシステム資産の再利用が大きな課題でした。特に既存のシステム資産はCOBOLで開発されたものが多く、それを今後のオープンシステム向け業務アプリケーション開発に活用できる開発フレームワークを探していたところ、「TRIOLE」の「B2.Sframework」に出会うことができました。当社の戦略商品である卸業向け販売管理パッケージ「MetaForce」の開発では、従来9ヶ月かかるパッケージ開発を6ヶ月に短縮する効果をあげることができ、今後も開発基盤として「B2.Sframework」を活用していきたいと考えています。

(松下電工インフォメーションシステムズ株式会社 取締役 砺田 勉)

【日本オラクル株式会社様のコメント】

日本オラクルは「TRIOLE」の強化発表を歓迎いたします。 日本オラクルと富士通の両社では、富士通の「Piテンプレート」に「Oracle9i Database」を組み込むことによって、従来以上に信頼性の高いプラットフォームがご提供可能となりました。両社は共同での検証作業をすでに実施しております。こうした互いの技術協業を強化しながら、従来以上に信頼性の高いプラットフォームをご提供しつづけてまいります。今後も「TRIOLE」を推進しながら、両社のパートナーシップを拡充してまいります。

(日本オラクル株式会社 代表取締役社長 最高経営責任者 新宅 正明)

【ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社様のコメント】

富士通の強固なIT基盤「TRIOLE」の構成要素の一つとして、当社がSANインターコネクト市場のトップベンダーとして培った先進的なSANソリューションが含まれている事を嬉しく、かつ誇りに思います。今後もSANビジネスの拡大に注力すると共に、富士通の「TRIOLE」強化の取り組みにつきましても、さらに高度なソリューションを提供するべく、最善の協業を進めてまいります。

(ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社 代表取締役社長 松島 努)

【マイクロソフト株式会社様のコメント】

マイクロソフトは、「TRIOLE」の強化を歓迎いたします。富士通の「TRIOLE」強化の取り組みに合わせて、マイクロソフトはWindowsベースシステムの設計・構築・検証を適切に行うためのプログラム「Microsoft Systems Architecture (MSA)」などを通じて連携を強化していきます。また、将来的にはDynamic Systems Initiative(DSI構想)をベースに次期基幹サーバでのミッションクリティカルなプラットフォームの実現を支援していきます。両社の協調によりお客様にはビジネスに価値をもたらす低コストで信頼性の高いプラットフォームを提供できると確信いたします。

(マイクロソフト株式会社 取締役 エンタープライズビジネス担当 平井 康文)

【レッドハット株式会社様のコメント】

レッドハット株式会社は、富士通のIT基盤「TRIOLE」の強化に関する発表を歓迎します。両社は、レッドハットの企業向けLinuxプラットフォームである「Red Hat Enterprise Linux」によるミッションクリティカルなLinuxソリューションの強化に向けグローバルに提携しています。

今回、Linuxが「Piテンプレート」に組み込まれることで、お客様により高信頼なLinuxシステムの提供が可能となり、Linuxのミッションクリティカルシステムへの採用が加速するものと確信しております。

(レッドハット株式会社 代表取締役 平野 正信)

以上

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