[ PRESS RELEASE ] (技術) |
2003-0093
2003年5月14日
フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ・インコーポレイテッド
株式会社富士通研究所
富士通株式会社 |
世界初、10ギガビットイーサネットスイッチ
12ポートの1チップ化を実現
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フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ・インコーポレイテッド(*1)(以下、FLA)、株式会社富士通研究所(*2)(以下、富士通研究所)、富士通株式会社(以下、富士通)は、世界で初めて、12ポートの10ギガビットイーサネットスイッチを1チップ化することに成功しました。
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今回開発した技術により、従来、サーバ間やサーバ・ストレージ間を10ギガビットで接続するのに必要だった大型スイッチ装置がワンボードで実装できるようになり、システム全体の高密度化と低コスト化を促進することが可能となります。
本技術の詳細は、8月に米国パロアルト市で開催されるHot Chips 15国際会議(A Symposium on High Performance Chips 15)で発表する予定です。
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【開発の背景】
高速サーバや大容量ストレージをネットワークで接続して柔軟で信頼性の高いシステムを構築するために、高性能で汎用性のあるインターコネクトが強く求められています。しかし、従来の10ギガビットイーサネットスイッチは、広域ネットワーク用の大規模な装置であり、物理的なサイズやスイッチ遅延時間が大きく、かつ高価でした。そのため、ブレードサーバやサーバ・ストレージ間を接続するクラスタシステムには向いていません。このことから、ブレードサーバやサーバ・ストレージ間をつなぐ、小型・低コストで、遅延時間も小さな、10ギガビットイーサネットスイッチの開発が望まれていました。
【課題】
従来の10ギガビットイーサネットスイッチは、幅広い機能をサポートするために、小型化、低コスト化が困難でした。そこで、サーバ・ストレージ向けにインターコネクトに求められる広い帯域幅、小さな遅延時間を満たしながら、小型化、低コスト化を実現する必要がありました。
【開発した技術】
今回、12ポートの10ギガビットイーサスイッチを1チップに集積化(図1)する技術を開発しました。その技術的特長は、以下の通りです。
- 12ポートの10ギガビットイーサネットスイッチを1チップに集積
レイヤ2でのスイッチング(*3)を基本機能にするとともに、共有メモリとクロスバーの構成方式・制御方式を見直すことで、スイッチング処理に必要な高速バッファメモリや高速I/Oマクロを含め、12個の10ギガビットイーサネットポートを1チップ(チップサイズ:256平方ミリメートル)に集積しました。
- 240ギガビット毎秒の高い帯域幅を実現
チップ上の複数のメモリブロックを効率良く利用して高速大容量で多ポートの共有メモリをチップ上に実現する新たな方式(Multi-port Stream Memory)を開発しました。この高性能共有メモリにより、10ギガビットイーサネットポート12個が、読み出しと書きこみの2つの動作を同時に実行できる240ギガビット毎秒の高いバンド幅を実現しました。
- 遅延時間を大幅に低減させるメモリ制御方式を開発
到着したパケットを短い遅延時間で出力側に送るために、共有メモリの新しいスケジューリング制御方式を開発しました。このことによって、従来、数マイクロ秒以上かかったスイッチの遅延時間を、450ナノ秒と従来の4分の1以下にすることに成功しました。
10ギガビットイーサネットスイッチを1チップ化するためには、大規模な高速デジタル回路と高速アナログ回路を混在可能とするLSI設計技術が必要です。FLA、富士通研究所、富士通が持つ高速I/O回路、チップ統合、実装の技術を集約することで今回の開発は可能になりました。
今後は、大規模なサーバなどをより低コストで構築するために、電気信号で10ギガイーサネットの信号を20メートル以上伝送するI/O回路を搭載した性能強化版スイッチチップの開発も引続きおこないます。
本スイッチチップは今年中の製品化をめざし、さらに、その応用システム(図2)として、次世代クラスタシステム、高性能サーバ、IPストレージスイッチの開発を加速してまいります。
なお、本スイッチチップの開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の一部助成(テーマ名:高信頼・低消費電力サーバの研究開発)を受けておこないました。
図1 10ギガビットイーサネットスイッチ構成図
図2 10ギガビットイーサネットスイッチの応用システム例
【フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ・インコーポレイテッドについて】
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フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ・インコーポレイテッドは、富士通研究所の100%子会社で、先進的なVLSI CADやインターネット、インターコネクトなどに関係する研究をおこなっています。オープンな環境で研究を行っており、世界の研究活動とIT産業に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州サニーベール市にあります。詳細は、http://www.fla.fujitsu.com/ をご覧ください。
以 上
- (*1)フジツウ・ラボラトリーズ・オブ・アメリカ
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社長:林弘、本社:米国カリフォルニア州サニーベール市
- (*2)株式会社富士通研究所
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社長:藤崎道雄、本社:川崎市
- (*3)レイヤ2でのスイッチング
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データリンク・レイヤ(レイヤ2)のアドレス情報を用いたスイッチング
関連リンク
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