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並列コンピュータを10倍以上速くするソフトウェアの開発に成功−経済産業省ミレニアムプロジェクトの成果−当社は、「アドバンスト並列化コンパイラ技術」プロジェクト(プロジェクトリーダ:早稲田大学理工学部 笠原博徳教授)に参加し、最新の並列コンピュータを10倍以上高速化するソフトウェア(並列化コンパイラ)の共同開発に成功しました。 この成果は、並列コンピュータハードウエアは現在のままで3〜4年後の並列コンピュータの性能を得ることに相当します。これにより並列コンピュータを利用する地球環境などの科学技術分野の研究開発の促進が期待されます。 本プロジェクト成果の詳細は、3月20日に早稲田大学理工学部にて開催されるAPC2003アドバンスト並列化コンパイラ技術国際シンポジウムにおいて発表します。 【開発の背景】「アドバンスト並列化コンパイラ技術」プロジェクトは、デスクトップワークステーションから超高性能コンピュータまで広く採用されている並列コンピュータの性能を大幅に向上させることを目的に、日本情報処理開発協会(JIPDEC)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託をうけ、2000年度より3年計画で産学官連携(早稲田大学、(株)日立製作所、産業技術総合研究所、富士通(株))により世界最先端のソフトウェア技術(並列化コンパイラ)(*1)の研究開発を進めてまいりました。 【開発した技術】今回、本プロジェクトで開発した並列化コンパイラは、最新並列コンピュータ(*2)の処理速度を最大10.7倍(*3)、平均3.5倍(*4)向上させる等、プロジェクトの研究目標を大幅に上回る性能を達成しました。 この成果は、並列コンピュータハードウエアは現在のままで、3〜4年後の並列コンピュータの性能を得ることに相当します。これにより、並列コンピュータを利用している各種科学技術分野(例えば、地球環境、遺伝子解析、創薬、金融工学、自動車設計、航空宇宙開発等)の研究者・技術者は、従来問題になっていた難しい並列処理プログラムの作成に時間を割く必要が無くなるため、これらの分野の研究開発を促進させることができます。 さらに、今後チップマルチプロセッサの導入が予測される次世代携帯電話、ゲーム、PDA等のようなIT分野においても、製品開発期間の短縮、価格性能比向上、低消費電力化等を可能にします。 今回、当社が開発したのは、一部のプロセッサとのみの同期で並列実行可能となる「パイプライン並列化技術」および並列性の増大、データのローカリティ(局所性)向上を同時に満たす「並列性自動抽出技術」です。 これらの特長は、以下の通りです。
これらの技術は、飛行機の設計などに使われる流体力学の計算プログラム(*5)の性能向上に主に貢献しました。 今後は、この技術の実用化を進め、2004年度から順次製品化する予定です。 【用語解説および注釈】
以 上 関連リンク
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