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[ PRESS RELEASE ]
2003-0040
平成15年2月24日
株式会社富士通研究所

企業と家庭の間をIP電話で安全に接続!
VoIPセキュアゲートウェイ技術を開発

株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、ファイアウォールで守られた企業などのイントラネット内のIP電話(*1)と、一般家庭などで契約されたインターネット上のIP電話との間で、ファイアウォールの安全性を低下させることなく、相互に発着信を可能とするVoIP(Voice over IP)セキュアゲートウェイ技術を開発いたしました。

今回開発した技術を用いると、これまでネットワークの安全性に問題を与えるため実現が困難であった、イントラネットとインターネット間のIP電話の利用が可能になります。また、最近増加しているインターネットを活用したお客様問い合わせ窓口(インターネットコールセンタ)でのテレビ電話を使ったサポートなど、IP電話による充実したサービスも容易に実現できるようになります。

【開発の背景】

近年のブロードバンド・インターネットの普及に伴って、通信業者(キャリア)やISP(Internet Service Provider)のIP電話サービスや、企業内イントラネットにおける構内IP電話交換システム(IP-PBX *2)などによる、単一ネットワーク内でのIP電話の導入が始まっています。

しかし、企業のイントラネット内のIP電話と、キャリアやISPのIP電話との相互接続はほとんど実施されていません。これは、インターネットからの不正なアクセスによるデータ漏洩や改ざん、システムダウンなどを防ぐために設置されている企業のファイアウォールが、IP電話に採用されている標準的なVoIPプロトコルによる接続を制限しているためです。

IP電話を通常の電話のように使用するには、このファイアウォールをまたいだIP電話を安全に実現する技術が必要不可欠でした。

【開発した技術】

今回開発したのは、ファイアウォールの安全性を低下させることなく、イントラネットとインターネット間でIP電話を接続する「コネクション制御」技術と、ファイアウォールをまたいで送受信されるデータ通信の安全性を高めるための「メタIP電話プロトコル」からなるVoIPセキュアゲートウェイ技術です。

さらに、本技術は、イントラネットとインターネットにおいて、H.323(*3)やSIP(*4)といったVoIPプロトコルが異なる場合や、IPv4/IPv6といったIPプロトコルバージョン(*5)が異なる場合にも適用可能です。

開発した技術の特長は、以下の通りです。


  1. 中継ポイントによる「コネクション制御」で安全性を維持
    イントラネットとインターネットの間のDMZ(De-Militarized Zone:非武装地帯)に中継ポイントを設置し、そこでTCPを使った接続のみを行う「コネクション制御」を行っています。そのため、インターネット側からのコネクションの確立が不要になり、ファイアウォールの安全性を低下させることなく、安全なIP電話接続を可能にしています。
  2. 「メタIP電話プロトコル」を用いた安全なファイアウォール越え
    イントラネットとインターネットそれぞれのIP電話プロトコルを、ファイアウォールをまたいで置いた中継ポイントで、「メタIP電話プロトコル」に変換し、特定パケットのみを送受信することで安全性を強化しています。

以上の技術を用いることによって、インターネットのIP電話からイントラネットのIP電話に接続する場合は、まず、インターネット中継ポイントに接続し、そこで「メタIP電話プロトコル」に変換し、ファイアウォールをまたぐ中継ポイント間の安全なコネクションを通じて、データを送信します。送られたデータを、イントラネット中継ポイントにてIP電話プロトコルとして再構築し、イントラネット内のIP電話に発信することで、ファイアウォールを介した安全なVoIPによる通信を実現しています。(図参照)

この技術によって、キャリアやISPのIP電話と企業などのIP-PBXによる内線IP電話間の安全な通信が可能となり、IP電話化の促進に寄与できます。また、お客様からコールセンタ内まで全てのやりとりをIPで実現するインターネットコールセンタにも適用可能です。

今後は、本技術の実用化を進め、 2003年中に製品化する予定です。

【用語解説】

*1 IP電話
VoIP技術によって、インターネットなどのIPネットワーク上で実現された電話サービスのことです。
*2 構内IP電話交換システム(IP-PBX)
従来の回線交換による私設構内交換機(PBX)と同様な機能を、IPネットワーク上でIP電話機などを使用して提供する電話システムのことです。
*3 H.323
ITU-T(International Telecommunication Union- Telecommunication Standardization Sector)で標準化された、IPネットワーク上でマルチメディアセッションを確立・変更・終了するための、アプリケーション層の発着信(シグナリング)プロトコルで、一般の電話器を用いた場合の電話呼び出しの手続きに相当します。
*4 SIP (Session Initiation Protocol)
IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化された、IPネットワーク上でマルチメディアセッションを確立・変更・終了するための、アプリケーション層の発着信(シグナリング)プロトコルで、H.323一般の電話器を用いた場合の電話呼び出しの手続きに相当します。
*5 IPv4/IPv6といったIPプロトコルバージョン
IPプロトコルのバージョンには、通常広く使用されている32bitのアドレス空間を持つバージョン4、および、将来的なアドレスの枯渇に備えた128bitのアドレス空間を持つバージョン6があります。

【商標について】

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以 上

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