[ PRESS RELEASE ] |
2003-0004
平成15年1月7日
富士通株式会社 |
アイピーフレックス株式会社への出資について
〜 ダイナミック・リコンフィギュラブルLSI事業を推進 〜
当社はこのほど、アイピーフレックス株式会社(以下、IPFlex社)に出資を行い、いくつもの機能を瞬時に切り替えられるダイナミック・リコンフィギュラブルLSIの事業を、IPFlex社と協調して推進します。
当LSIは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit、*1)やFPGA(Field Programmable Gate Array、*2)、DSP(Digital Signal Processor、*3) を代替する新しいコンセプトのLSIとして、今後、携帯電子機器やネットワーク・通信デジタル機器などユビキタス・インフラストラクチャへの応用が見込まれます。
近年、ロジックLSIの開発の焦点は、トランジスタの集積競争から、多様化し頻繁にうまれてくる標準規格・仕様類をいかに柔軟に集積できるかに移っています。LSIに求められる規格は、設計中も出荷後も変わるため、LSIの性能や価値を維持するには、柔軟さ(*4)がより重要になっています。この課題に応えるのが、柔軟性と専用チップ並みの高い性能を両立するダイナミック・リコンフィギュラブルLSIです。
当社は、当LSIを実現するために必要なコア技術を有するIPFlex社に対し、これまでも開発や製造で協力してきました。今回の出資により、より強力な開発協業体制を確立します。当社は、技術ライセンス、LSIの製造権および販売権を得て、新世代SoC(System On a Chip)ASICソリューションを提供し、当社製品とのシナジーも拡大します。
当社の高集積半導体技術と営業力、IPFlex社のコア技術とベンチャーの機動性を活かし、技術実用化を加速します。商品については、IPFlex社の汎用リコンフィギュラブルLSIに加え、当社のカスタムリコンフィギュラブルLSIとして展開してまいります。
- 新世代SoC(System On a Chip)ASICソリューションの提供
- 新しいLSIコア技術をSoCに集積することで、専用チップ並みの高性能を発揮しながら、機能変更や新サービス対応が可能な商品を提供します。
- ASICチップやハードIP(*5)の代替として、より設計が容易で将来にわたりメンテナンスの問題がない高性能ソフトIP(*6)を提供します。
- システムデザインサービスから量産ASICまでつながるキーデバイスとなります。
- 当社プロセッサとの組み合わせによるシナジー効果
- 当社プロセッサ(FR-V、ARMなど)との組み合わせで、これまでの設計資産を活かしながら、より高い性能と柔軟性を発揮します。
【アイピーフレックス株式会社について】
社名 | : | アイピーフレックス株式会社 |
代表者 | : | 中井 純(代表取締役社長、CEO) |
設立 | : | 平成12年3月 |
資本金 | : | 6億3,131.5万円 |
事業概要 | : | リコンフィギュラブル・プロセッサLSIの開発、製造、販売 |
従業員数 | : | 33名(役員含まず) |
主要株主 | : | ドリームインキュベータ、オリックスキャピタル、他
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【用語説明】
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- *1:ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
- 特定顧客、用途向けに設計・製造するICです。
- *2:FPGA(Field Programmable Gate Array)
- 設計者の手元で書き換え可能なASICです。
- *3:DSP(Digital Signal Processor)
- デジタル演算専用に高速化した特殊なプロセッサです。
- *4:柔軟さ
- マスクコストやリスクを伴わずに、素早い設計のやり直しが可能。お客様にてプログラム変更が可能であり、出荷後も機能拡張・陳腐化防止が可能。FPGAに比べ高速で、かつ機能の多重化が可能なため効果的なコストダウンが可能です。
- *5:ハードIP
- 機能ブロックをレイアウトまで固定化し、低コスト・高性能に実現したものです。ただし、ウェーハ・プロセスが変わるたびに設計から作り直しが必要です。
- *6:ソフトIP
- 機能ブロックを、アルゴリズムや機能記述などで持ったものです。
【商標について】
- 記載されている会社名・製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以 上
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
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