[ PRESS RELEASE ] |
2002-0275
平成14年11月28日
富士通株式会社
富士通化成株式会社
株式会社富士通研究所 |
業界初、自社回収したパソコンの筐体樹脂をノートパソコンに再生利用
〜プラスチック部品のリサイクルを進め、パソコンのさらなるグリーン化を推進〜
富士通株式会社と富士通化成株式会社(社長:幅田尚嗣、本社:横浜市)、株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、ABS樹脂事業を展開する大手材料メーカUMG ABS株式会社(社長:宮本利雄 本社:東京都中央区)と共同で、回収した使用済みパソコンのボディ(筐体)に使用されているABS樹脂(*1)を新しいパソコンの筐体材料として再利用する新しいリサイクルシステムを開発し、この再生材を2002年秋冬モデルのノートパソコン「FMV-BIBLO LOOX S」に適用しました。今後、一層の適用拡大を図り、資源再利用率(*2)の向上につなげてまいります。
2001年4月に施行された改正リサイクル法(*3)により、法人ユーザ様から排出される使用済みパソコンについては、製造事業者による回収、再資源化が義務づけられました。当社は同法施行に先立ち、1997年より全国5カ所のリサイクルセンターにおいて、使用済みパソコンの回収、解体、材料別の分類を行い、リサイクルを進めております。
これまでの再生樹脂は、回収品の品質のバラツキ(組成の差異、外観の汚れ、異物混入)などにより、成形性や色調、強度特性などを初期材料と同等にすることが難しく、そのまま新しいパソコンの筐体に活用(クローズドリサイクル)(*4)することは、出来ませんでした。そのため、回収樹脂は、他業界にて設備用品や日用雑貨などに再生するか、もしくは、サーマルリサイクル(*5)を行ってまいりました。
今回、新たに開発したリサイクルシステムは、クローズドリサイクルとオープンリサイクル(*6)を組み合わせたセミクローズドリサイクルシステムで、UMG ABS株式会社のご協力により達成いたしました。富士通リサイクルセンターが回収したリサイクル原資(クローズド材)とUMG ABS株式会社が調達したリサイクル原資(オープン材)、およびバージン材のブレンド・調整を行うことで、初期材料を使用した場合と比較して遜色のない性能を確保するとともに安定供給に成功したものです。これにより、お客様から回収した筐体樹脂を自社製品に再利用することで、樹脂素材の有効活用、ひいては資源再利用率の向上が可能になるものです。
富士通グループは、循環型社会形成に向け、最新の環境技術を積極的に活用し、IT分野のトップランナーとして、環境配慮を強化したグリーン製品の開発を推進してまいります。なお、本成果につきましてはエコプロダクツ2002(12/5〜7、東京ビッグサイト)において展示発表します。
【用語説明】
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- *1:ABS樹脂:
- ACRYLONITRILE(アクリロ二トリル)、BUTADIENE(ブタジエン)、STYRENE(スチレン)の3種類からなる共重合体であり、筐体によく使用される強度・品質等を高めたプラスチックです。
- *2:資源再利用率:
- 資源再利用率は、メーカー等におけるリユースや材料としての再利用に関する努力
をはかるため、分母を「リユース・リサイクルした製品の総重量」、分子を「中古再生
製品、部品(ユニット)として再利用されるもの及び鉄、銅、アルミ、貴金属、ガラ
ス類、プラスチック類等、材料として再利用されるものの重量」と定義された指標(社
団法人日本電子工業振興協会)です。リユースや材料としての再利用を優先的に推進
することが求められているため、サーマルリサイクルは、資源再利用率の分子から除
外されています。
- *3:改正リサイクル法
- 正式には、「資源の有効な利用の促進に関する法律」。2001年4月1日より施行され、より総合的な資源の有効利用を行い、循環型の経済システムを構築するため、企業な
どの事業者に対し、リデュース・リユース・リサイクル対策を義務づけています。
- *4:クローズドリサイクル
- パソコンの筐体から、再びパソコンの筐体へと材料をリサイクルするシステムです。使用済の製品の部品・素材を同種の製品の新品の部品・素材として再生利用するリサイクルのしくみです。
- *5:サーマルリサイクル:
- 廃プラスチックを燃焼し、プラスチックが持つ熱エネルギーを温水、蒸気、電力な
どの形で回収するシステムです。
- *6:オープンリサイクル
- 材料メーカーが独自にリサイクル原料を調達、再生材の製造、販売するリサイクル
のしくみです。
【UMG ABS株式会社 概要】
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- 社長 : 宮本利雄
- 本社 : 東京都中央区
- 設立 : 2002年4月
- 資本金 : 30億円
- 事業内容 : ABS樹脂事業
以 上
関連リンク
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