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世界初! 5GHz帯高速無線LAN用FBARフィルタの実用化に目処株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)と富士通メディアデバイス株式会社(社長:白川達男、本社:横浜市、以下FMD)は共同で、5ギガヘルツ(GHz)帯無線LAN通信システムなどに利用可能な、低損失で小型のFBARフィルタを世界で初めて開発いたしました。 これにより、2010年ごろにサービス開始が予定されている第4世代携帯電話システムへの応用が期待できるほか、すでに一部で開始されている5GHz帯無線LANシステムでのFBARフィルタの実用化に目処をつけました。 なお、本フィルタの詳細につきましては11月20日から開催されるマイクロウェーブ展2002(会場:国立京都国際会館)にて展示する予定です。 【開発の背景】近年、800〜2GHz帯の周波数を用いた携帯電話や、2.4GHz帯の周波数を使用した無線LANによるサービスが普及しつつあります。携帯電話や無線LAN機器の小型、高性能化には、富士通グループが販売しているSAWフィルタなどのノイズ除去を行うデバイスが大きく貢献しています。 SAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタは、圧電結晶から発生する表面弾性波を利用するフィルタで、すでに富士通グループでは、5GHz帯のSAWフィルタを開発しています。しかし、今後さらなるモバイル環境でのデータ通信の大容量化に備えて、より高性能で、低コスト、小型化が可能な新しいフィルタの開発が望まれていました。 【開発した内容】今回、IEEE802.11a(*1)に準拠した5GHz帯無線LAN用端末に最適なFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator: 圧電薄膜共振器)フィルタの設計、製作技術と低損失で小型なFBARフィルタを世界で初めて開発いたしました。 開発したフィルタは次のように作製します。まず、シリコンウェハ上に上下の電極に挟まれるように酸化亜鉛(ZnO)や窒化アルミニウム(AlN)などの圧電薄膜を形成し、シリコンウェハの裏面からDeep-RIE法(*2)によりキャビティを形成して(図1)、共振器を作ります(図2)。次に、この共振器をラダー型に接続してフィルタを構成します(図3)。 開発したFBARフィルタの特性を見ると、5.1GHzから5.4GHz帯において、良好な帯域特性を実現しました(図4)。さらに、インピーダンスの整合性を向上させる小型パッケージング技術を開発し、さらなる周波数特性の改善を実現しています。 このフィルタは弾性エネルギーがキャビティの中に閉じ込められるために、低損失化が期待でき、微細な電極パターンの形成が不要なため、約10GHzの周波数まで対応が可能となります。また、FBARフィルタの周波数は、電極と圧電薄膜の膜厚で決まるので、膜厚を調整することで、異なる周波数帯域にも利用可能です。 開発した技術の特長は以下の通りです。
今後は、さらなる特性改善を行い、2004年ごろの量産化をめざします。 【用語解説】
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