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世界初! IMT-2000システム用に高効率の送信増幅器を開発、実用化富士通株式会社と株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、第三世代移動通信(IMT-2000)システム用に、信号増幅時に生じる歪を補償しながら効率的に増幅する技術を開発し、この技術を用いた低消費電力の小型送信増幅器を開発いたしました。 今回開発した送信増幅器を用いると、IMT-2000システムの広帯域(*1)・高ダイナミックレンジの信号に対応する高効率の送信増幅器が実現でき、装置の大幅な小型化・低消費電力化が可能になります。 なお、本技術の詳細は、9月10日から宮崎大学で開催される電子情報通信学会2002年ソサイエティ大会にて発表する予定です。 【開発の背景】移動通信では、より高速なインターネット環境、高速データ伝送の重要性が高まっています。このため高速かつ柔軟なデータ伝送を可能とするCDMA(Code Division Multiple Access)技術(*2)を用いた第三世代移動通信システムが開発されました。CDMA技術のひとつであるW-CDMA方式は、すでに株式会社NTTドコモ(以下NTTドコモ)が、2001年10月から本格商用サービスを開始したFOMAで採用されています。 CDMA技術を用いるIMT-2000システム用の送信増幅器には、CDMAに特有の広帯域・高ダイナミックレンジの信号を低歪みで増幅する線形性と、装置の消費電力を低減するための高い電力効率(*3)が求められます。しかし一般的にこの二つは相反する特性であるため、できるだけ低消費電力かつ少ない歪で信号増幅が可能な歪補償技術が求められていました。 現在の無線基地局装置に用いられている送信増幅器には、フィードフォワード方式のアナログ技術による歪補償技術が用いられていますが、その電力効率は動作原理上の限界に近づきつつあり、新しい方式の新歪補償技術が求められていました。 【今回開発した技術】今回開発したのは、発生する歪の逆特性をあらかじめ加えておくことで歪補償を行うデジタルプリディストーション(Digital PreDistortion: DPD)方式に基づく新しい歪補償技術で、本技術を用いた歪補償LSIと高効率の送信増幅器も合わせて開発しました。 開発した送信増幅器を用いた実験の結果、IMT-2000システムに要求される各種の無線特性を満足しつつ、従来比約2倍という高い電力効率特性を達成できることを実証し、小型低消費電力の送信増幅器を実現いたしました。 本技術の特長は以下の通りです。
今後は、さらなる大容量化・高速化が必要となるIMT-2000システムにも適用し、モバイルインターネット環境をよりよくするための基礎技術として活用していく予定です。 なお、富士通では、開発した高効率送信増幅器について、2001年12月からプロトタイプをEvolium SAS(*4)へ出荷し、NTTドコモ向け無線基地局装置にはNTTドコモとの共同開発により2002年7月の製品から導入しております。
【用語解説および注釈】
【商標について】FOMAは株式会社NTTドコモの登録商標です。 その他記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。 以 上 プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。 |
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