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[ PRESS RELEASE ]
2002-0206
平成14年8月28日
株式会社富士通研究所

手のひらで高精度に個人を識別するマウス型認証装置を開発

マウス型認証装置を使用している図

株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、手のひらの静脈パターン(*1)を利用して、本人であることを高精度で認証できる個人認証技術を開発いたしました。実験の結果、約700名をすべて登録し、間違いなく識別(*2)することができました。さらに、本技術の適用例として、マウス型の認証装置も開発いたしました。

今回開発した技術を用いると、営業情報、人事情報、技術情報などの重要な情報の電子管理システムへのログイン認証を始めとするさまざまなソリューションに違和感なくバイオメトリクス認証(*3)技術を用いられるものと期待できます。

なお、本技術の詳細は、富士通株式会社が主催する公共ソリューションセミナ(9月4日、日本都市センター会館(千代田区平河町2-4-1))にて展示する予定です。

【開発の背景】

近年、e-Japan重点計画の推進や電子商取引などの普及にともない、申請者や取引相手が本人であることを確実に確認する重要性が高まり、偽造や成りすましが困難な人間の生体情報を利用する技術の導入が期待されています。 富士通グループでは、指紋、声紋、顔などのバイオメトリクス認証技術や、複数の異なる種類のバイオメトリクス認証技術を組み合わせるマルチバイオ認証システムを提供しております。各種のバイオメトリクス認証技術はそれぞれ特長が異なっており、さらに多くのソリューションを提供するために、指紋や声紋や顔の特長と異なる、高精度で、多くの人が登録でき、なりすましが困難なバイオメトリクス認証技術の開発が望まれていました。

【開発した技術】

今回開発したのは、手のひらの静脈パターンに基づいて個人を識別する技術と、この技術を用いたマウス型認証装置(図1)(*4)です。

個人の認証は次のようにして行います。まず、手のひらに近赤外線を照射すると、皮下組織中にある静脈部分だけが黒く映ることを利用して、手のひらの静脈画像を撮影します。つぎに、撮影した画像から当社独自の方式により静脈パターンを抽出し(図2)、得られた静脈パターンとあらかじめ登録しておいた静脈パターンを、同じく独自の方式で照合することにより、本人であることを確認します。

マウス型認証装置
図1 マウス型認証装置
近赤外線画像と整脈画像
図2 静脈パターン

実験の結果、約700名を完全登録、完全識別することができ、等価エラー率も0.5%以下を実現できる目処が立ちました。

本技術をマウス型装置に搭載したことによって、通常のマウス機能に加えてバイオメトリクス認証機能を利用でき、オフィス環境などでも違和感なく、容易に、高い精度で個人認証を行えるという効果が期待できます。また、開発した技術は、マウス型の他に壁設置型や携帯機器型なども可能で、幅広い応用が期待できます。

今後は、実用面、運用面での検討を重ね、次のようなさまざまなソリューションを提供していく予定です。

  • PCのログインやスクリーンロック解除におけるユーザ認証
  • 電子機器の使用許可者の認証
  • 電子決済システムにおける決裁者や承認者の認証
  • セキュリティのかかった部屋の入退室者の認証
  • 出退勤における本人認証

【用語解説または注釈】

*1 静脈パターン
静脈パターンには、次の特長があります。
  1. 胎内で定まったあと、大きさが変化する以外、生涯不変です。
  2. 一人一人異なり、右手と左手でも異なります。双子も区別できます。
  3. 体の中にある情報なので、盗まれません。
*2 約700名を間違いなく識別
識別性能は、統計的に、本人であるにも関わらず本人でないと識別してしまう率(本人棄却エラー率)と、他人であるにも関わらず、本人であると識別してしまう率(他人受入エラー率)が等しくなる等価エラー率が0.5%以下です。これは、およそ200回に1回の割合でエラーが起こる確率に相当します。
*3 バイオメトリクス認証
バイオメトリクス認証は人間の身体的特徴や行動的特徴に基づいて個人を識別し、本人を確認する技術です。
*4 マウス型装置
本装置の中には、マウス機能のほかに、画像を撮影するための素子と近赤外線を照射する照明部品を備え、手のひらが接触する部分に設けた窓から静脈を撮影します。近赤外照明部品の光量は、たとえ中を覗いたとしても安全なレベルになっています。

以 上

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