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[ PRESS RELEASE ] 平成14年8月1日
韓国電子通信研究院
Soongsil University
WIDEプロジェクト
株式会社富士通研究所

XCAST6を用いた韓国と日本間の相互接続実験に成功


韓国電子通信研究院(通称 ETRI、President: Gil Rok Oh、所在地:韓国太田市)、Soongsil University(President: Joong Lee、所在地:韓国ソウル)、WIDEプロジェクト(代表 慶應義塾大学環境情報学部教授 SFC研究所長 村井純(*1))、株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、7月15日、XCAST6(Explicit Multicast on IPv6、エックスキャスト)を用い、韓国と日本を相互接続する実験に成功いたしました。

XCAST6は次世代ネットワークIPv6(*2)のキラーアプリケーションとして期待されている、多地点ビデオ会議、ネットワークゲームなどのプライベートなデータストリーミングに適した新しいマルチキャストプロトコルです。IBM、Alcatelと富士通研究所が共同で、2000年にIETF(*3)に標準化提案(XCAST6コアプロトコル関連Internet-Draft(*4))しています。このプロトコルを用いるユーザは、簡単な操作で気に入った仲間同士で気軽に通信できるようになります。

【XCAST技術】
従来のマルチキャストは、データの配送経路上にある全てのルータに配送する経路の情報を置く必要があるため、受信者が少なく、しかもインターネット上に点在するような場合には、非効率でした。さらに、配送経路は、非常に複雑で、しかも時間とともに変動するため、経路を常に正しく保っておくのには大きな負担がかかっていました。
XCASTは、従来のマルチキャストの弱点を補うために開発した次世代のマルチキャスト技術です。XCASTでは、電子メールにおけるメールアドレス複数指定方式(通称 カーボンコピー Cc:)のように、送信者は送りたい全ての宛先リストをIPヘッダの一部に入れて発信します。経路途中にあるルータは、リスト中の個々の宛先を調べ、宛先が同一経路方向の物を同じパケットにして送ります。宛先が異なる場合は適宜複製を行いながら転送します。

【実験の概要】
今回の実験概要は、以下の通りです。

1. 実験の目的
韓国と日本の複数の先端的研究グループが、種々のプラットフォーム上に独自に実装したXCAST6とビデオ会議アプリケーションを、IPv6ネットワークを用いて接続し、XCAST6仕様の妥当性を検証するとともに、XCAST6プロトコルの実用性をアピールすることを目的としています。

今回接続を確認した、XCAST6実装のプロトコルスタックとライブラリの作成元は以下の通りです。
今回の実験には、以下のビデオ/オーディオアプリケーションを利用しました。
  • Vic: Video Conference tool
  • RAT: Robust Audio tool

2. 接続実験に参加した組織と団体
今回の実験では、韓国と日本に分散している10以上の協力組織や個人で仮想的なネットワークビデオ会議を開催するという想定での実証実験を行いました。実験に参加する拠点間はIPv6ネットワークで結合されています。

今回の実験で接続された、組織および団体は以下の通りです。(敬称略/順不同)

3. 実験システムの概要
実験システムは、複数の学術ネットワークと商用サービスのためのテストベッドをユニキャスト経路制御で接続し、通常のIPv6ネットワークに非常に近い環境で行いました。特にマルチキャストのための特別な設定は行っていません。
IPv6とXCAST6のオープン性、マルチプラットフォーム性が発揮できるよう、ネットワークに接続される端末は、2種類のOSプラットフォーム(Linux、NetBSD)と、2種類のハードウェアアーキテクチャ(Intel x86および、PowerPC)を組み合わせ、さらに接続ネットワークもADSL, CATV, FTTHなどの非専用線のアクセス回線から、ギガビットイーサネット(GbE)のMAN(Metropolitan Area Network)や学術ATM高速網などさまざまなネットワークを接続しました。

今回の実験では、インターネットを経由して以下のネットワークを接続しています。

相互接続実験の結果は、XCAST開発コミュニティとIETFにInternet Draftとして提出する予定です。また、各々のXCASTの実装は、開発元からオープンソースとして提供され、誰でもダウンロードして試すことが可能になります。


【用語解説】

*1    WIDEプロジェクト
慶應義塾大学の村井純教授らが1988年に創始した、オペレーティングシステム技術や通信技術を基盤とした新しいコンピュータ環境の確立をめざす研究プロジェクト。
*2    IPv6
Internet Protocol Version 6。IETFが標準化を推進している新しい通信プロトコル。アドレス数の128ビット化(現在のIPv4は、32ビット)による飛躍的増大、パケットヘッダの簡素化、セキュリティ機能の追加などの特長により、新しい通信基盤を創成します。
*3    IETF
IETF<http://www.ietf.org/>は、インターネットプロトコルの標準化を推進するオープンな国際組織。提案文書であるInternet Draftをもとに、メーリングリストや会議を通して、誰もが自由にインターネットの標準化作業に参加できます。
*4    XCAST6コアプロトコル関連Internet-Draft

以 上


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