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[ PRESS RELEASE ] 2002-0175
平成14年7月15日
株式会社富士通研究所

世界初! 高精細集中型ディザパターンの自動生成技術を開発


株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、モノクロやカラー画像を印刷する際に用いる高精細集中型ディザパターン(*1)をコンピュータで自動生成する技術を、世界で初めて開発いたしました。
本技術を用いて自動生成したディザパターンを用いれば、これまでと同等の印刷製版およびプリンタで、モアレ縞(*2)の少ない高画質の印刷が可能になります。
本技術の詳細を印刷製版の国際学会であるTAGA2002Asheville(会期:2002年4月14日〜17日、場所:Asheville, North Carolina, U.S.A.)にて発表し、日本からの発表としては同学会で初めて「Certificate of Appreciation」を受賞いたしました。

【開発の背景】
画像を印刷する際には、各色成分の強度(明るさ)を、印刷に使用するイエロー、シアン、ブラック、マゼンタなどの色材(*3)の記録する面積に変換する必要があります。この変換に際しては、変換の対応関係を示すディザパターンが用いられますが、画像によっては、モアレ縞が生じ、画質が落ちる原因となっています。そこで、製版会社などの高性能な印刷分野では、高精細な出力を実現するためのディザパターンを、経験を持った人が試行錯誤的に作成し、モアレ縞が生じないようなパターンを使って印刷していました。しかし、これらの製版会社は高精細ディザパターンの作成ノウハウを極秘としているため、ノウハウを持たない印刷会社やプリンタメーカは公開されている性能の低いディザパターンを使用せざるを得ませんでした。

【開発した技術】
この問題を解決するために、計算幾何学を利用して、集中型ディザパターンを自動生成する技術を開発しました。コンピュータを使って、ノウハウが無くても高精細なディザパターンを作成可能です。1個のディザパターンの生成に必要な時間は数秒と極めて短時間です。

1. 繰り返し形状を算出
集中型ディザパターンを作成するためには、まず二次元的に並べることで平面を完全に埋め尽くすことができる「繰り返し形状」を算出する必要があります。これを計算幾何学の定理を応用したアルゴリズムを用いて、プリンタの分解能に適した、設計条件の出力線数(*4)、ディザ角度(*5)を満足する形状を求めます。

2. 繰り返し形状内の画素に色材を記録させる順番を算出
得られた繰り返し形状内の各画素に対し、色材を記録させる順番を以下のように計算機で決定します。

(1)繰り返し形状の重心からその周辺に向かうように順番付けします。
色材の記録面積がしだいに広がるようになるので、色材の定着性が向上します。
(2)色材を記録する形状を、重心に関してできるだけ対称となるように順番付けします。
こうすることで、モアレのない印刷を実現できます。
(3)色材が記録される形状の周囲長を最小とするように順番付けします。
これにより、温度、湿度などによる色材の記録ムラを抑えて、色再現性を向上させます。

開発技術を用いて生成した繰り返し形状の例を図1に示します。この形状で空間を二次元的に隙間無く、埋め尽くしていることがわかります。記録する濃度に応じて、数字の1から順に色材を記録し、18諧調、ディザ角度14.01°を実現しています。この繰り返し形状は、分解能600dpiのプリンタで、出力線数146lpiを実現する際に使用します。図2は分解能が1200dpiのプリンタ用ディザパターンです。プリンタの分解能が上がると繰り返し形状内の画素数が飛躍的に多くなり、形状も複雑になるため、計算機を用いる必要があります。このディザパターンは、これまで使用されたどのディザパターンよりも15°に近いため、カラープリンタの画質を大きく向上させることが可能になります。図2のディザパターンは現在特許申請中です。

図1 繰り返し形状の例図2 本技術で作成した集中型ディザパターンの例
図1図2
(クリックすると拡大表示されます)

【開発技術の効果】
本技術を用いると、プリンタの設計仕様に応じて、複数のディザパターンを生成し、最適なディザパターンを選択することで、どのプリンタでも機種に応じた高精細な印刷が実現できるようになります。
さらに開発した技術は、分解能1200dpi以上の高精細デジタル印刷でも効果を発揮するため、学会発表を通じ、印刷業界でも話題になっています。

【用語解説または注釈】

*1 集中型ディザパターン
一般に,ディザパターンには色材を記録する画素を特定の場所に集中させる「集中型」と分散させる「分散型」があります。後者はインキジェットプリンタに使用されます。例えば電子写真プリンタの場合には,色材の記録する面積が広ければ広いほど,色材の定着が安定するという特性があります。このような特性を持つプリンタに対して集中型ディザパターンを使うと,色材が良く記録されるため,画質が向上します。
集中型ディザパターンは,1)繰り返し形状を算出,2) 繰り返し形状内の画素に色材を記録させる順番を算出,という工程で計算します。そのため,わかりやすいように,繰り返し形状内に順番がついたものをディザパターンと呼んで,繰り返し形状とは区別しています。

*2 モアレ縞
印刷、プリンタでは、一般に一定間隔で一定方向に並べたイエロー、シアン、ブラック、マゼンタの各色材を重ねることで画像を表現しています。しかし、4種類の点の配置に配慮しないと、画像とは無関係の、これらの配置特有の模様が生じ、画質が低下します。このように画質低下を引き起こす原因となる、画像にはない模様をモアレといいます。

*3 色材
色を発色させるために、紙などの上に載せる材料。通常、印刷ではインキのことで、電子写真プリンタではトナーのことです。

*4 出力線数[単位:lpi(line per inch)]
印刷機、プリンタで用いる色材の記録間隔を表す単位。画像を印刷する際には、ディザを一定間隔で並べることが習慣となっています。この時の、ディザの並ぶ間隔、つまり1インチあたりの記録された色材の点の数を出力線数といいます。印刷に関しては、日本では175lpiが一般的です。

*5 ディザ角度
印刷機、プリンタで用いる色材の方向を表す角度。画像を印刷する際には、ディザを一定方向に並べることが習慣となっています。この時の、ディザの並ぶ角度、つまり色材の点の並ぶ方向のことをディザ角度といいます。印刷では、これを特に網点角度と言い、イエロー:0°,シアン:15°,ブラック:45°,マゼンタ75°を使用します。

【商標について】
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以 上


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。

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