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[ PRESS RELEASE ] 2002-0130
平成14年6月5日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

世界初、環境負荷の少ない「生分解性プラスチック」部品をノートパソコンに採用

〜植物系素材活用により、「環境」と「石油資源の消費削減」に貢献〜

富士通株式会社と株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は共同で、地球環境への負荷が少ない、植物系素材を活用した「生分解性プラスチック」をノートパソコンの筐体部品に採用する技術を世界で初めて開発いたしました。今般、本技術を当社製PC「FMV-BIBLO NB」の部品の一部に採用し、今後、2004年度には筐体全体に適用を拡大する予定です。

近年、世界的に家電品やパソコン等の電子機器の環境配慮が求められるようになり、日本国内でも、グリーン購入法(*1)、改正リサイクル法(*2)、PRTR法(*3)等、環境関連法規の整備がなされています。このためマグネシウムやプラスチックで出来ているノートパソコンの筐体についても、そのリサイクルシステムの構築が積極的に進められていますが、現状では、その対象からもれ、廃棄物となるものを根絶することは困難です。 また一般に、プラスチックは、資源に限りがある石油を原料とすることから、代替材料の活用が長らく課題となっていました。

今回、開発した「生分解性プラスチック」は、トウモロコシやジャガイモ等の植物を原料とするポリ乳酸(*4)系組成の調整を行い最適化したことにより、現用のPC/ABS樹脂(*5)並みの強度と収縮率を実現したもので、たとえ回収、リサイクルから漏れて廃棄され、地中に埋められても微生物の働きにより炭酸ガスと水に分解し、自然に同化します。また焼却された場合でも発生するダイオキシン等の有害化学物質の排出ゼロを実現します。
さらに、製造時の必要エネルギーも、従来品に比べて約50%の消費量で済むため、環境負荷低減につながるとともに、天然素材を原料とすることで、石油の消費削減にも貢献します。

富士通グループは、循環型社会形成に向け、本技術を始めとする最新のテクノロジを積極的に活用し、IT分野のトップランナーとして、環境配慮を強化したグリーン製品の開発を推進してまいります。


【用語説明】
*1:グリーン購入法:
国の機関や都道府県・市町村などの地方公共団体、事業者、国民、製造メーカのそれぞれが、環境負荷の小さい環境物品などの調達・購入を推進することで、持続可能な社会の構築を目指すこと目的とした法律。2001年4月より施行。

*2:改正リサイクル法:
循環型経済システム構築のため、(1)事業者による製品の回収・リサイクルの義務づけ、(2)製品の省資源化・長寿命化による廃棄物の発生抑制対策、(3)回収した製品の部品の再利用対策 を推進する法律。2001年4月より施行。

*3:PRTR法:
企業などが化学物質の排出量および廃棄物としての移動量を行政に報告し、それを公表することにより化学物質・環境汚染物質による環境リスクの削減を図ることを目的とした法律。2000年3月より施行。

*4:ポリ乳酸:
トウモロコシやジャガイモ等のデンプンから得られる乳酸を原料にした植物由来の生分解性プラスチック

*5:PC/ABS樹脂
ポリカーボネートとABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合体)からなるポリマーアロイ。ノートパソコンの筐体によく使用されている。

以 上

プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。

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