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Japan
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[ PRESS RELEASE ] 平成14年3月25日
日本化成株式会社
富士通株式会社
株式会社富士通総研

循環型社会形成に向け、
化学排出物リサイクルに関する新しいビジネスモデルを確立

〜「環境」と「地域振興」を切り口に、e-Japan実現に貢献〜


日本化成株式会社(社長 : 一万田 道敏、本社 : 福島県いわき市)、富士通株式会社(社長 : 秋草 直之、本社 : 東京都千代田区)、株式会社富士通総研(社長 : 佐藤 至弘、本社 : 東京都港区)は、今般、循環型社会形成に向け、共同で化学排出物リサイクルに関する地域密着型のビジネスモデルを確立し、これを福島県いわき市において先行的に適用し、全国展開を視野に入れて推進してまいります。

具体的には、地域製造業の「環境配慮」「産業振興」を目的に、ITを積極的に活用し、化学排出物リサイクルにおける新しいシステムの構築を目指すもので、以下の内容を実現するものです。

  1. 製造、運送、倉庫、サービス等の事業者が排出する化学品の委託処理において、ワン・ストップ・ソリューションを導入することで、委託者の利便性と受託者の事業性を向上させる。
  2. PRTR法(*1)に基づき、化学品及び化学品排出物の流れについて、ASP(*2)等によるデータベースで一元管理を行う。
  3. 上記データについて、PRTR法に基づき、県や関係省庁への電子申請を実現する。
本システム実現により、従来、適切で具体的な分離・回収法が見つからないとして廃棄されてきた化学品混合物や化学品排出物中の有価物のリサイクルが促進されるとともに、地域で新しい産業が創出されると期待されます。さらに、各ステークホルダーには以下のメリットがあります。

市民 : -行政の環境情報把握推進による住環境の信頼と安全の確保
-新産業創出による雇用機会増大
行政 : -環境情報の蓄積/活用による環境先進都市の実現
-地場産業のビジネス機会増による地域経済の活性化、
-域内工業団地の価値向上
企業 : -化学排出物処理のアウトソーシングによる高信頼化及び低コスト化
-PRTR等、各種申請のワンストップ化による事務負担軽減
-透明性の高い化学排出物処理による企業イメージの向上
今回、日本化成は、化学品リサイクル事業等を通じて長年培ってきた化学品処理技術を活用し、新しい分離・回収プロセスの運用と開発を担当するとともに、既存物流網を発展させた新静脈物流システムを構築します。
富士通は、最新のインターネットテクノロジをベースに、これまでのPRTR、MSDS(*3)等に関する環境ビジネスの実績を活かし、ASPを活用した新しい情報システムの構築を担当します。
富士通総研は、シンクタンク業務やコンサルティング業務における実績を活かし、本事業の各ステークホルダーがお互いにメリットを得るWin-Winの関係を、状況の変化に応じて、ITの共通基盤の上で最適化し、本ビジネスモデルに反映させていきます。
三社が提供するこれらの仕組みについては、共同でビジネスモデル特許を出願しております。

また、(1)化学品の処理にはそれぞれ固有の設備・技術・ノウハウがあり、一企業による対応には限りがあることから、それらを有する各企業と連携して取り進める必要があること、(2)環境に対する意識の向上とともに、新しい分離・回収の技術開発を伴う受注が必須であることから、地元の教育・研究機関のサポートが必要であること、(3)廃棄物処理やこれに伴う新産業創出には、行政による多面的な指導が必要であることから、産・学・官の賛同を得、三者連携による「いわきグリーンプロジェクト」(*4)としてこれを推進すべく、「いわきグリーンプロジェクト研究会」(会長 : 国立福島工業高等専門学校 大隈 信行教授)が3月19日に発足しました。
本ビジネスモデルは、この「いわきグリーンプロジェクト」をベースに、いわき市において先行的に適用いたします。

現在、政府は、「IT基本法」(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)に基づき、「e-Japan戦略」を推進しています。本ビジネスモデルは、e-Japan分野の先進事例として、行政と民間をITで結び、全国的な課題である「環境」を切り口に民間分野の情報化を促進するとともに、地域経済の活性化に貢献するという点で意義があると考えます。
今後、日本化成、富士通、富士通総研の三者は、循環型社会の実現に向けた地域ゼロエミッション達成という共通の理念の下、「e-Japan」を具現化する社会システムとして本ビジネスモデルをいわき市モデルとして確立し、これを全国展開することを視野に置き、行政、民間分野のITによる連携を推進してまいります。

【いわき市 四家啓助市長談】

「環境関連産業の振興は、使い捨て型の生活様式を見直し、限りある資源の有効活用による『循環型』のまちづくりを促進し、快適で安全な、不安のない暮らしができる生活圏の形成に寄与するとともに、私たちの豊かな暮らしを支える地域産業の活性化にもつながると考えております。
これは、いわき市総合計画『ふるさと・いわき21プラン』における、将来の目指すべき『いわき』の姿である『循環を基調とした、持続可能なまち』『誰もが安全に、安心して暮らせるまち』『活力に満ち、創造力あふれるまち』といった三つを、まさに同時に実現できる可能性を有しているものと考えております。
そのため、いわき市といたしましても、この『いわきグリーンプロジェクト』の研究会へ参画し、情報収集や情報交換に努めるとともに、本市の環境関連産業の実態と特性の把握や、その振興と育成に積極的に取り組んで参る考えであります。
今後、三社も参画されております『いわきグリーンプロジェクト研究会』の活動が活性化し、産学官各界のメンバーの力が結集されることにより、地域の活性化につながることを期待しております。」


【用語説明】

*1 PRTR法
PRTR=Pollutant Release and Transfer Register(環境汚染物質排出・移動登録). 工場、事業所が化学物質の環境への排出量や廃棄物としての移動量を把握し、その結果を行政に報告することを定めた法律。
*2 ASP
Application Service Provider. 自社のサーバに、業務用のアプリケーションをインストールして、インターネットを通じて顧客にレンタルする事業者の総称。
*3 MSDS
Material Safety Data Sheet.「化学物質安全データシート」または「製品安全データシート」と呼ばれる。化学品の名称名や製造企業名、取り扱い方法、危険性や有害性の種類、物性、環境への影響、安全対策、応急対応、緊急時の対策等に関する情報が化学物質ごとにまとめて記載されている。
*4 「いわきグリーンプロジェクト」
地域経済の活性化と循環型社会の実現を目指す、いわき市総合計画『ふるさと・いわき21プラン』に唱われている、「循環を基調とした、持続可能なまち」、「誰もが安全に、安心して暮らせるまち」、「活力に満ち、創造力あふれるまち」建設の方針に沿い、日本化成をはじめとする地域企業が有する化学品リサイクル技術・施設などを活用しながら、地域の教育・研究機関の参加を得て、産学官の連携により新たな環境産業(リサイクルビジネス)を創出しようとするプロジェクト。

以 上

プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。

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