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9ミリワットで動作するMPEG-4映像圧縮伸長回路を開発株式会社富士通研究所(社長 : 藤崎道雄、本社 : 川崎市)と富士通株式会社は、わずか9ミリワットで動作可能な低電力MPEG-4映像圧縮伸長回路を開発いたしました。
今回開発した回路をシステムLSIに組み込めば、MPEG-4を利用する携帯電話、PDA、デジタルカメラなどのモバイル機器や地上波デジタル放送受信機などで、MPEG-4映像の圧縮伸長処理を低電力で行うことが可能になります。
富士通では、本圧縮伸長回路を搭載したモバイル端末向けマルチメディアLSIを開発し、2002年内をめどに製品化する予定です。
なお、本件は、2月3日から米国サンフランシスコで開催されているISSCC2002(2002 IEEE International Solid-State Circuits Conference)にて発表いたしました。
【開発の背景】 デジタル機器の普及やデジタル放送の開始にともない、映像通信や放送において、映像データの圧縮フォーマットであるマルチメディア符号化規格MPEG-4(*)ビジュアル部の利用が増えています。MPEG-4は圧縮率が高いため比較的低速な回線でも送受信でき、しかも送受信エラーに強いという長所があるため、モバイル環境に適した映像圧縮フォーマットとして期待されています。
しかし従来のMPEG-4映像圧縮伸長LSIは、第三世代携帯電話での利用を目的としていたため、デジタルカメラなどの高画質の圧縮処理には不向きでした。
そこで、さまざまなモバイル機器に適応できる低電力MPEG-4映像圧縮伸長回路技術が強く望まれていました。
【開発した技術】 今回開発したMPEG-4圧縮伸長回路は、デジタル映像を圧縮してMPEG-4符号化ストリームを生成する処理、および、圧縮したMPEG-4符号化ストリームを伸長してデジタル映像を復元する処理を行う回路です。図1に、本回路を搭載した試作LSIのチップ写真と主要諸元を示します。
試作したLSIで評価した結果、圧縮伸長回路では、携帯TV電話に必要なQCIFサイズ(176x144画素)を15 フレーム/秒で圧縮、伸長同時処理した場合に、9ミリワットという世界最小電力を達成しました。また、圧縮、伸長の各処理は、CIFサイズ(352x288画素)、30フレーム/秒、2Mビット/秒まで対応し、高画質な映像ストリームを生成、再生することが可能です(図2)。
開発したMPEG-4圧縮伸長回路の特長は、以下の通りです。
[クリックすると拡大表示されます] 図2 開発回路の適応領域 以 上 プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。 |
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