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[ PRESS RELEASE ] |
2002-0046
平成14年 2月25日
富士通株式会社
株式会社富士通プライムソフトテクノロジ
株式会社富士通研究所 |
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高性能 Linuxクラスタシステムの構築に成功
〜 世界初!! InfiniBand(TM)技術とDAFSにより実現 〜
富士通株式会社(以下 富士通)、 株式会社富士通プライムソフトテクノロジ(社長:毛利 良男、本社:名古屋市、以下 富士通PST)および 株式会社富士通研究所(社長:藤崎 道雄、本社:川崎市)は、高速ファイル共有プロトコルであるDAFS(Direct Access File System、 *1)によりメモリ間のデータ転送を行う、InfiniBand(TM)( *2)技術を用いたLinuxクラスタ( *3)システムの構築に世界で初めて成功いたしました。
このシステムにおいて、現在ファイル共有の標準となっているNFS(Network File System)に対して、ファイル読出し時データ転送性能が約6倍向上、逆にCPU使用率は約17分の1に減少という高性能を達成しました。これにより、バイオテクノロジー、流体解析、構造解析等の分野において、計算性能を十分に引き出せるシステム構築が可能になります。
今回構築に成功したシステムは、富士通のIAサーバ「PRIMERGY(プライマジー)」と、富士通PSTのDAFSプロトコルを使用した高速ファイル共用システム「PSTorage InfiniFS(ピーストレージインフィニFS、仮称、 *4)」を使用しております。
システムの構成は、DAFSが稼動するファイルサーバ1台と、高性能クラスタソフトウェア「SCore(エスコア、 *5)」を搭載した16台(32CPU)のDAFSクライアントを、InfiniBand(TM)技術により接続しています。
富士通PSTは、DAFSプロトコルを使用した高速ファイル共用システム「PSTorage InfiniFS(仮称)」の製品化を進めており、今年4月より高エネルギー加速器研究機構様でのトライアルユースが予定されております。
なお、本システムはIntel社主催の「IDF(Intel Developers Forum Spring2002)」(平成14年2月25日〜28日、米カリフォルニア州サンフランシスコMoscone Center )にてデモ展示を行います。
【構築に成功したシステム構成】
- DAFSが稼動するファイルサーバ
・ | ハードウェア | : | 「PRIMERGY MS610」(CPU:Intel® Pentium®lll Xeon
700MHz×2、メモリ:2GB)、
InfiniBand(TM)仕様 Host Channel Adapter |
・ | ソフトウェア | : | RedHat 7.2 (kernel 2.4.9) |
・ | ファイルシステム | : | 「PSTorage InfiniFS(仮称)」 |
- Linuxクラスタ
・ | ハードウェア | : | 「PRIMERGY L200」× 16台 計32CPU(CPU:Intel®
Pentium®lll-S 1.26GHz×2、メモリ:2GB)、
InfiniBand(TM)仕様 Host Channel Adapter、
InfiniBand(TM)仕様 Switch |
・ | クラスタソフトウェア | : | SCore(エスコア) |
・ | アプリケーション | : | NCBI-BLAST® (*6) |
【用語説明】
- *1:DAFS(Direct Access File System)
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データセンタ等におけるLAN環境下でのファイルアクセスと管理を行うためのオープンなプロトコルです。OSを介さないネットワーク経由のデータ転送が可能な、『メモリtoメモリのネットワーク技術』を採用しているInfiniBand(TM)、cLAN、Myrinet等の高速ネットワーク転送デバイスの性能を最大限に引き出します。NFSなどのファイル共有プロトコルに比べ、CPU使用率を減少させ、高速なデータ転送を実現します。
富士通PSTは、DAFS Collaborativeのメンバーの一員として仕様の策定に参加し、IETF(The Internet Engineering Task Force)による標準化に向けて仕様書を提出しました。DAFS Collaborativeの活動は、現在SNIAのDAFS Implementers'Forumに引き継がれています。http://www.dafscollaborative.org/
- *2:InfiniBand(TM)技術、InfiniBand(SM) Trade Association
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「InfiniBand(TM)技術」は、複数のコンピュータを接続し、2.5Gbpsの高速接続を可能にした次世代I/O仕様です。「InfiniBand (SM) Trade Association」が提唱しています。
「InfiniBand (SM) Trade Association」は、Compaq、Dell、Hewlett-Packard、IBM、Intel、Microsoft、Sun Microsystemsが設立した団体です。富士通グループもFujitsu Siemens ComputersがSponsoring Member Companyとして、富士通がMember Companyとして参加しています。http://www.infinibandta.org/
- *3:Linuxクラスタ
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数台から数千台のIAサーバを接続したLinuxベースの並列分散処理PCクラスタシステムです。
- *4:PSTorage InfiniFS(仮称)
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富士通PSTが製品化を進めているDAFSプロトコルを採用した高速ファイル共用システム。IA-32アーキテクチャ上のLinuxプラットホーム(RedHat Linux 7.2)で動作し、サーバ用ソフトウェアとクライアント用ソフトウェアから構成される。2002年第二四半期に販売開始予定です。
- *5:SCore
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「新情報処理開発機構(RWCP)」の開発成果物で、RWCPつくば研究センターで開発されたクラスタシステムソフトウェアです。現在PCクラスタコンソーシアムで開発、発展、普及を行っています。http://pdswww.rwcp.or.jp/home-j.html
- *6:NCBI-BLAST® (Basic Local Alignment Search Tool)
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BLASTアルゴリズムを用い、検索対象となる配列 (蛋白質、DNA) と類似な配列をデータベースから検索するホモロジー検索プログラムです。NCBI (National Center for Biotechnology Information) が開発しています。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/
【商標について】
- InfiniBandはInfiniBand (SM) Trade Associationの商標またはService Markです。
- インテル、Intel、Pentiumは米国および他の国におけるインテルコーポレーションおよび子会社の登録商標または商標です。
- Linuxは、Linus Torvalds氏の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
- その他の会社名、製品名等の固有名詞は、各社の登録商標または商標です。
【添付資料】
- 「DAFSを用いたInfiniBand(TM)技術によるLinuxクラスタシステム」
(クリックすると拡大表示されます)
以 上
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。
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