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[ PRESS RELEASE ] 2001-0273
平成13年12月13日
富士通株式会社

携帯電話向け2チップスタック型MCP「9mm×9mmシリーズ」を発売

〜MCPパッケージの共通化により設計者の開発工数を削減〜

スタック型MCP「9mm×9mmシリーズ」


当社はこのたび、携帯電話の必須部品であるフラッシュメモリと、RAM製品(モバイルFCRAMまたはSRAM)の2チップを9mm×9mmのPBGA(*1)65ボールにワンパッケージ化したスタック型MCP「9mm×9mmシリーズ」を開発いたしました。
本シリーズの新製品として、64メガビット(以下、Mb) NOR型デュアル・オペレーション・フラッシュメモリ(以下、64Mbフラッシュメモリ)と、非同期SRAMインタフェース採用の16Mb/32Mb/64MbモバイルFCRAMR(以下、モバイルFCRAM(*2))または8Mb SRAMを搭載した4製品を開発し、12月13日より販売を開始いたします。

近年、携帯電話において、機能向上や新サービスの追加に伴いさまざまな技術開発が行われております。それに伴い、搭載されるメモリについても最適な機能や容量が求められます。しかし、搭載されるメモリ部品については、パッケージの共通化が図られていないため、製品開発途中で必要なメモリ容量が変更になると、実装基板のメモリ搭載部を再設計しなければならず、多大な工数を要しておりました。

当社はこれらの課題を解決するために、携帯電話向けのメモリについてパッケージの共通化を図った2チップスタック型MCP「9mm×9mmシリーズ」を開発いたしました。これにより、設計者は、製品開発途中での急な仕様変更等に際しても実装基板のメモリ搭載部の設計変更を行わずに、必要なメモリ容量と機能を組み合わせたMCPを搭載できるため、開発・設計工数を削減できます。
また、64Mbのフラッシュメモリと16 Mb のFCRAMを組み合わせた製品では、従来製品に比べ、実装面積を最大約40%(*3)削減いたしました。

新製品に搭載されているプログラム格納、およびデータ保存を行うフラッシュメモリは0.17μmプロセステクノロジを採用しております。本フラッシュメモリは、従来のNOR型フラッシュメモリと比較して、セクタ消去時間を0.2秒(従来品1秒)に短縮、アクセススピードも70ナノ秒(以下、ns,従来品 80ns)と、電気的特性を大幅に向上させました。
また、データ一時保存用として用いるRAMには、当社独自開発16Mb/32Mb/64MbモバイルFCRAM、または、8Mb SRAMを搭載しております。16Mb/32Mb/64MbモバイルFCRAMは、各々、高速アクセスタイム80ns/70ns/70ns、スタンバイ電流70マイクロアンペア(以下、μA)/100μA/150μA、パワーダウン電流10μAと、高速性と低消費電流を同時に実現した携帯電話向けのASM(Application Specific Memory)(*4)です。

当社は今後も、お客様のアプリケーションに最適なメモリシステムソリューションを開発しいち早く提供してまいります。

【販売目標】
200万個/月(4品種合計)
【サンプル出荷時期】
平成13年12月13日より
【税別サンプル価格】
MB84VD23381FJ    3,500円
MB84VD23481FJ    5,000円
MB84VD23581FJ    6,000円
MB84VD23280FA    4,500円
【主な仕様】

1.品種構成
MB84VD23381FJ    64 Mbフラッシュメモリ / 16 Mb モバイルFCRAM
MB84VD23481FJ    64 Mbフラッシュメモリ / 32 Mb モバイルFCRAM
MB84VD23581FJ    64 Mbフラッシュメモリ / 64 Mb モバイルFCRAM
MB84VD23280FA    64 Mbフラッシュメモリ / 8 Mb SRAM
2.アクセスタイム
・アドレスアクセス最大70ns (64 Mbフラッシュメモリ)
・リードアクセス最大80 ns (16 Mb モバイルFCRAM)
最大70 ns (32 Mb /64 Mbモバイル FCRAM)
最大70 ns (8 Mb SRAM)
・消去時間標準 0.2s/セクタ(64 Mbフラッシュメモリ)
3.動作電源電圧    VCC = 2.7V〜3.1V

4.消費電力
・スタンバイ電流最大5μA(64Mbフラッシュメモリ)
最大70μA(16 MbモバイルFCRAM)
最大100μA(32 MbモバイルFCRAM)
最大150μA(64 MbモバイルFCRAM)
最大15μA(8 Mb SRAM)
・パワーダウン電流最大10μA (16/32/64 MbモバイルFCRAM)
・パーシャルパワーダウン(*5)電流
最大70μA(8Mbデータ保持時)(32 Mb モバイルFCRAM)
最大85μA(16 Mbデータ保持時)(64 Mb モバイルFCRAM)
・読出し動作最大18ミリアンペア(以下、mA)(5MHz動作時)(64 Mbフラッシュメモリ)
最大20ミリアンペア(16 Mb モバイルFCRAM)
最大25ミリアンペア(32/64 Mb モバイルFCRAM)
最大40ミリアンペア(10MHz動作時)(8 Mb SRAM)
・書込み/消去動作最大35ミリアンペア(64 Mbフラッシュメモリ)
・消去/書込み回数10万回(64 Mbフラッシュメモリ)
5.パッケージ
・JEDEC標準 PBGA 65ボール(信号ボール;56,補強ボール;9)
・パッケージサイズ    9mm×9mm×1.4mm(高さ)、0.8mmボールピッチ
【用語説明】
*1 PBGA(Plastic Ball Grid Array)
表面実装型プラスチックパッケージの一種です。
*2 モバイルFCRAM(Fast Cycle Random Access Memory)
FCRAMは、富士通独自開発の次世代メモリコア技術です。
モバイルFCRAMは、その技術を用いて、携帯情報端末向けに低消費電力化を図り、非同期SRAM型インタフェースを採用したものです。
*3
64Mbフラッシュメモリと16Mb モバイルFCRAM搭載製品MB84VD23381EJのパッケージサイズ11mm x 12mm を比較した場合です。
*4 ASM(Application Specific Memory)
用途別に専用化したメモリ製品を指します。当社は、FCRAMコアをベースに用途別に最適化した容量・性能・機能・インタフェースを搭載し、お客様の用途に合ったソリューションを提供しております。
*5 パーシャルパワーダウン(Partial Power Down)
消費電流を低減するための動作モードで、全容量中のある容量サイズ部分(32MbモバイルFCRAMでは8Mb、64MbモバイルFCRAMでは16Mb)のみスタンバイ(データ保持)状態となり、残りの容量部分(32MbモバイルFCRAMでは24Mb; 64MbモバイルFCRAMでは48Mb)がパワーダウン(データ非保持)状態となります。これにより、通常のスタンバイモードよりも消費電流を削減しています。
【商標】
  • FCRAMは、富士通株式会社の登録商標です。
  • その他の製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

以 上

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